ネイサン・チェンとの直接対決は来季へ持ち越し

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、3月18日にカナダのモントリオールで開幕予定だったフィギュアスケート世界選手権の中止が決まった。

国際スケート連盟は(ISU)によると、選手やコーチ、観客らの安全を考慮したもので、フィギュアの世界選手権中止は1961年に開催地プラハに向かう航空機が墜落し、米国チーム全員が死亡した悲劇が起きた時以来で59年ぶり。2011年には東日本大震災の影響を考慮し、3月に東京・国立代々木競技場で予定されていた大会が、4月にモスクワで代替開催された例がある。

男子で冬季五輪2連覇の羽生結弦(ANA)は2月の四大陸選手権でショートプログラム(SP)の世界最高得点をマークして初優勝し、男子で初めてジュニア、シニアの主要国際大会全制覇する「スーパースラム」を達成。世界選手権では2連覇中のネイサン・チェン(米国)との直接対決で3年ぶりの覇権奪回と目標の大技「クワッドアクセル」(4回転半ジャンプ)挑戦を目指してきたが、予期せぬ形で来季へお預けとなった。

指導するブライアン・オーサー・コーチらチームメートがインスタグラムの動画で、クリケットクラブの選手たち4人と並び「今シーズン、こういう形で終わるのは残念に思いますけれども、こういう状況だからこそ、皆さんウイルスに気をつけて。僕たちクリケットのチームとして来シーズンも頑張っていきます」と力強く再挑戦への決意を語った。

完全復調の宇野、スイス拠点に来季へ

今季不振だった宇野昌磨(トヨタ自動車)は年明けから2006年トリノ五輪銀メダリストのステファン・ランビエル氏が正式にメインコーチとなり、2017、2018年と2年連続2位に入った舞台へスイスを拠点に練習を重ねていた。

昨年12月の全日本選手権で羽生に初めて勝って4連覇し、2月のチャレンジ・カップ(オランダ・ハーグ)でも初優勝と完全復調していただけに惜しまれる中止となった。

紀平梨花は「進化」を目指す

女子で四大陸選手権2連覇の紀平梨花(関大KFSC)は昨年12月の全日本選手権でも初優勝。得意のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に加え、4回転サルコーにも挑戦し、世界選手権では自身初の表彰台を目指していた。

自身のツイッターで「世界選手権は中止となってしまい残念ですが、コロナウイルスの被害を拡大させないためには正しい選択だと思いました。今シーズンも大きな声援が力になり、どの試合も全力で演技することができました。来季に向けて練習をスタートしました。さらに努力して進化していけるよう頑張りたいと思います」とコメントし、早くも来季へ「進化」する姿を重ね合わせた。

2018年平昌冬季五輪4位の宮原知子(関大)は自身のブログで「残念な気持ちはあるものの、何よりも大切な命を守るために必要なことであったと受け止めています。ウイルスが一刻も早く沈静化することを願います」とした上で、来季に向けて「じっくりと考えながら練習していきます。『超知子』実現に向け、頑張っていきます」と2年後の北京冬季五輪へ限界の先へ挑戦を期した。

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