6年ぶりに外国馬が参戦

春の訪れを告げる最強スプリンター決定戦、高松宮記念。主役不在で混戦模様の中、今年は6年ぶりに外国馬の参戦もあり、面白いメンバー構成になりそうだ。出走を予定している馬たちの前走レースを過去10年のデータとともに振り返っていく。

シルクロードS【データ:A メンバーレベル:C】

過去10年の成績【5-2-1-25】勝率15.2%、連対率21.2%、複勝率24.2%

昨年のファストフォースなど過去10年で5勝。また回収率の面でも単250%/複141%と高く、最も相性の良い前哨戦だ。

今年のシルクロードSは2番人気のルガルが好スタートを切ったなか、テイエムスパーダが外からハナを奪った。前半600m通過は33.4という流れも、2番手追走から楽に先頭に立ったルガルがそのまま押し切り、1:07.7で快勝した。2着以下は差し、追込馬が占め、先行した馬たちにとっては厳しい展開。ここで先行して3馬身差をつけた内容は評価できる。勢いそのままにGⅠ奪取なるか注目が集まる。

14着に終わったテイエムスパーダは強引に自分の形に持ち込むも展開が向かず。さらに相手強化となることも考えると、なかなか簡単にはいかないだろう。


香港スプリント【データ:B メンバーレベル:A】

過去10年の成績【1-0-1-5】勝率14.3%、連対率14.3%、複勝率28.6%

2021年にダノンスマッシュが勝利。その一方で22年6着レシステンシアや23年12着メイケイエールのように1番人気の支持を集めるも、案外の結果に終わることも多い。

抜群のスタートを決めたビクターザウィナーを制して、ジャスパークローネが逃げる展開で前半600mを34.78で通過した。4番手のインを追走したラッキースワイネスは直線で外へ持ち出されると、そのまま危なげなく押し切り4つ目のGⅠタイトルを獲得。勝ちタイムは1:09.25だった。

マッドクールは勝ち馬を斜め前に見ながら5番手を追走。直線は外に持ち出したが伸びを欠き8着という結果に終わった。スプリンターズSでハナ差2着時と同様の力を発揮できるかどうかに注目だ。

2024年高松宮記念に出走するマッドクール,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


阪急杯【データ:B メンバーレベル:C】

過去10年の成績【2-2-3-37】勝率4.5%、連対率9.1%、複勝率15.9%

14年コパノリチャード、19年ミスターメロディが勝利。直近では21年にレシステンシアが2着、インディチャンプが3着に入っている。

今年は重馬場での開催。外枠からハナを奪ったアサカラキングが逃げ、600m通過は33.9。そのまましぶとく逃げ粘ったが、道中4番手のインで脚を溜めたウインマーベルがジリジリと詰め寄りハナ差捉えた。ウインマーベルは1200mでも22年のスプリンターズSで2着と結果を残しているが、現状では1400mがベスト条件とみる。


オーシャンS【データ:C メンバーレベル:C】

過去10年の成績【1-2-4-54】勝率1.6%、連対率4.9%、複勝率11.5%

オーシャンSをステップに勝利したのは22年のナランフレグだけだが、19年ショウナンアンセムと22年キルロードがともに17番人気3着と穴をあけた。

稍重で行われたレースは、グレイトゲイナーの外からオタルエバーが競る格好となり、11.9-10.5-10.9(33.3)とペースは流れた。道中5番手を追走していたトウシンマカオが直線外から突き抜け、1:08.0のタイムで快勝した。2走前の京阪杯で58kgを背負ってルガルに2馬身差をつけた内容を踏まえると当然と言える内容。勝ち負けできる力はある。

2024年高松宮記念に出走するトウシンマカオ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


ビッグシーザーはこれまで先行する形が多かったが、7番手から差して2着と新たな一面を見せて好走できたのは収穫と言える。

またキミワクイーン(月曜時点では除外対象)は中団の外を追走して、直線伸びるも0.5秒差の5着。初の1200m戦となったマテンロウオリオンは後方2番手から追い込み8着、シュバルツカイザーは中団馬群で脚を溜めたが13着だった。


阪神C【データ:C メンバーレベル:B】

過去10年の成績【0-1-1-6】勝率0.0%、連対率12.5%、複勝率25.0%

阪神Cから挑んだ馬の勝利はないが、20年グランアレグリアが2番人気で2着(繰り上がり)、昨年はトゥラヴェスーラが13番人気で3着に入っている。

ウイングレイテストの外からピクシーナイトが掛かり気味に上がっていき、前半600m通過33.1というハイペース。5番手の外を追走したウインマーベルが直線ジリジリと伸び、グレナディアガーズとアグリの追い上げを封じて1:19.3で勝利した。

ママコチャはピクシーナイトの直後、2列目の外を追走。直線は左右から後続馬に追い上げられ、勝ち馬から0.2秒差の5着だった。先行した馬には苦しい展開だったことを思えば、敗れはしたがしぶとく粘ったと言っていい。休み明けとなるが実力は上位の存在。スプリントGⅠ連勝を果たして確固たる女王として君臨するのか、その走りに注目が集まる。


京都牝馬S【データ:C メンバーレベル:C】

過去10年の成績【0-2-0-7】勝率0.0%、連対率22.2%、複勝率22.2%

過去に17年レッツゴードンキ、22年ロータスランドが2着に好走している。

外枠からダッシュよくハナを奪ったモズメイメイが逃げる形となり、600m通過は34.5。直線は大きく横に広がっての争いとなる中、中団馬群で脚を溜めていたソーダズリングが外から伸び、さらに外から追い込んできたナムラクレアとの追い比べを制した。勝ちタイムは1:20.3だった。

ソーダズリングはデビューから中距離を使われていたが、昨秋に1600mの三年坂Sで勝利。ターコイズS4着を挟んでさらに距離を縮めた一戦だったが、結果を残した。今回はさらなる距離短縮に対応できるかがカギとなる。

2着ナムラクレアは前走から+10kgと先を見据えた仕上げだったようにも感じたが、しっかり伸びてクビ差まで迫った。昨年の高松宮記念は2着、スプリンターズSは3着と勝ちきれないものの安定感があり、今回も上位争いが期待できそうな一頭だ。

ロータスランドは最後方追走から直線は最内を突いて6着。高松宮記念は22年2着と上位入線したこともあり、展開がハマるかどうかに尽きる。

メイケイエールは出遅れ、抑えきれずに7番手までポジションを押し上げた。直線は外に持ち出すも瞬発力勝負では分が悪く10着。重賞2勝と得意とする舞台でのラストラン、彼女らしい走りを見せてほしい。

モズメイメイはスピードを生かして逃げたが、失速して12着。5戦連続二桁着順と近走は振るわない。

センテナリースプリントC【データ:D メンバーレベル:A】

過去10年の成績【0-0-0-1】勝率0.0%、連対率0.0%、複勝率0.0%

18年のセンテナリースプリントC5着から参戦した香港のブリザードは高松宮記念でも0.2秒差の5着という結果だった。

1月28日に香港のシャティン競馬場で行われたGⅠ。好スタートを決めたビクターザウィナーが、前半600mの通過が35.99というスローペースで逃げる展開。ゴール前はラッキーウィズユー、ウェリントンらがジリジリと差を詰めるも後続に1.3/4馬身差をつけて逃げ切り。勝ちタイムは1:09.43だった。

展開に恵まれ単勝38倍と人気薄での勝利だったが、3走前の香港スプリントでは2番手から運び、ラッキースワイネスと0.32秒差の4着。日本から参戦したジャスパークローネ、マッドクールにも先着。センテナリースプリントCは香港スプリントの上位3頭に先着しており、戦ってきた相手と結果を踏まえるとあっさり勝ち切っても不思議ではない。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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