交流戦に対する得意意識

交流戦前最後のカードとなった西武との3連戦を勝ち越したロッテ。現在25勝26敗1分けでリーグ5位だが、首位の楽天までわずか3.5ゲーム差。得意の交流戦をいかに乗り切るかが上位進出の大きなポイントとなる。

ロッテはとにかく交流戦に強い。交流戦の始まった2005年及び2006年の交流戦優勝を皮切りに、過去14年間の勝率.547(通算176勝146敗14分)はソフトバンクに次いで12球団中2位。セ・リーグの強豪、広島には31勝22敗3分、巨人には32勝21敗3分と大きく勝ち越している。

選手間でも交流戦は得意という意識が根付いているのか、6月2日に勝利した西武戦後のお立ち台で、石川歩が「ロッテは交流戦に強いんで」と声高らかに言い切っていた。

過去5年間の安打数が1位

交流戦でロッテの打線はよくつながる。過去には、それまでのリーグ戦での打撃不振は何だったのか?と思ってしまうほど打ち込んだ年もあった。過去5年間の打撃成績を見てみると、ロッテの放った900安打は12球団中1位。26本の3塁打は1位、164本の2塁打は2位につけている。また、打率.273は2位、426得点は3位タイと、とにかく打線がつながっている印象だ。

交流戦過去5年間の安打数ランキングⒸSPAIA

ⒸSPAIA

一方、55本塁打は11位と一発は少ない。ただ、今季から設置されたホームランラグーンやレアード加入の効果もあってか、現在のチーム本塁打数は12球団中3位の66本をマーク。本塁打も期待できるとなれば、交流戦の展望もますます明るくなる。

ホームで強い。セのチームは風に苦戦?

過去5年間のホームでの交流戦の成績を見ると、30勝18敗と大きく勝ち越している(ビジターは21勝27敗)。昨季、ロッテはホーム14連敗という不名誉な記録でシーズンを終えたこともあり(2018年ホーム通算成績は28勝43敗)、ファンの間ではホームは鬼門という意識が一時期強くなったが、交流戦だけを見れば6勝3敗と勝ち越していた。

これには、セ・リーグの各チームが、ZOZOマリンスタジアム特有の風に慣れていないことが多少なりとも勝敗に関わっているのではないだろうか。海沿いにあるマリンは強風で知られ、12球団の球場の中で唯一風速計が設置されている。

センターの向こう側の海からグラウンドに吹き込んでくる海風は、バックネット後方のフェンスに当たり、マウンドの方向へとはね返っていく。10m前後の風が吹き荒れることは日常茶飯事で、初めてマリンのマウンドに立つ投手からすれば、その対応は困難を極めるはずだ。

昨年の交流戦で4勝の石川歩がキーマン

交流戦で打棒を発揮するロッテだが、過去5年間のチーム防御率は12球団中11位。失点も多く、投手陣が安定していない。それでも、12球団中2位の51勝を挙げているのは打ち勝ってきているということになるが、投手陣が安定しているに越したことはない。

交流戦過去5年間の安打数ランキングⒸSPAIA

ⒸSPAIA

そこでキーマンに挙げたいのが石川だ。昨年の交流戦では4勝負けなし、防御率1.01と抜群の安定感を見せ、交流戦の優秀選手賞を獲得。過去5年間の通算成績も10勝5敗と好成績をおさめている。

今季は出だしでつまずき、なかなか白星もつかなかったが、ここにきて復調傾向。6月2日の西武戦では、無死満塁のピンチを招いた場面があったが、コーナーをつく直球とキレの戻ってきた宝刀シンカーで無失点に抑えるなど力投。今季3勝目を挙げた。

正捕手の田村龍弘が怪我で離脱し、江村直也とバッテリーを組んでからは相性もあってか投球内容が安定してきているし、交流戦に入ってからも先発ローテーションの柱として期待できるだろう。

一方、昨年の交流戦で打率.412のハイアベレージを残し、首位打者となった角中勝也が肉離れで離脱していることは打撃面で痛いところだ。角中は2012年にも交流戦で首位打者を獲得しており(同年はシーズンを通じての首位打者も獲得)、交流戦での活躍が特に期待できる打者の一人だった。

今季は打率が2割前半から伸びず、復調のきっかけを掴めていなかっただけに交流戦がそのきっかけになればという思いもあったが、致し方ない。

交流戦明けの初戦は2勝12敗

例年のように交流戦での躍進を期待したいロッテだが、交流戦明けに失速しては意味がない。交流戦で勢いづくことができた際には、その流れをリーグ戦再開後にも持ち込みたいところだが、過去14年間の交流戦明け初戦の成績を見ると、2勝12敗と大きく負け越している。

気が抜けるなどということは決してないだろうが、今季は交流戦明けの初戦にどんな戦いを見せてくれるのかにも注目したい。

昨季は交流戦で11勝7敗と勝ち越し、良いムードで7月を迎えていたにもかかわらず、リードオフマン・荻野貴司の骨折による離脱の影響も大きく、後半戦は一気に失速した。今季こそは得意の交流戦で弾みをつけ、後半戦の躍進につなげてほしい。

ⒸSPAIA