2020年現役選手の背番号「19」

背番号10番台は投手のイメージが強いが、2020年からソフトバンク・甲斐拓也が「19」を背負う。今年2月に死去した往年の名捕手・野村克也氏が現役時代に背負っていた番号だ。

2020年各球団の背番号「19」は下記の通り。

西武:齊藤大将投手
ソフトバンク:甲斐拓也捕手
楽天:藤平尚真投手
ロッテ:唐川侑己投手
日本ハム:金子弌大投手
オリックス:山岡泰輔投手
巨人:不在
DeNA:山﨑康晃投手
阪神:藤浪晋太郎投手
広島:野村祐輔投手
中日:吉見一起投手
ヤクルト:石川雅規投手

不在:1球団
永久欠番:0球団
投手:10球団
捕手:1球団
内野手:0球団
外野手:0球団

12球団中10球団が投手の番号として使用している背番号「19」。石川雅規(ヤクルト)、金子弌大(日本ハム)、吉見一起(中日)、野村祐輔(広島)、山﨑康晃(DeNA)、藤浪晋太郎(阪神)といった各チームの主力投手が背負っている。

山岡泰輔(オリックス)は昨年まで背負っていた「13」から変更。移籍するまで背負っていた金子弌大から受け継いだ。昨年、勝率第1位に輝いた右腕への期待の表れだろう。

巨人は2018年まで菅野智之、2019年は上原浩治が背負ったが、上原の引退に伴い空き番号となっている。

野村克也氏以来43年ぶりに捕手として背負う甲斐拓也

戦後初の三冠王に輝き、ヤクルト、阪神、楽天の3球団で監督として通算1565勝を挙げた野村克也氏。現役時代の多くをともにした背番号が「19」だった。

1954年に南海に入団した当初は「60」で現役生活をスタート。1年目はわずか9試合出場、2年目の1955年も未出場だったが、期待のホープは背番号を「19」へ変更することになった。

すると1956年からレギュラーに定着。1957年には初の打撃タイトルとなる本塁打王を獲得した。1961年から1968年まで8年連続本塁打王となり、1965年には戦後初の三冠王。その後、選手兼任監督に就任するなど南海の中心人物として活躍した。南海を退団後もロッテ、西武で「19」を背負いプレーを続けた。

そんなホークスの「19」を捕手として43年ぶりに背負うのが甲斐拓也だ。「甲斐キャノン」と呼ばれる強肩で2017年から3年連続ゴールデングラブ賞を受賞。2018年の日本シリーズではMVPに輝いた。

野村氏は2月に亡くなったため、「19」を背負う捕手としての活躍を見せることはできなかったが、心中期するものがあるだろう。今季の甲斐には大いに期待したい。

「19」で始まり「19」で終わった上原浩治

かつて、巨人の背番号「19」は小林繁が背負っていた。小林はエース級の活躍を見せていたものの、「空白の1日」騒動で巨人に入団することになった江川卓との交換トレードで阪神へ移籍した非運の投手でもある。

その後、北海道拓殖銀行からドラフト1位で入団した吉田修司や、メジャーリーグ移籍も果たした木田優夫らが着用し、1999年から上原浩治が背負った。上原はルーキーイヤーから背番号を超える20勝を挙げ、最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率、沢村賞、新人王などタイトルを総なめ。2008年まで先発、抑えと様々な役割をこなし、海外FA権を行使してメジャーリーグへ移籍した。

新天地のボルチモア・オリオールズでも背番号「19」を与えられ、その後移籍したテキサス・レンジャーズ、ボストン・レッドソックス、シカゴ・カブスの全球団で背番号「19」を背負っている。

また、アテネオリンピック、北京オリンピック、第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)など日本代表でも背番号「19」を着用。日本球界復帰となった2018年は「11」だったが、現役ラストイヤーの2019年は「19」に戻し、ユニフォームを脱いだ。

2020年は空き番号になっている通り、軽々しく与えられる番号ではないだけに、次に巨人の「19」を背負うのは誰になるのか注目される。

復活できるか藤浪晋太郎

大阪桐蔭のエースとして甲子園で春夏連覇し、プロ入り後も1年目から3年連続2桁勝利を挙げた阪神・藤浪晋太郎があえいでいる。成績が下降線を辿っているだけでなく、2020年3月に新型コロナウイルスに感染、復帰した矢先の5月28日には練習に遅刻し、2軍降格となった。

身長197センチの恵まれた体格、伸びのあるストレート、地元・大阪出身のスター。このまま埋もれるには、あまりにももったいない選手であることは間違いない。それでも、もう後がないことは誰よりも本人が自覚しているだろう。

阪神の「19」もチームを代表する選手が背負ってきた。名外野手として活躍した藤井栄治、巨人から移籍した1979年に巨人戦8連勝を含む22勝を挙げた小林繁、1985年の胴上げ投手・中西清起、ノーヒットノーランを達成した川尻哲郎。その系譜を受け継ぐ藤浪の復活を願うのはファンも球団も同じだろう。汚名返上の劇的復活を遂げられるか、2020年は正念場だ。

「火の玉投手」ことボブ・フェラー

メジャーリーグの伝説として名を残す一人でもあるボブ・フェラー。スピードガンのない時代のため正確な球速はわからないものの、剛速球を投げたことで知られている。その投げっぷりからついた異名は「Heater from Van Meter」(日本では「火の玉投手」)だった。

ボブ・フェラーはクリーブランド・インディアンスで1936年のメジャーデビュー時は背番号「9」だったが、その後「14」を経て、1939年から1956年の引退まで背番号「19」を背負った。

その間に挙げた勝利数は実に266。6度の最多勝、7度の最多奪三振、1度の最優秀防御率を獲得するなど歴史に残る活躍を見せ、引退後に「19」はインディアンスの永久欠番となった。1962年にはアメリカ野球殿堂入りを果たしている。