京都芝で勢いに乗るキズナ産駒

キズナ産駒が勢いに乗っている。サイアーランキングは21年から23年まで3年連続で4位だったが、今年はまだ1月28日終了時点とはいえ、ロードカナロアに次ぐ2位。重賞勝ちこそないが、未勝利からオープンまで産駒が満遍なく勝利している。

躍進を支えているのは、京都芝での活躍だ。先週までの9日間の開催を振り返ると、序盤の4日間は17頭が走り、【0-0-1-16】と大苦戦していた。ところが、後半の5日間では14頭が走り、【5-2-1-6】の勝率35.7%、複勝率57.1%と超がつく好成績を記録している。回収率も単勝が145%、複勝でも98%あり、決して断然人気馬だけが走っているわけではない。

この好調の要因は、京都の馬場状態にあると考えられる。今の京都芝は多くの騎手から「緩い」という声が聞かれるように、非常にパワーを要するコンディション。開催が進むにつれ、その度合いは増している。その点、キズナはディープインパクト系種牡馬の中では屈指のパワー型で、高い適性があるのだ。他の種牡馬をチェックすると、道悪巧者で知られるシルバーステート産駒やゴールドシップ産駒も好成績を残している。対照的にディープインパクト産駒が【1-1-1-12】、母の父ディープインパクトも【4-4-6-43】と苦戦しているのは興味深い。

今週、京都芝1800mで行われるきさらぎ賞には、キズナ産駒のジャスティンアースとインザモーメントの2頭がエントリーしている。

ジャスティンアースは母の父がアーカンソーダービー覇者のボードマイスター、母の母父がBCスプリント勝ち馬のスパイツタウンなので、ダート向きとも思える血統構成。昨年11月に今回と同舞台の未勝利戦を制しての参戦となるが、当時に比べて力を要する馬場はプラスに出る可能性が大きい。昨年初のリーディングを獲得し、先週も東西の重賞を制した杉山晴紀厩舎の手腕にも期待したい。

もう1頭はインザモーメント。こちらの母の父カーリンは07、08年の米年度代表馬で、やはりパワーを前面に出した配合となる。昨年10月に今回と同舞台の未勝利戦で初勝利。続くホープフルSではGⅠの壁に跳ね返されたが、0秒8差の8着で内容は悪くなかった。ここは巻き返しを期す一戦となる。

トップサイアーを父に持つ素質馬が顔を揃え、実に難解な一戦。しかしながら血統と馬場からアプローチすればキズナ産駒の2頭、ジャスティンアースとインザモーメントの〝2強〟といっても過言ではない。血の勢いを味方につけて上位独占を期待したい。

《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GⅠのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。

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