GⅠ組が少ないならキャリアは浅い方がいい

3月2日(土)に阪神競馬場でチューリップ賞(GⅡ)が行われる。牝馬ながら朝日杯FS3着だったタガノエルピーダや、アルテミスS3着のスティールブルー、イクイノックスの妹ガルサブランカなど16頭が桜花賞への優先権をかけて争う。

間隔を空けたゆとりローテが主流になり、近年は阪神JF上位組の出走が少なくなったことで予想が少し難解になっている。しかし経験の浅い3歳牝馬から本当に能力を持つ馬を見極める、という予想の根源が変わることはない。今年は出走馬のキャリアの面からデータを分析したい。

チューリップ賞のキャリア別成績,ⒸSPAIA


チューリップ賞のキャリア別成績(前走GⅠ組除く),ⒸSPAIA


過去10年のキャリア別成績を調べた。最も多くの勝ち馬を輩出するのがキャリア3戦の馬で【5-3-2-21】の複勝率32.3%。2つ勝って阪神JFでも好走、当然ここでも勝ち負けするという例が非常に多かったのだが、今年は前走阪神JF組の出走がない。前走阪神JF組を抜くと【1-2-0-19】と一気に成績が落ちるため注意が必要だ。

キャリア4戦の馬も【4-1-5-31】と悪くないが、これも前走阪神JF組を抜くと【0-1-2-25】の複勝率10.7%まで落ち込む。前走GⅠでないのに4戦以上のキャリアがあるということは、使わないといけなかった事情があるということ。勝ち上がるのに苦労するなど、実力不足の可能性が高いと言えるのではないか。

今年に関してはキャリアの少ない馬の方が信頼できそうだ。キャリア2戦の馬が【2-3-1-18】、キャリア1戦の馬は【0-2-1-6】と並程度だが、これは元々前走GⅠ組を含まない数字。過去の傾向では、2連勝した馬や新馬戦で圧倒的な内容を見せた馬がGⅠ好走組に押されて負けるというのが定番だった。だが、GⅠ組の少ない今年のメンバーであれば、今までの傾向では負けていた馬が輝いてもおかしくない。

少ないキャリア、GⅠ好走の箔付き

◎タガノエルピーダ
前走朝日杯FS3着。前週の阪神JFを除外され予定が狂った中での出走だったが、外から良く伸び、恵まれた面もなく地力で3着を確保した。キャリアが浅い(2戦)のは今年に関しては好材料。ここに「GⅠ好走」という例年の好データにも合致しており、実力は一枚抜けていると考える。大外枠に入ってしまったのは痛いが、ここを落とすと賞金の都合でクラシック出走が叶わなくなる。GⅠ・3着馬がクラシックに参戦できないなど笑止千万、能力で押し切ってもらわないと困る逸材だ。

◯ミラビリスマジック
前走菜の花賞を好時計で勝利。母は桜花賞3着のソーマジック、姉マジックキャッスルは阪神マイルで実績があるなど血統背景は文句なしだ。キャリア2戦2勝とまだ底を見せていないのはプラスで、枠順も3枠5番と悪くない。GⅠ組の少ないこのメンバーならばと関東から遠征した意気込みも買いたい。

▲ガルサブランカ
この良血馬の扱いに頭を悩ませる人も多いだろう。イクイノックスの妹で、新馬戦、ベゴニア賞と非常に切れる末脚を見せている。前走はスローペースを好位置から追走したにもかかわらず取りこぼしており、現状「上のクラスでも」と思わせるほどの実績はない。しかし、キャリア2戦、好枠の5枠10番と前走負けた以外はケチがつけられない。得意の末脚勝負になれば勝ち負けになるだろう。例年なら間違いなく切っているが、昨年筆者はペリファーニアを切って痛い目に遭った。二度同じことを繰り返さないためにも、配当は低くなるが買っておきたい。

△ワイドラトゥール
2走前は最後方大外回しのため度外視。それを除けば2戦2勝。今回距離延長に対応出来れば好走可能だ。

×スティールブルー
前走フェアリーS4着は僅差だった。展開利があれば前走以上を期待できる。

馬券は◎1着固定の相手4頭に流した3連単12点、3倍以上つくなら◎の単勝も購入して勝負する。(文:福山)

チューリップ賞 予想印
◎タガノエルピーダ
◯ミラビリスマジック
▲ガルサブランカ
△ワイドラトゥール
×スティールブルー

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で30周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。


《関連記事》
・【チューリップ賞】父ミスタープロスペクター系は過去10年で最高3着 データで導く「過信禁物の注目馬」
・【チューリップ賞】1番人気6勝も混戦模様 GⅠ組タガノエルピーダ、エルフィンS2着スウィープフィートが頼り
・【チューリップ賞】過去10年のレース結果一覧