DA PUMP『LIVE DA PUMP 2019 THANX!!!!!!! FINAL』2019.7.7(SUN) 大阪城ホール

「U.S.A.」が世に放たれ、その衝撃的なキャッチーさと「いいねダンス」の斬新さが日本中を夢中にさせてから、約1年。テレビをはじめとする身近なメディアで、彼らを目にしない日はあっただろうか。1997年のデビュー以降、メンバーの脱退や加入など様々なフェーズを越えたDA PUMPは今鮮やかに国民的存在へと返り咲いたが、知る人ぞ知るDA PUMP史上初のライブツアーは、1998年の夏に大阪城ホールから始まった。21年を経た七夕の夜、「いつか見たあの景色」を見せるために彼らが帰ってくる。『LIVE DA PUMP 2019 THANX!!!!!!! FINAL』—— この記念すべき公演を一目見ようと大阪城ホールには1万人が集まり、さらにWOWOWの生中継を通して全国のファンが見守った。

メインステージには上下3段に分かれたセットが組まれ、アリーナ中央に向けて伸びる花道とセンターステージが設置されていた。開演時刻を迎える頃、会場には 1999年の楽曲「Nature Boy」が大音量で流れ、会場限定で販売されたタイダイ柄のTシャツを着た観客たちは、待ちきれず一斉に手拍子を始める。

暗転すると大歓声が起き、メインステージのセットの壁面に1998年の『DA PUMP 1ST STAGE“EXPRESSION”』から現在に至るまでのライブを振り返る映像が映し出された。まだあどけなさの残る黒いドレッドヘアのISSAに、グループが歩んだ軌跡の長さを感じさせられる。そして、『LIVE DA PUMP 2019 THANX!!!!!!! FINAL』というロゴが映された後、あのイントロが鳴り渡った。《U.S.A.!! U.S.A.!!」》赤と青の照明が激しく光り、メインステージの最上段に横一列に並んだDA PUMPの7人が現れると、この瞬間を待ちわびた大阪城ホールは沸き立った。それぞれのメンバーカラーをあしらった煌びやかな衣装を身に纏い、「U.S.A.」を踊り始めた7人ひとりひとりを、メインステージの左右に設置されたモニターが捉える。その表情はこの上なく晴れやかだ。《U.S.A. オールドムービー観たシネマ》ISSAのしなやかな歌声が響いた。サビを迎え、一世を風靡した「いいねダンス」が炸裂すると感激の声が上がり、アリーナからスタンドまでの誰もが親指を立てた手を上下に振った。

「ごきげんだぜっ! 〜Nothing But Something〜」に移り、3段のセットを広々と使いながらU-YEAH、TOMO、YORI、KENZO、DAICHIらがそれぞれ躍動的なダンスで魅了する。ラップパートでのISSAとKIMIのマイクパスも軽快だ。「Com’on! Be My Girl!」では、柔軟に変動するフォーメーションダンスの中でU-YEAHを他のメンバーらが持ち上げ、その下をISSAが歌いながらくぐり抜けるなど工夫をこらしたパフォーマンスが展開された。

アップテンポな3曲を続け、この日初めてのMCへ。「織姫と彦星!ようこそ!俺たちがDA PUMPです!!」」ISSAの粋な第一声に、割れんばかりの拍手で応える観客たち。メンバー全員の自己紹介では、大阪でダンスを始めたというYORIが「第2の故郷である大阪でライブができて最高です」と語り、KENZOはヒューマンビートボックスで沸かせた。KIMIは生中継のカメラに手を振り、「生中継を観ている人たちに熱気を伝えたい」と意気込む。ISSAがスタンド、アリーナそれぞれに「盛り上がる準備できてるかい!」と呼びかけ、2009年にDA PUMPに加入したU-YEAH、TOMO、YORI、KIMI、KENZO、DAICHIにとって初めてのシングル「SUMMER RIDER」が始まった。

ステージセットに映される波しぶきを背景に、爽やかなサマーチューンが届けられる。《彼方架かるRainbow この手に出来そうさ》サビのフレーズはまるで、現在の7人の輝かしい姿を10年前から予見していたようだ。「Love is The Final Liberty」ではU-YEAHとKENZOが迫力あるアクロバットを見せ、「Rhapsody in Blue」では全員でのダンスパートにU-YEAHが遅刻してしまうというくすりと笑える演出も。そして7人がセンターステージへ向かって花道を歩き出すと、観客たちは歓喜の声を上げる。「Nice Vibe!」で会場を一体にしたあとDA PUMPはセンターステージから退き、このライブを1人のバンドメンバーとして支えるGAKUSHIによるパフォーマンスへ。GAKUSHIはメインステージで自身を囲む無数のキーボードを自在に操り、ベース、エレキギターなど様々な音を鍵盤から送り出しながら、約5分間に渡る情熱的なソロで圧倒した。

暗転したメインステージの闇を切り裂くように緑色のレーザービームが差し込むと、シルバーの衣装に着替えたU-YEAH、TOMO、YORI、KIMI、KENZO、DAICHIによるダンスコーナーへ突入した。太いベースラインが効いたエレクトロナンバーに乗せ、KENZOはブレイキン、YORIはポッピン、KIMIはクランプといった、各々の個性を押し出したソロダンスを次々に繰り出した。

激しいパフォーマンスから一転、優美なキーボードの音色とともにたった一人でステージに現れた紫色のセットアップ姿のISSAは、「ここからはしばしお座りいただいて、歌のコーナーをお楽しみいただけたらと思います。」という言葉とともに、DA PUMPの代表曲の1つでもあるバラード「Stay Together」をのびやかに歌い上げた。「Back To Your Heart」ではISSAの歌声をU-YEAHとYORIのコーラスが包み、DAICHIが星空の映像を背景に美しく舞う。「Without you」ではTOMOもコーラスに加わり、KIMIの哀愁漂うラップが夕焼けの映像と溶け合った。

KENZOのソロダンスが華を添えた「Little Loneliness 〜しあわせの隙間〜」のあと、紫色のセットアップを纏ってステージに揃った7人は、深い森のMusic Videoと同じ映像を背負いながら「if…」を披露した。束の間、メインステージにそよ風に揺れる桜の木が映され、ピンク色の照明とともに「桜」のイントロが流れると大歓声が会場を包んだ。この唄にはDA PUMPが歩んだ決して平坦ではない道のりと、屈せずに進む先に迎える未来が見える。最後のサビでは桜の花びらが舞い散る中、1万人の「桜フィンガー」が大阪城ホールに咲き誇った。楽曲が終わりメンバーが姿を消すと、歌詞の一節がステージに大きく映し出された。《かつて見たあの景色 見せたい人がいるのさ》

衣装を変えてステージに戻った7人は観客たちにダンスをレクチャーし、キャッチーなEDM「Do it! 宙にジャンプ」へ。会場が一斉に飛び跳ねた熱をそのままに「Steppin’ and Shakin’」と「CORAZON」を重ね、ステージと客席が「DA!」「PUMP!」とコールアンドレスポンスを交わした。メインステージとセンターステージを行き来しながら観客を一人残さず巻き込み、迎えた本編最後の楽曲は不動のアンセム「We can’t stop the music」。センターステージに集結した7人は勇ましく、会場を見渡す眼差しは真っ直ぐだった。この景色に立ち会った誰もが誇らしげに拳を突き上げ、揺るぎなき意志を綴った詞を力強く大合唱した。

メンバーがステージを後にするとすかさずアンコールが起こり、デビュー曲「Feelin’ Good -It’s Paradise-」で7人が再びステージに姿を見せた。メンバー同士が笑顔でアイコンタクトをとるなど和やかなムードの中、ISSAとKIMIは「楽しい時間はあっとい間だね……」としみじみ口にする。「大阪城ホールでみんなと“バイーン”したい!」と届けたのは、8月7日リリースの新曲「P.A.R.T.Y.〜ユニバース・フェスティバル〜」。アメリカで流行する動きをモデルに編み出した「バイーンダンス」や「ゾンビウォーク」といった、「いいねダンス」を上回るキャッチーな振付をふんだんに取り入れ、未発表の楽曲ながら会場のボルテージを最高潮に引き上げた。最後の「バイーン」ポーズを決めて7人はステージを降りようとするが、観客たちのライブの終わりを惜しむ声に応え、再度「U.S.A.」を披露。メンバーたちはステージの端から端までを躍動的に動き回り、スタンドの観客とハイタッチを交わすなど温かいコミュニケーションを楽しんだ。

持てるエネルギーのすべてを最後の「いいねダンス」にぶつけ、完全燃焼した7人と観客たち。メンバーひとりひとりがマイクを持ち、「「U.S.A.」からの1年間はもの凄いスピードで過ぎました。(DA PUMPとして歩んだ) 僕たちの11年とISSAくんの22年に、無駄なことは1つもなかったと思います。ありがとうございました!」(TOMO)。「こんな景色を見られると思っていませんでした。これからの景色は皆さんと一緒に見ていきたいです」(KENZO) と改めて胸中を語った。そして今年10月から12月にかけて開催される全国ツアーが発表されると、この日一番の熱狂に大阪城ホールが揺れた。GAKUSHIを含む出演者全員がメインステージに並び、マイクを置いたISSAの叫びがこだまする。「大阪城ホール、THANX!!!!!!!ツアーファイナル、最終日、どうもありがとうございました!!!」 鳴り止まぬ拍手の中、メモリアルな一夜は終わりを告げた。

DA PUMPは、老若男女を笑顔にさせる国民的グループであると同時に、どんな局面に立とうとも信じて貫く者の強さを教えてくれる頼もしい存在だ。このライブを目の当たりにした以上、彼らがこれから掴みとる景色を共に見届けるほかない。7人の未来を思うと、胸が躍るばかりだ。

取材・文=Natsumi.K