データで見る「穴候補3頭」

今週末の東京メインはフェブラリーステークス。レモンポップやウシュバテソーロ、デルマソトガケら強豪がサウジカップ遠征のため不在で、根岸S、東海Sの両前哨戦勝ち馬も回避。例年とはかなり趣の異なるメンバー構成だ。

それでもGⅠ級勝ち馬6頭が登録し、人気の中心はキングズソード、ドゥラエレーデ、ウィルソンテソーロあたりになるだろう。ただ、3頭いずれも主戦場は1800〜2000mの1周競馬。ワンターンの東京マイルならひと波乱あっても不思議ない。今回も様々な切り口のデータを駆使し、3頭の穴候補を導き出した。

ちなみに、フェブラリーSには過去10年で「前走根岸Sか東海Sで4着以下」【0-0-0-44】という“消しデータ”もあるのだが、一旦これは無視して進める。というのも、今年は前哨戦大敗馬や地方馬が多く、消去法を適用するとほぼ全頭なにかしらのマイナスデータに引っかかるから。それだけ異例の年ということでご容赦願いたい。


「武蔵野Sで内枠克服」なら複勝率60.0%! タガノビューティー

まず1頭目はタガノビューティー。東京ダ1600m【3-3-2-3】のコース巧者であり、昨年はかしわ記念2着、南部杯4着とJpnⅠでも善戦した。

フェブラリーS 前年武蔵野Sの内容別成績(過去10年),ⒸSPAIA


キーとなるのが前年秋に同舞台で行われるGⅢ武蔵野S。過去10年のフェブラリーSにおいて、前年武蔵野Sの5着以内馬は【4-2-6-16】勝率14.3%、複勝率42.9%、同6着以下馬は【0-1-0-13】複勝率7.1%と明暗が分かれている。

とりわけ「武蔵野Sで1〜4枠から5着以内」に入っていれば【4-1-4-6】勝率26.7%、複勝率60.0%、単回収率153%、複回収率154%と素晴らしい。このコースは芝発走、ワンターンの独特な形態ゆえに、内枠不利、外枠有利の傾向が顕著だ。その「不利な内枠を克服した」という事実は侮れない。

今年これに該当するのが武蔵野Sで2枠4番から2着だったタガノビューティー。前走根岸Sは前半3F35.8秒の歴史的スローペースで展開が全く向かなかった。ブリンカー着用以降は、これと直線で歩様が乱れたプロキオンS以外ほとんど崩れていない。ようやく迎えるベスト舞台でのGⅠ挑戦。魅力十分だ。

「R.キング旋風」に乗れ! アルファマム

続いて2頭目はアルファマムをチョイス。登録段階では賞金的に微妙だったが、回避馬が出たことでギリギリ滑り込んだ。鞍上には短期免許で来日中のR.キング騎手が予定されている。

R.キング騎手のJRA成績,ⒸSPAIA


このキング騎手が旋風を巻き起こしている。昨年WASJでの初来日以来、JRAでの通算成績は【9-9-13-57】、複回収率122%。人気薄も上位に導いており、馬券を買う我々にとって非常に心強いジョッキーだ。

なかでもメインにあたる「第11レース」は【3-1-2-6】勝率25.0%、複勝率50.0%、単回収率393%、複回収率341%。チャックネイトでAJCC、サクラトゥジュールで東京新聞杯を制するなど、大レースでの勝負強さが際立っている。押さえておいて損はないだろう。

アルファマム自身の話に戻すと、根岸Sはタガノビューティーと同じくスローペースに泣いたが、上がり最速35.1秒の脚は使った。過去10年のフェブラリーSで「根岸S上がり最速」をマークした馬は【1-0-2-3】。悪くない。

付け加えると、2走前霜月Sの時計がとても優秀である。東京ダ1400mの良馬場で「1:23.0以下」「上がり34秒台で勝利」をクリアした馬はカフジテイク、サンライズノヴァ、モズアスコット、そしてアルファマムの全4頭しかいない。前例の3頭はいずれもフェブラリーSで好走している。アルファマムもここに続く可能性はある。

イメージより走る?「芝マイル重賞連対馬」 ガイアフォース

ラストの3頭目はガイアフォースを選ぶ。3歳秋にセントライト記念を勝った芝の実績馬で、昨年はマイラーズC2着、安田記念4着とマイル適性を示した。今回が初ダートの一戦となる。

ここに出てくる芝馬というと、個人的にはどうもカレンブラックヒル(13年に1番人気15着)のイメージでいい感触を抱かないのだが……。データを見てみよう。

フェブラリーS 芝マイル重賞連対馬の成績(過去10年),ⒸSPAIA


過去10年のフェブラリーSにおいて「芝マイル重賞で連対したことがある馬」は【1-1-1-7】(海外馬除く)。サンプルが少なく、飛び抜けてよくもないが、ノータイムで「消し」と断ずるほどでもない。

そしてこの10頭の枠順別成績に着目。1〜4枠だと【0-0-0-5】とサッパリだが、5〜8枠なら【1-1-1-2】勝率20.0%、複勝率60.0%、複回収率216%。有利な外枠を引いて気分よく運べれば、一発あっていいのではないか。

今年はカラテ、ガイアフォース、シャンパンカラーが候補となるが、ダートのポテンシャルを秘めるとすればガイアフォース一択だろう。母は川崎所属で戸塚記念などを制した女傑ナターレ。その妹にロジータ記念勝ち馬ルイドフィーネがいる南関東ゆかりのダート血統だ。

ガイアフォース自身のパフォーマンスを見るに、道中一度緩んで再加速する芝中距離らしい流れより、淡々と速めのラップを刻み続ける展開が得意なタイプ。馬場はやってみないと分からないが、ダートマイルの展開自体は非常にマッチしそうなのだ。もちろん、データで示した通り「外枠ゲットが必須条件」と念押ししておく。いい枠を引ければ面白い。

<ライタープロフィール>
鈴木ユウヤ
東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、X(Twitter)やブログで発信している。好きな馬はショウナンマイティとヒガシウィルウィン。

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