シニスターミニスターのポイントはスタート地点と枠

皆さんはシニスターミニスターにどういうイメージがあるだろうか。もちろん、今では誰もが認めるダートのトップサイアー。しかし、繋養当初はインカンテーションやキングズガードなどの重賞勝ち馬こそ出たが、超大物には恵まれず、種付料が下がったこともあった。

勢いが出てきたのは産駒デビュー後7〜8年が経ってから。ヤマニンアンプリメが19年のJBCレディスクラシックを制し、GⅠ級初制覇を果たすと、そこから打ち出の小槌のように大物が続出。テーオーケインズが21年に帝王賞とチャンピオンズC、22年にJBCクラシックを制すと、昨年はキングズソードがJBCクラシックを制覇。また、地方ではミックファイアが22年ぶり2頭目となる無敗での南関東三冠を達成した。

中央と地方、距離を問わずに走れる万能性もあって、今年の種付料は過去最高の700万円(受胎確認後)に達している。このように無双状態のシニスターミニスターだが、実は驚くほど産駒が苦手としている条件がある。それは芝スタートのダート戦だ。とりわけ東京のダート1400mと1600mの成績の差は顕著だ。

ここからは同産駒の通算成績(2024年1月24日時点)を見ていく。ダートスタートの1400m戦では延べ318頭が走り、【36-33-33-216】の勝率11.3%、複勝率32.1%と好成績。これだけの出走数がありながら、回収率は単勝が116%、複勝が117%と共にプラス計上なのは驚異的といえる。一方、芝スタートの1600mはというと、延べ263頭が走り、【14-18-24-207】の勝率5.3%、複勝率21.3%。勝率は1400mの半分以下となっている。また、回収率は単勝が51%、複勝が69%と平凡なので、積極的には手を出しづらい。

シニスターミニスター産駒 関東主要ダートコース成績,ⒸSPAIA


少し話が脱線するが、シニスターミニスター産駒にはもう一つ、重要なポイントがある。それは揉まれずにノビノビと走ってこその馬が多く、内枠よりも外枠で好成績ということ。実は苦手なはずの東京ダート1600mでも、8枠に限れば【5-6-7-21】の勝率12.8%、複勝率46.2%だから積極的に買えるのだ。一方、1〜4枠では【3-5-10-105】の勝率2.4%、複勝率14.6%だから、人気馬でも見送りが正解。昨年のフェブラリーS、2枠4番から終始馬群の中で揉まれてしまったドライスタウトが2番人気に支持されながら、4着に沈んだシーンを覚えている人は多いだろう。他のコースでも内枠<外枠の傾向は使えるので、しっかりと覚えておきたい。

今週末の根岸Sは東京ダート1400mが舞台だが、シニスターミニスター産駒のフルムが出走予定となっている。実績では見劣るが、東京ダート1400mでは【1-0-2-1】の好成績。唯一の馬券圏外だった昨年11月の霜月Sにしても0秒2差の5着だから、常に上位争いに食い込んでいる。前走のコールドムーンSでオープン初制覇を果たしたように勢いも十分。脚質的に道悪の高速決着になると分が悪いが、良馬場なら波乱の主役になってくれるはずだ。

《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GⅠのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。

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