上位争いから脱落し5位フィニッシュ

2018年シーズンのオフ、日本ハムは丸佳浩(広島→巨人)や浅村栄斗(西武→楽天)といった国内FA選手の争奪戦には参戦しなかった。だからといって補強を行わなかったわけではない。打線の強化として台湾の英雄でもある王柏融を、ポスティングシステムを利用して迎え入れた。新外国人選手もその王だけでなく、ジャスティン・ハンコックとジョニー・バーベイトと2投手を獲得。またヤクルトとのトレードで秋吉亮と谷内亮太を、さらにはオリックスを自由契約となった金子千尋(現登録名・金子弌大)も加えている。FA以外の手法で戦力を整えたのである。

その甲斐もあったのか、序盤戦から上位争いに加わり一時は首位のソフトバンクに肉薄していた。しかし、夏場以降に失速し最終的には5位に終わってしまう。

大失速によりクライマックスシリーズ(以下、CS)出場を逃したことで、栗山英樹監督の進退も注目されたが続投が決定。主将も中田翔から西川遥輝に変更し、2020年シーズンへ向けて動き出している。

昨年同様にFA選手の争奪戦には参加していないが、ドラフトでは1位・2位で社会人の即戦力候補となる投手を2人指名。新外国人選手として、MLBで通算10勝をマークしているドリュー・バーヘイゲンを獲得した。投手陣を中心にテコ入れを図っている。

もちろんそれだけではCS出場、ひいては優勝はむずかしい。現有戦力の底上げも必要となってくる。

清宮幸太郎は3年目の飛躍なるか

日本ハムの野手陣を見ると、西川遥輝、太田泰示、近藤健介、中田翔と上位打線は迫力があり、他球団と比べても決して見劣りはしない。しかし、下位打線は心もとない。

そのなかで期待されるのが、2017年ドラフト1位の清宮幸太郎だろう。金の卵として入団した清宮。1年目には7本塁打を放ち、2年目となった2019年シーズンはさらなる飛躍が期待されるも、オープン戦で骨折し戦線離脱。一軍昇格を果たしたのは、開幕からおよそ2ヶ月後となる5月24日のことだった。

そこからは一度も降格することなくシーズンを終えたが、1年目と同数の7本塁打に終わっている。本数だけを見れば7本で同じであるが、昨年の160打数から今年は250打数と90打数増えており、本塁打率は大きく下がってしまったのである。

高卒2年目ということを考えれば上々の数字であることは間違いないが、7球団競合のドラフト1位、そして1年目に7本塁打を放ったことを考えると少し物足りない。

このオフには右肘の手術を行ったが、来春のキャンプには間に合う見込み。清宮が長距離砲として下位打線に座れば、打線の厚みは増す。3年目の飛躍を期待したい。

MVP左腕の吉川光夫の復活に期待

栗山監督は、MLBで流行しつつあるオープナー制を改良し「ショートスターター」として取り入れた。有原航平や故障離脱したものの上沢直之といったエース格の投手以外は、短いイニングで先発と中継ぎの両役割をこなすことが多かった。

2020年シーズンも同様の戦略で臨むかはわからないが、どのような役割でも復活すれば大きな戦力となる投手がいる。出戻りの形でシーズン途中に巨人からトレードで加わった吉川光夫である。2012年にMVPを受賞し、2015年にも11勝をマークした左腕だがここ数年は苦しんでいる。

2018年シーズンこそ巨人で18試合に先発し6勝をマークしたが、防御率は4.26といまひとつだった。今年も日本ハムに復帰後は4試合で0勝3敗、防御率6.75と結果を残すには至っていない。10.2回で与四球7、BB/9(1試合で何個四球を出すかを表す指標)は5.91と制球難なのがひとつの要因だろう。

過去のBB/9を見ると、2012年は2.33、2015年は3.22と結果を残した年度の数値は決して悪くない。制球難を克服することで信頼を勝ち取り、復活を果たすことに期待したい。

※数字は2019年シーズン終了時点