Bリーグ2017-18シーズン(2017年度)決算発表

Bリーグが2017-18シーズン(2017年度)の決算発表を実施。(A東京・SR渋谷・川崎・新潟・三遠・三河・名古屋D・大阪・FE名古屋は決算月が異なるため、シーズン直前の決算を反映)

全体の営業収入は195億円(内訳はB1・145億円、B2・50億円)。2016年度より30.2%の伸び。大河正明チェアマンは「現実的には25%ぐらいかな」と分析する。純利益は5.2億円、最終損益は黒字となった。営業収入は2016年度より約45億円増加し、営業費用約20億円がトップチームの人件費として計上された。

各クラブの数字として、営業収入はB1クラブ平均8.1億円、B2クラブ平均2.8億円という結果に終わった。B1とB2の格差は概ね3倍となり「サッカーのJ1・J2と似たような格差だと思っている」と大河チェアマンは話す。

クラブ別の営業収入は、千葉を筆頭に6クラブ(三河、大阪、栃木、A東京、川崎)が10億円を突破。2016年度の2チーム(大阪、栃木)から増加した。7位の琉球も約9億7300万円となり、大河チェアマンは琉球まで含めて「この7クラブが10億円の営業収入のあるクラブと認識している」とコメント。

そして、1年目と2年目を比較して「千葉、新潟、北海道が営業収入面において頑張ったクラブ」とし、B2クラブからは、茨城・東京Zを評価した。

リーグ全体の入場者数は250万人となり、昨季より11.8%増加。B1クラブでは、千葉が2016年度から約2万人増加して約15.5万人、2季連続で1位を守った。2位の北海道は約3万人増の約11.2万人で、2016年度の7位から大きく躍進。以下、栃木、琉球と続く。

B2クラブは秋田が2位以下に2万人差をつけ約8.7万人でトップとなり、以下仙台・熊本・広島・福岡と続いた。

2期連続赤字クラブかつ債務超過が4クラブ

順調に発展を続けるBリーグだが、一方で課題も挙がった。それは赤字クラブ・債務超過クラブの話題だ。

2016年度に比べて赤字クラブ・債務超過クラブは減少し、B1からは債務超過クラブが0に終わったことは良かったが、残念ながらB2、B3から2期連続赤字クラブ、債務超過クラブが出てしまった。

2期連続赤字クラブは、全て今季B2に所属するクラブ(福島・群馬・金沢・西宮・奈良・島根)。そのうち、福島・群馬・金沢・奈良は同時に債務超過クラブでも名前が挙がった。

Bリーグでは3期連続で赤字を計上した場合、クラブライセンスは交付されない。(交付の判断が下るのは7月。6月決算の場合、2017年6月期、2018年6月期、2019年6月期の3期が最初の判定対象)

大河チェアマンが金沢を特に「危機感を持っているクラブチーム」として示した。金沢は2016年度に約1.6億円の赤字で収入の倍以上の経費を計上し、債務超過も抱えている。

債務超過は7クラブ。2020年6月までに債務超過を解消できなかったクラブはB2ライセンスが交付されない可能性がある。

香川は直近の2期で黒字だったが、6000万円の債務超過を出している。現在中地区で首位を走る信州は、赤字でかつ債務超過に陥っている。「ファイナンシャルフェアプレーではない。身の丈に合った経営をして欲しい」と大河チェアマンは指摘した。

さらに純資産が少ないクラブ8チーム(純資産額500万円以下)が挙げられたが、そのうちB1クラブが4チーム。大河チェアマンは、特に富山に関して「非常に問題意識を持っている」とコメントした。富山は2017年度で約500万円の赤字を計上し、純資産も58万8000円の黒字で「ほぼゼロ」と指摘。「増資も含めた資本政策が無いとB1ライセンスを来季に向けて発行していくことは難しいという認識は強く持っている。強ければよいというのではなく、財務をきれいにして、収入を増やしてから強くなっていくという事を目指していかないといけない」と厳しい口調だった。

Bリーグが目指す理想の経営「ソフト」と「ハード」の一体運営

入場料収入トップ3は千葉・栃木・琉球、スポンサー収入では三河・A東京・大阪が上位3クラブに入ったが、その中でも大河チェアマンは総合的に琉球を一番に評価した。

その理由としたのが「自己資本比率」である。自己資本比率とは、純資産を総資産で割り算して、パーセント表示したものだ。

琉球に当てはめると純資産は約2億円、総資産は約3.3億円で自己資本比率は60%超。「ここが60パーセントぐらいあるチームは、Jリーグを見てもなかなかない。利益を出しながら、選手に投資をしてチームも間違いなく強くなっている。これは私が思う理想的な経営で、これだけ純資産があるということは、クラブの価値は非常に高い」と分析した。

同じく「クラブの価値が高い」と評価したのが大阪。大阪は2016年度に続いて2期連続営業収入が10億円を超えた。純資産は琉球を上回る、約3.2億円に上った。これは、「その他の収入」という科目の半分を占める「おおきにアリーナ舞洲」のアリーナ運営が収入を押し上げた形だ。

大阪市からアリーナを借りて運営しており、2017年度の入場料収入はB1クラブベスト10に入らなかったものの、ハードの運営がものを言った結果となった。大阪はBリーグが目指している「バスケットボールというコンテンツ」と「アリーナ運営というハード」、「ソフト」と「ハード」を一体運営している典型例だと大河チェアマンは考えている。

もちろん、ファンやブースターの人気が指標となる「観客動員」も収入の財源であるが、会場規模の問題でいずれは頭打ちになる可能性があるので「ハード」との一体運営が要求される。

2020年には沖縄にアリーナが誕生する。琉球がアリーナとの一体運営を実現できれば、さらにビッグクラブになると大河チェアマンは分析した。

京都ハンナリーズが1勝あたりのコストでリーグ1位

記者会見ではあまり触れられていなかったが、興味深いデータが公表された。1勝あたりのトップチーム人件費(勝数効率)という項目だ。金額が少ない程、勝敗効率が良いという内容である。

ここでB1トップを獲得したのが、京都の540万円。以下、新潟(570万円)、北海道(580万円)と続いた。ちなみに2016年度は、新潟がトップで350万円、京都は5位だった(570万円)。

今回公開された資料の中に、京都の名前がほとんど出てきていない。トップチーム人件費トップ10でも、上位7位までが昨季チャンピオンシップに出場したチームで、ここにも京都の名前が無い。入場料収入もスポンサー収入も上位には顔を出していない。

発表されている数字として、2017年度の純利益・総資産はいずれも黒字。総資産も一つ間違ったら債務超過に陥る訳でもなく、1勝当たりのトップチーム人件費も2016年度とさほど変わらないと結果となった。

確かに人件費をかけたからと言って、成績が良くなるとは限らないが、西地区同士で比較すれば、京都の約1.9億に対し、琉球は3.3億、大阪は2.7億と、琉球の約半分、大阪より約9000万円下回る人件費で賄っている。B2降格になった島根の2.1億円も下回った。

その上で京都はチャンピオンシップに出場を果たし、一方の大阪は進出できなかった。もちろん、スタッフの人数や運営方針の違いもあるので、単純比較は難しいが、数字上ではこのような結果となった。

思い返せば、昨季の京都はレギュラーシーズン終盤で故障者が続出し、人数が揃わない中でも、当時の東地区上位チームと互角に戦う場面が多く見られた。

最終的にスコアで離された試合もあったが、驚異的な粘りを見せるなど、あるチームから「嫌らしいチームになった」と言われたほどだった。そして、今季も昨季からあまりメンバーを変えずに臨み、レギュレーションや故障者に苦しみながらも、昨季から継続する全員で戦うバスケを展開。今季も記憶に新しいところでは、第11節に昨季のリーグ優勝チームA東京相手にアウェイゲームながら、2戦とも80点台の接戦を演じ1勝1敗で終えた。DAY1では一時ダブルスコアでリードしていたのだ。

これで観客動員が増えて、スポンサー収入も増えれば良い傾向である。このように、チーム一丸となって、選手やスタッフが持っている力以上のものを出し、勝利にこぎつけているチームもある。

Bリーグも3シーズン目、観客動員、スポンサーという目線も大事だが、コストパフォーマンスで勝負し、その後に集客やスポンサーに注力を入れるというのも別の視点として持っても良いのではないだろうか。

Ⓒマンティー・チダ