森友哉が絶好調でチームを牽引

9月も中旬に入り、2019年のペナントレースも大詰めを迎えつつある。今シーズンはセ・パ両リーグともに昨シーズンのような独走劇はなく、最終盤までし烈な争いが続いている。特にパ・リーグはソフトバンクと西武がマッチレースを繰り広げており、最後の最後まで優勝の行方は分からない。

そんな中、優勝争いを繰り広げている西武の正捕手・森友哉が絶好調だ。破壊力抜群の「山賊打線」で中軸を打ち、吉田正尚(オリックス)らと首位打者を争っている。

今年の森は開幕戦で5打数2安打を放ち、打率.400からシーズンをスタートさせた。好不調の波はあったが、ここまで一度も試合終了時点の打率で3割を下回っておらず勢いをキープしている。また、8月には打率.377(106打数40安打)、10本塁打、30打点で自身初となる月間MVPも獲得した。

捕手としてフルシーズンを戦うのは初めての森にとって、疲労の溜まってくる夏場は打撃の成績が下降してもおかしくない。しかし、そんな疲れをモノともせず、逆に成績を上昇させたことがチームの躍進にもつながっていると見ていいだろう。

史上4人目の捕手による首位打者へラストスパート

このまま森が首位打者を獲得すれば、球団史上初めて「捕手による首位打者」が誕生することになる。

球界という括りで見ても1965年の野村克也(南海)、1991年の古田敦也(ヤクルト)、2012年の阿部慎之助(巨人)と3人しか捕手の首位打者は存在しない。そのいずれもが名球会入りを達成しているレジェンドたち。森もその領域に足を踏み入れようとしているのだ。

また、それだけではなく捕手としての最高打率も視野に入っている。これまで捕手による最高打率は2012年に首位打者を獲得した阿部が残した打率.340。ちなみに1991年の古田も打率.340だが、正確には打率.3398とわずかながら阿部のほうが上回っていた。

今シーズンの森は8月2日に打率.330に乗せてから、一度もこのラインを下回っていない。打率.340超えも夢ではなさそうだ。

最高出塁率のタイトルも射程圏内

首位打者だけではなく、最高出塁率のタイトルにも手が届く位置にいる。こちらを争っているのは首位打者と同じく吉田正、そして近藤健介(日本ハム)、ブラッシュ(楽天)、秋山翔吾(西武)といった面々だ。

出塁率も打率と同じように日々変化する数字のため、タイトルが確実となる日はまだまだ来ない。最後の最後までもつれそうだ。

この最高出塁率のタイトルを獲得すれば、チームとしては2013年のエステバン・ヘルマン以来6年ぶり。また、捕手による同タイトル獲得者は2012年の阿部ただひとり。パ・リーグでは史上初の快挙となる。

打撃の優れた捕手といえば、高打率のアベレージタイプというよりは、どちらかというとパワーのあるスラッガータイプの印象が強い。古くは野村克也(南海他)や田淵幸一(阪神他)がそうだ。近年では城島健司(阪神他)や阿部慎之助(巨人)らがいた。

アベレージタイプは古田敦也(ヤクルト)くらいだろうか。森は本塁打を20本以上放っているが、アベレージタイプと見ていい。果たして首位打者に最高出塁率という「二冠」を獲得し、その名を歴史に残せるだろうか。パ・リーグの優勝争いの中心にいる森から目が離せない。

※数字は2019年9月14日終了時点