地方馬として唯一勝利をあげている岩手のメイセイオペラ

今週は今年最初のGⅠ競走、フェブラリーSが開催される。昨年は外国馬シャールズスパイトの参戦で盛り上がったが、今年は地方競馬から、昨年の6着馬スピーディキックと南関東三冠馬ミックファイア、JBCスプリント勝ち馬イグナイターが参戦する。近年でも稀に見る超豪華な地方馬たちが、中央馬を相手にどんな戦いを見せるのか、注目が集まる。今回はGⅡ、GⅢ時代も含む1986年以降のフェブラリーSの記録を振り返っていく。

これまでにフェブラリーSに参戦した地方馬は30頭。複数回にわたって出走した馬もいるため、出走回数としては36回となる。過去に掲示板内の好走を果たしたのは7回。馬券圏内に食い込んだのは3頭で、2着が2002年トーシンブリザードと2011年フリオーソ、そして地方馬として唯一勝利をあげたメイセイオペラだ。

メイセイオペラは1996年に盛岡でデビュー。デビューから5戦1勝とスロースターターだったが、6戦目に勝利をあげるとそこから9連勝をあげ、岩手を代表する名馬となる。古馬になり川崎記念4着、帝王賞3着など南関への遠征で結果を残すと、地元の南部杯でアブクマポーロらを相手に勝利。岩手だけでなく地方競馬全体を代表する名馬となった。暮れの東京大賞典ではアブクマポーロの逆襲にあい2着に敗れるも、年明け初戦のフェブラリーSで2着エムアイブランに2馬身差をつけて完勝した。

その後も帝王賞制覇など素晴らしい活躍を見せ引退。2016年にこの世を去ったが、地元の水沢競馬場にメイセイオペラ記念碑が建立されるなど今もなお多くのファンに愛されている。その血を受け継ぐ馬は少なくなっているが、今年、母母父メイセイオペラ(母父サウスヴィグラス、父グロリアスノア)の牝馬が2歳になっている。


牝馬で唯一勝利したホクトベガ

地方馬として最も多く出走したのはミューチャリーで、計3回の参戦。こちらはJBCクラシックを制したこともある実力派だが、フェブラリーSにおいては2020〜2022年で11着→7着→10着と大苦戦していた。

地方牝馬で最先着したのは、昨年のスピーディキック。過去には1997年エフテーサッチ(16着)、同年アカネタリヤ(15着)、2018年ララベル(15着)と分厚い壁を感じさせる結果が続いていたが、昨年の堂々たる走りは地方競馬のレベルの高さを示す走りでもあった。

中央も含めた牝馬まで広げると、59回の出走のうち馬券圏内は11回あるものの、2着以内は3回、勝利は1回のみと少ない。2着に食い込んだのは1996年アイオーユー、2000年ゴールドティアラの2頭で、勝利をあげたのは1996年のホクトベガだ。ホクトベガはエリザベス女王杯を制した芝の実績馬だったが、ダート転向後に再ブレイク。川崎記念を制すると、GⅡ時代のフェブラリーSを含めて7連勝を収めた。ドバイで最期を迎えることになったが、その勇姿は多くのファンの記憶に深く刻まれている。

そのほか、歴代の最速上がりは、2022年の勝ち馬カフェファラオが記録した34.3。2022年は鋭い末脚を繰り出した馬が多く、2位サンライズノヴァ(34.5)、3位タイのソリストサンダー、タイムフライヤー(34.6)、牝馬1位ソダシ(34.9)と、歴代の上位を独占している。2022年を除いたトップは2016年の2着馬ノンコノユメが叩き出した34.7。また、フェブラリーSのレコードタイムは2022年にカフェファラオが出した1:33.8だ。

馬体重は歴代出走馬で最重量が2011年ダイショウジェットの562キロ。2位も、その前年のダイショウジェットが記録した558キロだが、いずれも大敗。ただし歴代出走馬で3位のリキサンパワー(1987年、554キロ)は勝利をあげている。歴代最軽量は牝馬のデアリングハートで424キロ。こちらは7着に敗れそのレースがラストランとなったが、引退後に繁殖入りを果たし、孫の代からは三冠牝馬デアリングタクトが活躍した。

今年も様々なバックボーンを持った実力派が集結するダートの大一番。中央vs地方、牡馬vs牝馬などにも着目しつつ応援したい。

ライタープロフィール
緒方きしん
競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。

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