今季初登板は3回5失点で敗戦投手

2023年に史上3人目のMVPと新人王をダブル受賞した阪神・村上頌樹が4月2日のDeNA戦(京セラドーム大阪)で今季初登板し、3回7安打5失点で敗戦投手になった。

初回、先頭の度会隆輝を四球で歩かせると、1死後、佐野恵太に右前打で一、三塁。4番・牧秀悟のゴロをサード佐藤輝明がエラーし、先制点を献上した。

さらに宮崎敏郎の右前打で満塁となり、2死後、山本祐大に走者一掃の三塁打。昨季は先発した全24試合で失点のなかった初回に、まさかの4失点…。3回にも1点を失い、エラー絡みのため自責点1とはいえ、昨季とは別人のような投球だった。

多忙なオフ、厳しくなる他球団のマーク…

昨年4月12日の巨人戦(東京ドーム)で7回パーフェクトの完全投球を見せ、5月9日ヤクルト戦(神宮)の7回にサンタナにソロ本塁打を浴びるまで開幕から31イニング連続無失点をマーク。1963年の中井悦雄(阪神)に並ぶセ・リーグ最多タイ記録を達成した。

その後もキレの良いストレートと抜群のコントロールでローテーションの一角を担い、10勝6敗、防御率1.75で最優秀防御率のタイトルを獲得。MVPと新人王をダブル受賞し、推定年俸750万円から6700万円にはね上がった。

当然、今季も大黒柱として期待されていたが、3月19日のソフトバンクとのオープン戦でも5回11安打8失点と炎上。本調子でないことは明らかだ。要因は様々あるだろうが、大ブレイクした昨季の「反動」はないのだろうか。

昨季はプロ3年目だったとはいえ、ほとんど一軍での実績がなかった村上にとって、がむしゃらに腕を振り続けた実質初めてのシーズン。大活躍で優勝に貢献したことによって、オフはメディアやイベント出演など野球以外で多忙を極めた。

気の緩みはなかったとしても、調整に微妙な狂いが生じても不思議ではない。当然、他球団からのマークも厳しくなる。ほんの少しの感覚のズレが焦りを生むこともある。

対照的だった木田勇と野茂英雄の2年目

MVPと新人王のダブル受賞は村上以外に過去2人。それぞれの翌年成績はどうだったのだろうか。

日本鋼管から日本ハムに入団1年目の1980年に22勝8敗4セーブをマークした木田勇は、最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率に輝き、MVP、新人王、ベストナイン、ダイヤモンドグラブ賞などタイトルを総なめにした。

オフには紅白歌合戦に審査員として出演するなど“時の人”となったが、翌1981年の初登板は9回完投勝利を挙げたとはいえ12安打9失点。久保寺雄二に満塁本塁打を浴びる波乱のスタートとなり、結局28試合に登板して10勝10敗、防御率4.76と大幅に成績を落とした。

史上2人目のMVP&新人王となった近鉄・野茂英雄は、1990年に18勝8敗、防御率2.91で最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率に輝き、沢村賞やベストナインも受賞。トルネード投法で「ドクターK」の異名を取った。

野茂は翌1991年も17勝11敗1セーブ、防御率3.05をマーク。1992年は18勝、1993年も17勝を挙げて4年連続最多勝、最多奪三振に輝いた。周囲の喧騒に惑わされないマイペースな右腕に反動はなかった。

村上は立て直すことができるだろうか。次回はローテーション通りなら甲子園開幕となる9日の広島戦。“アレンパ”には欠かせない戦力だけに、復活を告げる力投が期待される。

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