改めて考える鈴木大地の穴の大きさ

2019年シーズンは打撃面で劇的に進化したロッテ。しかし、オフに長年チームを引っ張ってきた鈴木大地が退団。一方でソフトバンクから福田秀平の補強に成功したが、今季も強力打線を築くことができるだろうか。

ロッテの打順別成績ⒸSPAIA

昨季のロッテ打線を振り返ると、印象的だったのは本塁打攻勢だが、打順別打撃成績からは切れ目のなさにも特徴を感じられる。1番から7番までOPS.700以上をマークし、9回裏に5点差を大逆転した中日戦(6月16日)のときのように、つながりだすと止まらない怖さがあった。

最もOPSが高かったのは2番打者。この打順をメインで務めたのが鈴木だ。パ・リーグの他球団と比較しても、ロッテの2番は圧倒的なOPSを残している。こういったデータを見ると、鈴木が抜けた穴の大きさを実感させられる。

パ・リーグ 2番打者打撃成績ⒸSPAIA

・鈴木大地:2番出場時(407打席)
打率.291/出塁率.373/長打率.466/OPS.839/12本塁打

空いた2番打者にはFA加入の福田がそのまま入ることになりそうだ。井口資仁監督は福田獲得が決まった後、かなり早い段階から「福田2番構想」を公言しており、高い期待がうかがえる。

課題は「3番打者」中村奨吾がキーマンに

福田は鈴木にはない「足」という武器を持っており、スピード面では1番の荻野貴司と絡んで昨季と違った上位打線の形が期待できる。ただ、やはり打撃面で昨季の鈴木ほどの貢献を求めるのは酷だろう。

そこで考えたいのが3番打者だ。昨季は2番打者がリーグ最強だった一方、本来ならチーム最強打者が座ることも多い3番打者のOPSはリーグワースト。3番打者打率は.230だが、ロッテの次に3番打者打率が低いソフトバンクでも.267とその差は大きかった。

パ・リーグ 3番打者打撃成績ⒸSPAIA

昨季は2番打者が優秀だった分そこまで目立たなかったが、鈴木が抜ける今季は3番打者の働きがカギとなってくる。1・2番の出塁を得点につなげられるポイントゲッターが必要だ。

キーマンに考えられるのは中村奨吾。昨季は自己最多の17本塁打を放ったものの、打率は規定打席到達者でリーグ最下位の.232。4月の練習中にアクシデントで負った顔面の怪我や、下半身のコンディション不良に苦しんだこともあり、調子の浮き沈みが激しかった。3番出場時は打率.222で、中心打者としては安定感に欠ける数字だった。

・中村奨吾:3番出場時(281打席)
打率.222/出塁率.333/長打率.410/OPS.744/12本塁打

しかし昨季は長打力が開花しただけに、打率も2018年のように2割台後半まで戻してくれば理想的な3番打者となる。

もうひとつ、中村には2018年に39盗塁を記録した脚力という武器もある。荻野、福田、中村と上位に盗塁できる3人が並べば、かつての大洋「スーパーカートリオ」のように「走りまくる上位打線」も期待できる。相手バッテリーにとって、足のプレッシャーを受けつつ4番以降で井上晴哉、レアード、マーティンら重量級を相手にしなくてはならない打線は、厄介この上ないだろう。