ウインドインハーヘアの血を引く牝系が大活躍

今年のクラシック戦線はディープインパクト産駒が不在となったこともあり、有力馬の父親がバラエティーに富んでいる。

先週の桜花賞で言えば、エピファネイア産駒、キズナ産駒、スワーヴリチャード産駒、ハービンジャー産駒が2頭出し。他の10頭はそれぞれ別の種牡馬の産駒だった。今週の皐月賞も除外対象を除けば多頭出しはキズナ産駒の3頭、エピファネイア産駒とスワーヴリチャード産駒の2頭のみ。種牡馬界は群雄割拠の時代に突入している。

そんな中、ディープインパクトの母ウインドインハーヘアの牝系が今年のクラシックを席巻しようとしている。ウインドインハーヘアは91年生まれのアイルランド産馬。現役時代には初仔を受胎しながら独GⅠのアラルポカルを制覇。繁殖となってからディープインパクトを筆頭にブラックタイドやレディブロンドなど、次々に活躍馬を送り出したことは、多くのファンの知るところだ。今年で33歳となったが存命。北海道のノーザンホースパークで繋養されているので、ぜひ会いに行っていただきたい。

それはさておき、ウインドインハーヘアの牝系を見ると、孫ゴルトブリッツは12年の帝王賞を制覇。ひ孫のレイデオロは17年の日本ダービー、18年の天皇賞(秋)を制し種牡馬となっている。他にもアドマイヤミヤビやレイエンダ、ルフトシュトロームなど、重賞勝ち馬は枚挙にいとまがない。

そして現3歳世代は空前絶後のヴィンテージイヤーだ。先週の桜花賞ではひ孫のステレンボッシュがGⅠ初制覇。さらに今週の皐月賞には同じくひ孫が2頭もエントリーしている。

レガレイラは昨年のホープフルSで牡馬を一蹴し、牝馬では初となる混合2歳GⅠ制覇を達成。今回は牝馬で76年ぶりの皐月賞制覇に挑む。もう1頭のアーバンシックは京成杯の2着馬。惜しくもダノンデサイルには届かなかったが、上がり3Fはメンバー中最速の33秒9をマークして世代屈指の決め手を示した。この2頭はともに父がスワーヴリチャード、さらに母が全姉妹なのでほぼ同じ血統構成となる。

レガレイラかアーバンシックが勝てば、一族での春のクラシック完全制覇が現実味を帯びてくる。また、いとこでワンツーとなればGⅠでは史上初? かどうかは定かではないが、相当なレアケースであることは間違いない。ディープインパクトの衝撃の三冠制覇から早19年、再び「ディープに関わる血」がクラシックを席巻することになりそうだ。

《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GⅠのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。

《関連記事》
・【皐月賞】シンエンペラー、メイショウタバルは消し ハイブリッド式消去法
・【皐月賞】データは共同通信杯、ホープフルS組優勢 毎日杯圧勝のメイショウタバルは侮れない
・【皐月賞】過去10年のレース結果一覧