香港競馬では全騎手が名前入りのジョッキーパンツを着用

どのスポーツでもその時代ごとに、流行りのスタイルがある。野球ではイチロー選手がストッキングを見せるオールドスタイルを取り入れると、日本でも取り入れる選手が増えたということもあった。それは競馬の世界でも同じである。今回のコラムでは、現在の競馬界で流行りのスタイルについてご紹介しよう。

ここ数年、JRAの騎手のトレンドとなっているのが、ジョッキーパンツに名前を入れることだろう。

騎乗中のモレイラⒸスポーツライター・三木俊幸

Ⓒ三木俊幸

香港競馬では、かなり前から左側には広東語の名前、右側には英語で名前が入っているジョッキーパンツを全騎手が着用している。日本人の騎手が遠征した際も、例外ではなかった。

そのスタイルをいち早く日本で導入したのが、岩田康誠騎手だ。今でこそ当たり前になったが、当初は真っ白なジョッキーパンツが当たり前だっただけに、日の丸と「YASUNARI」の文字が刻まれたデザインに衝撃を覚えたのを記憶している。

その後は、福永祐一騎手や池添謙一騎手など関西の騎手の間で少しずつ拡大していった。

騎乗中の池添謙一Ⓒスポーツライター・三木俊幸

Ⓒ三木俊幸

騎乗中のフィリップ・ミナリクⒸスポーツライター・三木俊幸

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最近では漢字のデザインも多く、石川裕紀人の「裕紀人」、幸英明騎手の「幸」というデザインはよく目につく。その他、フィリップ・ミナリク騎手やダミアン・レーン騎手など、海外から短期免許で来日した外国人騎手が日本語で名前を入れているのを目にする機会も多くなった。

世界最先端のスタイル!?

もう一つ注目したいのが、レギンス(ジョッキーパンツがずれないようにするためのソックス)の履き方だ。通常は野球のオールドスタイルと同様に膝の少し下まで見せることが多い。

しかし、昨年あたりからだろうか、イギリスを中心に世界を股に掛ける活躍を見せているランフランコ・デットーリ騎手など、数人の騎手がレギンスを膝上まで上げるスタイルで騎乗している。

ミッキーチャームに騎乗する川田将雅Ⓒスポーツライター・三木俊幸

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それを日本でもいち早く取り入れたのが、川田将雅騎手と福永祐一騎手の2人。川田騎手は、昨年の夏にイギリスに長期遠征しており、その際に吸収して帰ってきたものと思われる。メリットとしては足が長く見えることに加えて、膝上まで上げることによって、より膝の曲げ伸ばしがしやすくなるのではないかと考える。

ジョッキーパンツと同様に、今後騎手の間でレギンスを膝上まで上げることがトレンドとなる日も近いかもしれない。

非常にマニアックではあるが、このように細かいところにまで注目することは、競馬を深く知り、より好きになる上で大切なことだ。加えて継続して見続けることは、日常生活においても小さな変化に気がつく人間へと成長させてくれるだろう。

この記事を読んだあなたへ伝えたい。競馬はギャンブルだというだけでなく、人生の教科書だということを。

Ⓒ三木俊幸