交流戦の指名打者制により出場機会を増やした選手は?

通常のリーグ戦が再開し、前半戦のラストスパートを迎えている。交流戦を振り返ると、セ・リーグは巨人とDeNAだけが勝ち越しに成功。巨人はリーグ首位を奪取し、DeNAもAクラスとの差を詰めた。広島の独走に「待った」がかかり、リーグ状況は混戦へと近づいてきた。

まだまだ先が読めないセ・リーグだが、各チームは対戦がない交流戦の期間にどれだけパワーアップしたのか、またはダウンしてしまったのか。久しぶりの対戦を迎える中で、ここが見どころのひとつとなる。

交流戦期間は指名打者(DH)制の敵地戦で出場機会を増やせる野手がいる。打撃が売りの控えメンバーにとっては、バットでアピールしてレギュラーを掴むチャンスだ。ベンチにとっても、打力のある選手を発掘する良い機会になる。そういった選手が出てくれば、打撃においてチーム力は上がったといえるだろう。そこで各チーム、交流戦のDH制により出場機会を増やした選手に注目し、その結果を振り返っておきたい。

交流戦セ・リーグ上位3チームは「9人目の打者」が活躍

「指名打者制の影響で出場機会を増やした選手」として、6球団で最も印象的な活躍を残したのは巨人の大ベテラン、阿部慎之助だ。

今季は開幕から代打専門の出場だったが、交流戦はDHでスタメン入り。2本塁打9打点、打率.306、OPS.970と全盛期と変わらない数字を残した。安定して打席に立てる環境の中で、エンジンがかかってきた印象だ。交流戦終盤は一塁手としても出場している。今後リーグ戦でもスタメン起用が増えることが予想され、好調が続けばリーグナンバーワンの巨人打線がますます強力なものになる。



セ・リーグで巨人に次ぐ交流戦4位のDeNAは、筒香嘉智とソトがDHに入り、外野の一枠でベンチメンバーにチャンスが広がった。そこで桑原将志、乙坂智が打率3割台をマーク。楠本泰史は9日の西武戦で逆転満塁本塁打を放ち、「代打の切り札」として開幕から活躍してきた佐野恵太もスタメン機会を増やすなど、外野手が揃って好アピールを見せた。交流戦終盤はソトが二塁手に回っており、筒香、神里和毅に次ぐ外野手レギュラー争いが注目となる。

8勝10敗の交流戦8位とまずまず善戦した中日は、井領雅貴の好打が光った。交流戦までスタメンは2試合のみだったが、交流戦では12試合でスタメン出場し、しばらく1番打者に定着。52打席で打率.346、5打点の活躍を残した。

4年目の昨季に一軍出場ゼロという厳しい立場から、開花の兆しを見せた。これからは交流戦でDHに入った福田永将との競争になるが、レギュラーがなかなか固まらない左翼手候補として期待の存在だ。

ヤクルトは新人の中山が活躍、阪神は原口復帰、交流戦最下位の広島は…

ヤクルトはバレンティンがDHに入り、外野の一枠が空いた。最初のカードでは、有望株として期待されている2年目の塩見泰隆がスタメンに抜擢。しかし、交流戦で1本もヒットを打つことができず、このチャンスを活かすことができなかった。

一方、自身を売り出したのは豪快なスイングが持ち味のドラフト2位ルーキー・中山翔太。一軍初打席でタイムリーを放つと、打率320、1本塁打、4打点をマークした。ヤクルトは外野手の高齢化が顕著になっており、チームの将来を見据えた上でも中山のプレーは注目になる。

阪神は、今年1月に大腸がんの手術を受けた原口文仁が交流戦期間中に帰ってきた。今季初打席の代打で結果を残すと、DHや一塁手として6試合でスタメン出場。まだ一塁手として絶対的ではないマルテの立場を脅かす存在になりそうだ。

また、髙山俊は糸井嘉男のDH出場や福留孝介の離脱により、交流戦期間は5打点を挙げるなどレギュラーとして活躍。打線の柱だった福留復帰の目途が立っていないだけに、リーグ戦再開後は上位進出のキーマンとなるだろう。

最後に、交流戦最下位に沈んでしまった広島。9人目の打者が結果を残せなかったのが、その要因のひとつかもしれない。

開幕から不振の松山竜平は交流戦で打席数を増やしたが、23打席で打率.143と復調を果たせず。開幕から打撃好調だった磯村嘉孝は、代打でタイムリーを放つなど見せ場はあったものの、交流戦全体としては26打席で打率.160という成績になり、やや勢いに陰りが見えている。

チーム全体として、昨季までのような強打を発揮できていない広島だが、起用野手の増える交流戦で、その課題がより鮮明になってしまった形といえそうだ。

交流戦成績ⒸSPAIA

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