一般社団法人 日本玩具協会が主催する『東京おもちゃショー2018』が、6月7日から10日まで東京ビッグサイトで開催された。7・8日は商談見本市のビジネスデーで報道・商談中心、9・10日はパブリックデーで、キッスライフゾーンや親子連れブースなども設けられ、各ブースでは体験やミニステージ、さらに特設ステージではステージショーも行われ、例年どおり家族連れで賑わった。

SPICEでは初日のおもちゃショーをアニメ・ゲーム関連視点から取材した。全体に最新技術を駆使した知育おもちゃが多く見られたほか、旧来のおもちゃがよりアップグレードしている印象だ。アニメ・ゲーム関連で大人でも楽しいとなると、やはりキャラクター商品の扱いが多いメーカーのブースがチェック対象だ。今回はその視点から「バンダイ/BANDAI SIRITS」と「タカラトミーアーツ」の2大ブースに着目した。

バンダイの巨大ブースは圧倒的だった!

会場は2Fと4Fに分かれ、受付からすぐの2Fフロアに入ると、目の前は圧倒的なスペースの「バンダイ/BANDAI SIRITS」ステージ付き巨大ブース。ステージ横の入口に立つと、右手にこの7月7日から放映開始、おもちゃも同日に発売される『ウルトラマンR/B(ルーブ)』、左手は絶賛放映中の『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』の展示コーナーだ。どちらも人気が高いが、『ウルトラマンR/B(ルーブ)』は別記事のとおり6月7日の初日に記者発表もあり、注目を集めた変身アイテムを見ようと国内だけでなく世界各国から集まったバイヤーが殺到状態でまったく商品に近づけないほどだった。

『ウルトラマンR/B(ルーブ)』コーナーは人だかりがいちばん激しかった

『ウルトラマンR/B(ルーブ)』コーナーは人だかりがいちばん激しかった

その対面にあったのは大人のファンにも好評の「スーパー戦隊シリーズ」最新作『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』コーナー。そこには6月24日放送の第24話から登場する新キャラクター「パトレンエックス/ルパンエックス」も含めた両レンジャー立像の展示もあり、いちはやく雑誌などで新キャラの登場を知っているちびっ子たちの撮影スポットになったはず。だが、それ以上にちびっ子たちが気になったのは、おそらく新製品だろう。撮影禁止のものもあったが、7月中旬発売予定の「DX Xチェンジャー」「ロッドソード」のほか、巨大カイザーなどかなりのアイテムが公開されていた。また、アパレル商品の展示もあった。

新戦士登場を前面に打ち出した『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』のブース。

新戦士登場を前面に打ち出した『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』のブース。

「パトレンエックス/ルパンエックス」立像を放送に先がけて大公開。

「パトレンエックス/ルパンエックス」立像を放送に先がけて大公開。

奥へ進むと『ウルトラマンR/B(ルーブ)』のすぐ隣りにある『仮面ライダービルド』のコーナーが目につく。『ビルド』の立像も迫力だが、日本おもちゃ大賞2018の「前年度ヒットセールス大賞」を受賞した「変身ベルト DXビルド ドライバー」ボトルチェンジ用のフォーム別フルボトルと、ボトルをフル装備した「パンドラボックス」が展示されていた。どちらもファンならコンプリートしたいアイテムで、そのフォルムはTVドラマで見るのと相違ない出来だ。

コーナー入口に『仮面ライダービルド』ラビットフォームの立像が。

コーナー入口に『仮面ライダービルド』ラビットフォームの立像が。

日本おもちゃ大賞2018の「前年度ヒットセールス大賞」を受賞した「変身ベルト DXビルド ドライバー」。フォーム別フルボトルをベルトにセットするとLEDが光る!

日本おもちゃ大賞2018の「前年度ヒットセールス大賞」を受賞した「変身ベルト DXビルド ドライバー」。フォーム別フルボトルをベルトにセットするとLEDが光る!

ボトルをセットしてコンプリート! 各面は「DX パンドラパネル」として販売中。

ボトルをセットしてコンプリート! 各面は「DX パンドラパネル」として販売中。

この先は男児向け玩具コーナーだ。最初に登場するのは身近に潜む「ムシ」の「忍者」、『ムシ忍』だ。草むらのセットにムシ忍を忍ばせたり、フィギュアやカラクリメカなどを展示しており、大きめのコーナー展開だ。この「ムシ忍」はyoutubeでミニアニメを配信中で、1話5分以内。スマホがあればどこでも観ることができ、TV離れが言われる世代に対応しているのがポイント。6月10日現在、第1話は140万PVを超えている。今後の子ども向けアニメの方向性も伺える展開だけに注目したい。

ムシの忍者『ムシ忍』はyoutubeでミニアニメを配信中という新しいメディア展開。

ムシの忍者『ムシ忍』はyoutubeでミニアニメを配信中という新しいメディア展開。

スニーカーと比べるとフィギュアなど『ムシ忍』たちの大きさが分かる。

スニーカーと比べるとフィギュアなど『ムシ忍』たちの大きさが分かる。

この隣には、今年の秋にテレビ東京系でアニメ放送開始をアピールする『爆釣(ばくつり)バーハンター』の玩具コーナー。ニンテンドー3DSに専用のガジェット「バーロッド」を取り付け、バーコードを読み取ってバーコードに潜む「バーソウル」を現実世界に釣り上げるAR技術を駆使した最先端の玩具だ。バーソウルは5属性180体以上。ドリンクやグミなど特定の商品群を対象にしたWEBミッションも展開中だが、アニメ化でさらに熱い展開が期待できそう。コーナーには撮影禁止だったが多くのルアーも展示されており、アングラーのパパなら子どもよりコンプリートに燃えてしまうかも。

バーコードのソウルを現実世界に釣り上げるという『爆釣バーハンター』。

バーコードのソウルを現実世界に釣り上げるという『爆釣バーハンター』。

このほか『HUGっと!プリキュア』や『ディズニー』『妖怪ウオッチ』『ゲゲゲの鬼太郎』などの玩具コーナーが並ぶが、バンダイといえば、やはり『機動戦士ガンダム』だろう。広い年齢層に親しまれている国民的コンテンツだけあって、玩具も幅広い。作品中のマスコットとして親しまれている「ハロ」が、バンダイナムコグループのロボット開発技術を集約したプロジェクト「BN・Bot」から『ガンダム』の会話を楽しめるコミュニケーションロボット「ガンシェルジュ ハロ」として発売される。価格は13万8千円(税別)で2018年7月下旬より「プレミアムバンダイ」にて予約開始されるのに先がけて実物が展示されていた。

『ガンダム』の会話を楽しめるコミュニケーションロボット「ガンシェルジュ ハロ」は7月下旬から予約開始予定。

『ガンダム』の会話を楽しめるコミュニケーションロボット「ガンシェルジュ ハロ」は7月下旬から予約開始予定。

そして『ガンダムビルドダイバーズ』に登場するプラモデルも展示されていたが、その出来は子どもだけでなく大人のファンも欲しくなるクオリティなのはさすが。これはカプセル玩具にいたるまで共通だ。

『ガンダムビルドダイバーズ』に登場するプラモデル。『ガンプラ』としても格好いい。

『ガンダムビルドダイバーズ』に登場するプラモデル。『ガンプラ』としても格好いい。

ブースの出口には、会場入口からその姿が見える金色の『聖闘士聖衣神話』15周年立像が待っている。コーナーには『聖闘士聖衣神話』15周年を記念した魂ウェブ・ブランドのきらびやかな聖衣オブジェが新デザインで並び、輝きが映える漆黒の背景が高級感を醸し出している。

高級感漂う魂ウェブ・ブランドの『聖闘士聖衣神話』15周年立像

高級感漂う魂ウェブ・ブランドの『聖闘士聖衣神話』15周年立像

全体にバンダイの手がけるキャラクターや生み出した新しい企画など、どれもが面白く、メディアとの連携やガジェット感などは常に新しいものを生み出していこうというメーカーの気概が感じられたブースだった。また、大人になって子どもの頃に親しんだキャラクター商品の高級版が欲しいというニーズにもしっかり応えていることも改めて痛感できた。

タカラトミーのブースは歴史あるおもちゃシリーズの最新版を提示

2階フロアを後にして、次はエスカレーターで4階のフロアへ向かう。ここでは「タカラトミーアーツ」が広大なブースを確保している。

ブース入口は、6月23日に12年ぶりに発売される完全新作『ゾイドワイルド』の巨大モデルが狛犬のように左右に別れて睨みをきかせている。存在感もすごいが、造形がかっこいい!『ゾイドワイルド』シリーズは必殺技の新ギミックを搭載、さらに専用の動画制作アプリで「ゾイド」の動画を手軽に作れてしまう。こうした玩具は空想の中や友達と手で持って戦いごっこをするものだったが、動画を作れるようになると、その空想をよりリアルに、自分の目で観ることができるというわけだ。1983年の誕生以来、35年と長い歴史を持つ「ゾイド」で遊んだ記憶を持つ大人にとってもフォルムも含め、惹かれるところが多いモデルになっていた。

「タカラトミーアーツ」ブースの入口には完全新作ゾイドの巨大モデル。

「タカラトミーアーツ」ブースの入口には完全新作ゾイドの巨大モデル。

中に進むと、今度は子どもだけでなくアニメファンにも人気の『新幹線変形ロボ シンカリオン』コーナー。入口には「E6こまち」「E7かがやき」2体のシンカリオンの立像が。こちらではシアター上映をおこなっていたが、スクリーン下で7月5日発売となる新しい強敵「ブラックシンカリオン」のプラレールモデルが展示されていた。ほかのシンカリオンのモデルも陳列され、精巧な出来にはついつい見入ってしまう。

人気ブレイク中!プラレール発の『新幹線変形ロボ シンカリオン』。

人気ブレイク中!プラレール発の『新幹線変形ロボ シンカリオン』。

そう、もうご存知の方も多いだろうが、『シンカリオン』はもともとタカラトミーが1959年から展開してきた動く電車とレールを組み合わせた走らせるおもちゃ「プラレール」発なのだ。空力性能や騒音低減などを追求した新幹線は子どもも大人も大好き。それがプラレールになるのは当たり前だが、そこから一歩進んで変形したり合体するなどの機能を持たせた。そしてTVアニメ化で大ブレイクした。

強敵の「ブラックシンカリオン」を展示。

強敵の「ブラックシンカリオン」を展示。

プラレールはこのように今の時代の子どもに向けて絶えず進化しており、ブース奥に展開されたプラレールコーナでは『シンカリオン』以外の最新モデルを見ることができた。特別に組まれたジオラマやレールは、かなり本格的でマニアックで、遊びの可能性が大きいことが見るだけで納得できた。

タカラトミーでは『きかんしゃトーマス』のプラレールも扱っていて、こちらの人気も根強い。以前は人形を使っていたドラマは、最新版だとフル3DCG版となっている。プラレールコーナーでは、『トーマス』の世界をよりドラマに近づけられるセットが実物を組んで展示されており、しっかりと世界観を再現していた。

手前に組まれた目が回りそうなレールセット! 

手前に組まれた目が回りそうなレールセット! 

『トーマス』の舞台「ソドー島」をレールセットと組み合わせて再現できる!

『トーマス』の舞台「ソドー島」をレールセットと組み合わせて再現できる!

同社はプラレール以外に「トミカ」「人生ゲーム」などほかにも半世紀近い歴史を持つおもちゃシリーズを持つが、いずれも大幅に進化、最新技術を使った新シリーズを送り出している。近年は特にIT関係でコンパクトになった最新技術を搭載可能となり、おもちゃの可能性も大きく広がっている。同社ではこうした時代に合ったチューニングした最新作をブース全体でアピールしていた。

これらと別に、ブース内には海外映画の版権モノのおもちゃコーナーもあった。タイトルは『トランスフォーマー』『スターウォーズ』『ジュラシックワールド』だ。

『トランスフォーマー』は、シリーズ初のスピンオフ映画『バンブルビー』が2018年末にアメリカで公開される(日本公開は未定)。その作品の主人公となる「バンブルビー」や、オプティマスプライムほかのトランスフォーマーたちが車からロボットに変形する「ターボチェンジ」シリーズを外国人スタッフが中心となって紹介していた。

『トランスフォーマー』のおもちゃは変形ギミックが楽しい!

『トランスフォーマー』のおもちゃは変形ギミックが楽しい!

『スターウォーズ』のおもちゃもタカラトミーが得意とする変形ギミック搭載のものだが、発想がぶっ飛んでいる。なんと、ミレニアム・ファルコン号がハン・ソロとチューバッカのロボに変形してしまうのだ。このおもちゃは「日本おもちゃ大賞2018ハイターゲット・トイ部門」で優秀作品に選ばれている。

ミレニアム・ファルコン号がハン・ソロとチューバッカのロボに変形!

ミレニアム・ファルコン号がハン・ソロとチューバッカのロボに変形!

映画の公開が7月13日に近づく『ジュラシックワールド』コーナーには、シリーズ第一作から登場しているヴェロキラプトルの凶悪な立像を設置。細いが鋭く尖った歯並びなど細部が怖い。このコーナーで展示されていたのは、動かせるギミックを必ずひとつつけたリアルな動物フィギュアシリーズ「アニマ」だ。ラージサイズシリーズには恐竜やマンモスやサーベルタイガーなど絶滅した古代の動物も含まれている。恐竜は『ジュラシックワールド』に登場するモデルが揃っている。「プレイセット」や立体的な「ドリームアイランド」も用意され、空想世界をより現実的にしてくれる仕組みだ。

7月13日公開の映画『ジュラシックワールド』にも登場するヴェロキラプトル。

7月13日公開の映画『ジュラシックワールド』にも登場するヴェロキラプトル。

6月発売予定の「探検!ジュラシックワールド」。立体的に出来ている。フィギュア2体付き。

6月発売予定の「探検!ジュラシックワールド」。立体的に出来ている。フィギュア2体付き。

駆け足で見てきたが、両メーカーとも歴史が長いだけあって貪欲に時代に合わせたおもちゃを作り続けている。子どもはそうした時代性に敏感なせいもあるだろう。また、最近では大人になってもおもちゃを求める「ハイターゲット」も無視できない。精巧で作り込んだおもちゃの制作が可能になったことで、マニアも満足する商品を提供できるようになり、マーケットとしても広がっている。

おもちゃの進化はまだまだ続き、そこから新しいアニメやゲームがブレイクするのだ。

取材・文・撮影:梅田勝司