近年はトライアル組から勝ち馬なし

2024年4月7日に阪神競馬場で行われる第84回桜花賞。18年以降の勝ち馬6頭のうち、5頭が古馬混合のGⅠで連対している。しかも同期間で3頭が三冠馬、1頭が二冠馬となっており、ここを勝てば将来を約束されたも同然。そんな桜花賞にはどんな傾向があるのか。今回は過去15年の成績を基にして傾向を調べていきたい。

☆所属
美浦所属馬が5勝(7連対)、栗東所属馬が10勝(23連対)。連対率、複勝率では栗東所属馬が大きく上回っているが、勝率では大きな差は見られなかった。

出走馬の所属,ⒸSPAIA


☆キャリア
最少キャリアで勝ったのは20年デアリングタクトで2戦。最多キャリアは17年レーヌミノルで6戦。キャリア1戦の馬は未出走、キャリア7戦以上で馬券に絡んだ馬はいない。

キャリア2〜6戦の成績を比べると、3戦の馬が勝利数で1位タイ、連対数、勝率、連対率、複勝率で単独1位。近5年でも勝利数、連対数で単独1位。キャリア4戦以上は、出走回数が増えるごとに好走率が下がる傾向にある。

出走馬のキャリア,ⒸSPAIA


☆前走クラス
前走GⅢが9勝、2着7回、3着9回。データを素直に見れば、馬券に絡んだ半分以上が該当することになる。ただし、GⅢ経由で馬券に絡んだ馬の大半はGⅢ時代のチューリップ賞を使っていた。同レースがGⅡに昇格した18年以降のデータを調べてみると、GⅢ組は【2-0-2-23】。勝率、連対率、複勝率のすべてで数字を落としている。

出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA


☆主な前走
GⅡ昇格したチューリップ賞は【0-5-3-18】で勝ち馬が1頭も出ていない。ただ、2、3着馬は多く出していることは覚えておきたい。

18年以降で結果を残しているのは阪神JF。【2-1-0-4】とサンプルは少ないものの、2勝は全レースの中で最多の数字。勝率、連対率も文句なしだ。

逆に結果が出ていないのはトライアルの1つであるフィリーズレビュー。過去15年に広げても連対したのは17年のレーヌミノルだけ。同じトライアルの1つであるアネモネSはもっとひどく、該当する31頭すべてが掲示板にすら入っていない。

つまり18年以降は、3つのトライアルから勝ち馬が出ていないことになる。

出走馬の主な前走,ⒸSPAIA


☆前走着順
勝ち馬15頭すべて、そして馬券に絡んだ45頭中、38頭が前走4着以内だった。同5着以下の馬は大きな割引が必要だ。

出走馬の前走着順,ⒸSPAIA


☆前走着差
前走勝ち87頭の前走着差を調べてみると、0.3秒以上で勝った馬が、0.2秒以下で勝った馬より好走率が高い。また、前走が0.8秒以上で負けた馬からは勝ち馬が出ておらず、好走率も低い。

出走馬の前走着差,ⒸSPAIA


☆前走人気
前走1番人気に支持されていた馬が10勝。好走率も高く、信頼度の高いデータのひとつといえる。前走6番人気以下だと、連対したのは23年の2着馬コナコーストだけ。連対率も1.2%と低い。

出走馬の前走人気,ⒸSPAIA


☆その他
そのほかで気になったデータを挙げていく。まずは前走馬体重。勝ち馬15頭中14頭が前走馬体重450〜500キロだった。続いて誕生月。5月生まれの馬は【0-2-0-22】と、1〜4月生まれの馬と比べるともうひとつの成績。最後に生産地。北海道以外で生まれた馬(海外含む)は1頭も馬券に絡んでいない。

その他のデータ,ⒸSPAIA


チェルヴィニアが桜の女王へ

桜花賞のデータをまとめてみよう。

【好走率アップ】
A「キャリア3戦」
B「阪神JFからの直行組」
C「前走を0.3秒差以上で勝利」
D「前走1番人気」
E「前走馬体重450〜500キロ」

【好走率ダウン】
F「キャリア6戦」
G「前走フィリーズレビュー」

【勝ち馬なし】
H「前走5着以下」
I「前走が0.8秒差以上負け」
J「前走6番人気以下」
K「5月生まれ」

【連対馬なし】
L「キャリア7戦以上」
M「前走アネモネS」
N「生産地が北海道以外」

今年は本賞金900万以下の馬は、今のところ除外対象となっている(トライアルで権利を獲得した馬を除く)。現時点で出走可能な馬と、このままいけば抽選となる3頭を対象に見ていく。

対象馬の半分以上が何らかのマイナスデータに引っかかっていたが、それらに該当せず、かつプラスデータを3つ以上持っているのはアスコリピチェーノ(ABE)、チェルヴィニア(ACDE)、ライトバック(ADE)の3頭だ。

今回のプラスデータ5つの中で好走率が高いのは、C「前走0.3秒差以上で勝利」。該当するのがアルテミスSを勝ったチェルヴィニアだ。

アルテミスSからの直行はここ15年で初。しかし、近年は非トライアル組が主流となっている。18年以降の勝ち馬の前走を見てみよう。

<桜花賞優勝馬の前走>
18年 シンザン記念
19年 朝日杯FS
20年 エルフィンS
21年 阪神JF
22年 クイーンC
23年 阪神JF

トライアルよりも「間隔が開くローテ」がトレンドになっているのは間違いなく、アルテミスSからの直行はむしろプラスととらえたい。

アスコリピチェーノとライトバックの比較は、B「阪神JFからの直行組」を持つアスコリピチェーノを上に取りたい。4番手には、同じく「阪神JFから直行」のステレンボッシュをチョイス。プラスデータ2つ、マイナスデータなしでデータ的にも悪くない。

最後の印をどれにするか悩むところ。非トライアル組が主流ということで、これに該当してかつマイナスデータを持たない馬から選びたい。該当するのはイフェイオン(フェアリーS)、クイーンズウォーク(クイーンC)、ボンドガール(サウジアラビアRC)の3頭だ。

イフェイオンのフェアリーSは【0-0-1-4】とサンプルは少ないが連対馬が出ていないので脱落。クイーンCは3頭の連対馬が出ており、サウジアラビアRCは該当馬が1頭もいないので未知の魅力がある。よってクイーンズウォークとボンドガールを押さえとする。

◎チェルヴィニア
◯アスコリピチェーノ
▲ライトバック
△ステレンボッシュ
×クイーンズウォーク
×ボンドガール(現時点で抽選対象)

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
3月下旬になっても、冬場と全く同じ服装。阪神競馬場の桜は開花するのかと心配でしたが、ここにきてやっと気温が上昇。桜の心配はなくなったので、あとは急激な気温の変化に、自分の体がついていけるかどうかです。

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