3つのファクターから推奨馬を見つけ出す

今回は4月6日(土)に阪神競馬場で行われる阪神牝馬Sについて下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。

・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走の敗因」
・適性と素質を知るための「血統評価」

特別登録のあった11頭を検討対象とし過去10年のデータを使用する。

重要データ:極端な前走着順別成績

前走着順別成績,ⒸSPAIA


阪神牝馬Sは牝馬限定戦ということもあり、レース全体の単勝回収率が91%、複勝回収率が103%と荒れやすい部類の重賞だ。

そんな中で注目したいのは前走着順別成績。前走1着馬の成績は【6-4-3-16】で単勝回収率101%、複勝回収率124%。前走10着以下だった馬の成績は【3-4-1-35】で単勝回収率219%、複勝回収率106%となっている。1着か10着以下という両極端な前走成績の馬が本レースでは好走傾向にある。

前走で2〜9着だった馬の成績は【1-2-6-56】で単勝回収率3%、複勝回収率92%。人気が予想される馬ではウンブライル、マスクトディーヴァ、モリアーナが割引データに該当する。好走データに該当する馬はゴールドエクリプス、サブライムアンセム、スピーディキック、ドゥアイズ、ライラックの5頭だ。

【前走1着or10着以下の出走予定馬】
・ゴールドエクリプス
・サブライムアンセム
・スピーディキック
・ドゥアイズ
・ライラック

前走の敗因:小倉大賞典のゴールドエクリプス

ゴールドエクリプスの前走は小倉大賞典12着。このレースはセルバーグが気分よく逃げてハイペースとなったが、馬群は間隔が開いた状態だったためポジションによる有利不利はなかった。

ゴールドエクリプスはスタートで後手を踏んでしまい、後ろからの競馬。引き締まった流れを徐々に前に押し上げていくような形になり、厳しい流れとなった。

加えて4コーナーは逆手前で回っており、スムーズさを欠いた。出遅れ、引き締まった流れで徐々にポジションを上げる競馬、4コーナー逆手前と敗因は明確で巻き返し可能だ。4走前は軽斤量とはいえ小倉記念3着。今回のメンバーなら通用していい。

血統解説:ドゥアイズ、ライラック

ドゥアイズの血統表,ⒸSPAIA


・ドゥアイズ
日本での牝祖は祖母サミットヴィル。同馬は現役時メイヒルS(GⅢ・芝8F)を勝利した実績馬。ヨーロッパ血脈の一族だが祖母の父がGrand Lodge、3代母の父がShirley Heightsで比較的スピード性能の高い血を重ねられてきた。日本では従兄弟のルークズネスト(父モーリス)がファルコンS勝ち、叔父シンギュラリティ(父ダノンシャンティ)がJRAで4勝している。

本馬はルーラーシップ×ディープインパクトというキセキやドルチェモアと同じタイプの組み合わせだが、ファミリーの距離適性が短くストライドの大きいマイラーに出ている。前走で高速決着にも対応し本格化してきている。直線の長いマイルで良さが出る馬で、阪神マイルはベストな舞台だろう。

ライラックの血統表,ⒸSPAIA


・ライラック
日本での牝祖は4代母スカーレットインク。同牝系といえばダイワメジャー、ダイワスカーレットの兄妹が活躍馬としては有名だ。本馬も7/8同血の兄に札幌2歳S勝ちのブラックホール(父ゴールドシップ)がいる。成長力のあるスカーレットインク牝系、そこにフジキセキ→キングカメハメハ→オルフェーヴルとつけられた本馬だが、オルフェーヴル産駒らしく古馬になってから徐々に強くなってきた。

エリザベス女王杯2着やフェアリーS勝ちなど実績面では今回のメンバーなら最上位。操縦性の高さやしぶとさが持ち味のタイプで非根幹距離、小回りコースがベストな馬だ。阪神マイルは追走で手一杯になりそうで、実績ほど走れない可能性が高い。

Cアナライズではドゥアイズを推奨

今回のCアナライズではドゥアイズを推奨する。元々はルーラーシップ産駒ということもあり高速決着には不安があるタイプだったが、前走の洛陽Sで時計勝負にも対応した。

クラシック3走の中で最も着順が良かったのも桜花賞の5着で、直線の長いマイルがベスト。明らかに適性外だったオークスと秋華賞を除けば一度も掲示板を外したことのない堅実派だ。時計勝負にも対応できるようになった今なら好走の可能性は高い。

荒れやすい重賞だけに前走の敗因が明確なゴールドエクリプスを中心に、好走データに該当する馬は馬券の相手に組み込みたい。ライラックは好走データには該当しているが、適性がズレる今回は上位人気になるようなら嫌ってもいいか。

【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか「競馬王」など商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。

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