ハヤヤッコにかかる様々な記録

明けて8歳となったが元気いっぱいだ。「白毛のアイドル」改め「白毛のおじさん」ハヤヤッコが、大阪杯で自身2回目のGⅠチャレンジを迎える。

数々の偉業がかかる一戦だ。分かりやすいところでは白毛のGⅠ制覇。既にいとこのソダシが20年阪神JF、21年桜花賞、22年ヴィクトリアマイルを制しているが、牡馬に限れば史上初となる。また、先週終了時点で白毛はJRA通算49勝。他馬の出走状況にもよるが、勝てば節目の50勝となる可能性が高い。

白毛という括りを抜きにしても、歴史的な勝利となることは間違いない。これまでに8歳以上の馬はJRAのGⅠを19勝しているが、オジュウチョウサンの4勝、カラジの3勝など、うち14勝が障害。平地では09年天皇賞(秋)とマイルCSのカンパニー、10年スプリンターズSのウルトラファンタジー、11年高松宮記念のキンシャサノキセキ、18年京都開催だったJBCスプリントのグレイスフルリープに続いて5頭目。中距離に限ればカンパニー以来、15年ぶり2頭目となるのだ。

珍記録はまだある。ハヤヤッコは通算38戦6勝。39戦目でのJRA芝GⅠ初制覇となれば、日本馬に限れば10年安田記念のショウワモダンに並ぶ最多キャリア記録。地方競馬のGⅠまで含めても、18年JBCスプリントのグレイスフルリープの44戦目に次いで2位タイとなる。ここまで大きな休みを挟むことなく、芝ダートを問わず走ってきたハヤヤッコらしい勲章といえるだろう。

もちろん、立ちはだかるライバルは相当に手強い。一昨年の天皇賞(春)で15着に敗れて以来のGⅠ参戦、そして同年の函館記念が最後の勝利となっているハヤヤッコはおそらく2桁人気だろう。ただ、前々走の中日新聞杯では斤量58.5kgを背負いながら、メンバー中最速となる上がり3F33秒9の末脚を繰り出して2着。前走の金鯱賞にしても1秒1差の4着とはいえ、2着のドゥレッツァからはわずか0秒3差。まだまだ一線級相手で戦えることを示している。

血統の後押しもある。自身初となる阪神芝2000mはキングカメハメハ産駒の十八番。19年以降の近5年に限ると、延べ49頭が88回出走して【15-15-7-51】の勝率17.0%、複勝率42.0%。回収率は単複ともにプラスと素晴らしい成績なのだ。重賞でも一昨年の秋華賞をスタニングローズ、昨年の鳴尾記念をボッケリーニが制するなど、好走例は枚挙にいとまがない。

管理するのは数々の名馬を育てた名伯楽・国枝栄調教師。ならば、よもや賑やかしの参戦のはずがない。春の仁川で「純白のアイドル」が桜の女王となってから早3年、今年は「純白のヒーロー」が誕生することを期待したい。

《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GⅠのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。

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