3季中2季が日本人、チームを引っ張った選手に送られる

シーズンも折り返しに差し掛かり、優勝クラブはもちろんのこと個人賞も気になるところ。現在のところMVPに最も近い選手は誰だろうか。

過去3選手が選出されている賞だが、初年度は川崎ブレイブサンダース#22ニック・ファジーカスが受賞。2位以下に5点以上の差を付けて得点王に輝いた他、リバウンドは2位、3P%成功率は42.8%と高水準で、川崎を勝率1位に導いた。ここまでの貢献度を並べれば、受賞は文句なしだ。

翌2017−18シーズンには、当時シーホース三河に在籍していた比江島慎(現宇都宮ブレックス)が選ばれた。外国籍選手に成績は劣るものの、日本人5位の12.9得点でガードの選手ながらFG%は50.5%を記録。ただそうした成績だけでなく、接戦時に勝負強さを発揮し幾度となくチームの窮地を救ったことも評価された。シーズン中に母親を亡くした悲しみを乗り越えての活躍といったバックグラウンドも受賞の一因となったかもしれない。ちなみに三河もこの年の勝率1位だった。

そして昨季は千葉ジェッツ#2富樫勇樹。こちらも外国籍選手に比べれば見劣りするものの、この年リーグで6人しかいない平均10点以上、5アシスト以上を記録(14得点、5.5アシスト)。富樫は出場時間が25.5分と最も短く、限られた時間の中で千葉の多くの得点シーンに関わっていた。まさに大黒柱と言える存在で、ファジーカスと比江島同様、富樫も千葉をリーグトップの勝率に押し上げていた。

選出のキーワードは“勝率1位クラブ”のエース

過去3年の傾向として挙げられるのは、勝率が1位だということ。残念ながら川崎も三河も千葉も優勝こそ逃しているが、MVPを受けた彼らを中心にシーズン中は素晴らしい成績を収めていた。 そうした前例を鑑みて、現段階の候補を挙げると現在勝率7割を超える川崎、宇都宮、アルバルク東京からが考えられる。

まずは川崎と宇都宮を見てみると、日本人選手のMVP受賞が多い中、外国籍選手が候補となる。 川崎を引っ張っているのはやはりファジーカスだ。得点とリバウンドの主要スタッツはほぼ横ばいだが、今季は3Pシュートが好調で1試合平均1.6本を成功させている。またアシストもキャリアハイ3.7本で、他の外国籍選手も好調とあって、シーズン終盤に向けて余力を残しながらプレーできていることも大きい。

宇都宮の候補は#22ライアン・ロシター一択。ロシターはリーグで唯一15得点、10リバウンド、5アシストを記録するなど、屈指の万能プレーヤー。時にはボール運び役を担うなど、宇都宮の絶対的な支柱になっている。

その万能性に加え、安定感も抜群で1桁得点に終わった試合は僅か3試合のみ。ファジーカスと同じく、ロシターも出場時間をセーブしながら戦っており、後半に向けて成績の向上も期待できる。

一方A東京は外国籍選手の活躍も光る中、#24田中大貴が今季もエースとして君臨。安定感のあるプレーで、今季も多くのカテゴリーで日本人上位の数字を残している。相手の得点源をシャットアウトするディフェンスは対戦相手の脅威となっている。攻守で王者を引っ張っており、こちらもMVP射程圏内だ。

ダークホースはSR渋谷?元NBA選手と若きリーダーに期待

先述した3クラブ以外からは、今季アグレッシブな攻守で好調のサンロッカーズ渋谷を挙げたい。 得点力の高さを生かしてチームを支えるのは#34ライアン・ケリーだ。かつてロサンゼルス・レイカーズに所属し、昨季SR渋谷に加入したケリーはシュート力と機動力が高く、211cmながらプレースタイルはSFに近い。今季はそのスタイルをさらに進化させ、1試合平均2.8本の3Pシュートを沈めている。チームにしっかりとセンターをこなせる選手が加入したことが主な理由だ。さらにチームとしても3Pシュートを多投するようになり、ケリーのプレースタイルに合った試合を展開、それが成功していることで好成績を収めている。

その相棒となる#9ベンドラメ礼生も好調で、出場時間は22.1分とキャリア最低ながら得点とスティールはキャリアハイを叩き出している。特にスティールはリーグ3位の2.0本を記録し、これは昨季の倍以上。キャプテンとしても精神面の成長が見られ、SR渋谷が東地区を制することがあれば、ベンドラメのMVP選出の可能性もあるのではないだろうか。