全世界で1億冊以上が売れた大ベストセラー官能小説『50シェイズ・オブ・グレイ』をパロディにして作られたコメディミュージカル『50Shades!〜クリスチャン・グレイの歪んだ性癖〜』。2016年に日本初演された本作だが、さらにクレイジーになって、2019年11月15日から新宿FACEで再演されている。初日を前に行われたフォトコールと囲み会見の様子をお伝えしつつ、初日を観劇した感想も触れたい。

ミュージカル『50Shades!〜クリスチャン・グレイの歪んだ性癖〜』のフォトコールの様子

ミュージカル『50Shades!〜クリスチャン・グレイの歪んだ性癖〜』のフォトコールの様子

週に一度、「本を読む会」を開催している主婦3人組のパム(シルビア・グラブ)、ベブ(野口かおる)、キャロル(青木さやか)。マンネリ化した性生活を送る彼女たちは、刺激を求めて官能小説『50Shades of Grey』を読み始める。その小説で描かれているのは、若くて有能だがとんでもない性癖を持った青年実業家・グレイ(浜中文一)と、平凡に生きてきた純真無垢な女子大生・アナ(水崎綾女)の、どこまでも歪んだ愛のカタチ。アブノーマルな恋愛模様を繰り広げる二人に、情熱的なアナの同級生・ホセ(福田転球)の存在も加わり、物語はどんどん熱く、激しく、ヒートアップしてゆく...。

2014年にオフ・ブロードウェイで上演されるや否や、話題騒然となり、「大人の娯楽」を求めて男女問わず多くの観客が劇場に押し寄せた本作。海を越えることは(いろいろな意味で)不可能と思われた型破りな世界観の“エロティックコメディミュージカル”だったが、河原雅彦の演出により2016年日本初演が実現。3年ぶりの再演は、初演よりも上演時間が20分も(!)長くなり、東京・大阪・福岡と3都市で上演される。

浜中文一(中央)

浜中文一(中央)

主人公のクリスチャン・グレイ役を演じるのは、初演に引き続き、浜中文一。「ジャニーズのアイドル」というイメージをいい意味でぶっ壊し、最初から最後まで振り切った演技を見せつける。いわゆる「変態」の役なのだが、なぜか浜中の演じるグレイは、艶やかで、ところどころで、チャーミングさを感じる。弱さもあるし、爽やかだった。

囲み会見では「皆さんに楽しんでいただけるのが一番いいなと思います。あとはやることをやるだけです」と言葉少なに意気込みを語っていたが、内に秘めるパワーや情熱は凄まじい。初演よりも更にはじける浜中をぜひ生で見てほしい。

浜中以外のキャスト、水崎綾女、シルビア・グラブ、野口かおる、青木さやか、福田転球は初参加となる。女装パフォーマーのレディビアード、カイル・カード、パイレーツオブマチョビアンというアンサンブルも含め、それぞれ個性もクセも強い(笑)。恥じらいなどは一切出さず(そう、この舞台は観客も恥じらいやためらいを持っているとつまらない。心をオープンにしてみた方が楽しめると思う)、役者人生をかけて「エロ」を追求し、発散していた。その様子は、実に清々しい。

上演時間は約2時間20分(途中休憩あり)。ノリの良い生バンド演奏に酔いしれながら、この強烈な個性がお届けする「エロティックコメディミュージカル」を目撃しよう。 

ミュージカル『50Shades!〜クリスチャン・グレイの歪んだ性癖〜』のフォトコールの様子

ミュージカル『50Shades!〜クリスチャン・グレイの歪んだ性癖〜』のフォトコールの様子

囲み会見の様子をお伝えする。

−−まずは初日に向けて、意気込みをお願いします。

浜中:皆さんに楽しんでいただけるのが一番いいなと思います。あとはやることをやるだけです。

水崎:放送禁止用語のセリフが多いので、劇場でしか楽しめないと思う。ぜひ皆さんに劇場に来てくれたら嬉しいなと思います。...抵抗ですか?抵抗は全くないです!

福田:劇場に来てもらわないと分からないことがいっぱいあって、楽しいことがいっぱい待っていると思います。ぜひ来ていただけたら最高だと思います。

青木:稽古が笑いすぎて疲れた。普段は欲求を抑えていたところがあるんですけど、この舞台を見たら、解放されてきた。欲求不満が解消されるという舞台だと思います。すごく楽しんでいただけると思いますよ。

シルビア:なかなかここまではじけた舞台はない。生バンドも超楽しいし、キャストたちもすごく楽しくはじけているので、お客さんも一緒にはじけていただけたら幸いだと思います。ぜひぜひジャンジャン劇場に来て楽しんでください。

野口:すごく秘めたリビドーが解放される。どんな人も性欲ってあると思うので、隠された性欲を露わにして...。女性の方はホルモンバランスが整ってくるというか、肌ツヤが良くなってくる感じがあります。このお芝居を見て、ツヤめいていただければと思います。楽しんでいただければと思っております。

河原:プレスコール用や関係者のゲネが一番辛いですね。ちゃんと見られるのが一番辛いです(笑)。早く本番がやりたいなと、ずっと思っています。いま、空前の下ネタブームですから、それに乗って、楽しんでいただけるのがいいかなと思っております。

ミュージカル『50Shades!〜クリスチャン・グレイの歪んだ性癖〜』のフォトコールの様子

ミュージカル『50Shades!〜クリスチャン・グレイの歪んだ性癖〜』のフォトコールの様子

−−この公演を経て、浜中さんは一皮も二皮も剥けそうですが...。

浜中:どうですかね、再演なのでねぇ...?

河原:剥けてこれですからね(笑)。

浜中:これ以上剥けたらどうなるんでしょう(笑)。

−−はっちゃける部分で苦労した点はありますか?

河原:僕は(はっちゃけ)させている方なので、ないですけども...。

水崎:台本で分からないエロティックな言葉があって。ネット検索してみたら、そこからエッチな広告に追いかけられるようになって。それが今辛いです。それに別の仕事の時に、歌の練習とかセリフの練習をしていると、絶対楽屋に覗きに来られるという感じですかね。スタッフさんには、この子大丈夫かなと多分思われていたと思います(笑)。

河原:まぁいやらしい目でしか見ていないです。ずっと、みんなで(水崎を)いやらしい目で見ていました(笑)。

野口:私もいやらしい目で見ていますし、(劇中で)おっぱいを触らせていただいています。天然物のおっぱい、すごく良かったです。みなさまのお気持ちを代弁させていただいて、私の中でリビドーの権化になったというか。なかなかそういうことは表せられないですが、私がみなさまの代わりにやっているつもりで舞台に立っております。本当に楽しんでもらいたい。それが全てですね。

ミュージカル『50Shades!〜クリスチャン・グレイの歪んだ性癖〜』のフォトコールの様子

ミュージカル『50Shades!〜クリスチャン・グレイの歪んだ性癖〜』のフォトコールの様子

−−どんな人に見て欲しい舞台ですか?

青木:セックスシーンがすごく多いんですね。そのときどうしても素が出てしまう。この人はこういう風になさるんだろうなと、稽古中、垣間見えるのがすごく好きでした。絶対に自分の何かが出ているでしょ。そりゃ。

野口:性欲と無関係の人はいないですよね?それを我が事として振り返ってみることができるものですね。人のセックスを見て、自分に立ち返ってくるというか、そういう問題定義もありますよね。

青木:セックスと純愛とがイコールになっている。純愛もないとセックスって楽しめないものだと思うんですよね。それがすごく...涙も出てくる。

野口:分かる!SMの話のようでいて、実はアナちゃんとグレイの純愛のやりとりがあるんです。そこを見ていただきたいと思います。

青木:本当にすみません、特に喋らなくていい二人が喋って(笑)

河原:言葉で説明できるような舞台はしょうもないでしょ。わざわざチケットを買って、足を運んでいただけるだけの甲斐があるものにはなっております。とてもワクワク、何が起こるかわからないものにはなっています。福岡公演はダメなんですけど、お酒飲みながら見れる舞台なんですよ。飲んでいないと見ていられないと思います(笑)。本場のアメリカはみんな酔っ払いながらギャーギャー騒ぎながら楽しむ。日本のお客様も心をオープンにして楽しんでいただけたらと思います。

ミュージカル『50Shades!〜クリスチャン・グレイの歪んだ性癖〜』のフォトコールの様子

ミュージカル『50Shades!〜クリスチャン・グレイの歪んだ性癖〜』のフォトコールの様子

−−千秋楽まで体力は持ちそうですか?

浜中:持ちますよ。全然。

−−やはり、ジャニーズで鍛えられて...。

浜中:ジャニーズで鍛えられて?いや、ジャニーズでエロは鍛えられないですよ(笑)

野口:(浜中は)演劇的に絶倫の方なので!

青木:そう、こんな人いるんだって!袖で文ちゃん(※浜中のこと)を見ながらね、「わ〜エロい!」って。

野口:とんでもない絶倫ですよ。征服される感があるので、みんな征服されたらいいと思います。

−−再演ということで、浜中さんは2度目の挑戦ですが、カンパニーの先輩としてはいかがですか?

浜中:先輩という何かはないです。(初参加だと)こういう作品なのですごく躊躇ったりされるのかなと思ったら、全然そういうこともなく、本読みの時からすごく完成度が高かった。まぁ転球さん以外は(笑)。

福田:こらこら〜!

一同:…(苦笑)

浜中:前回を上回っていると思いますよ。いろいろな意味で。

河原:ちょっといろいろ足していたら、初演より20分ちょっと長いんです(笑)

浜中:いろいろなところが見どころなので、見逃さず見てほしいですね。

−−エロ以外のメッセージ性はあるのでしょうか?

河原:そんなもの必要ないです!エロくて楽しければいい。これで読売演劇大賞とれたらいいと思います。そんな世の中が来たらすごいよ。大人しくお勉強になる芝居もとても素敵だと思いますけども、こういうものもあっていいんじゃないかという。マイノリティーの叫びです。よろしくお願いします。

−−最後に改めて意気込みをお願いします!

浜中:なんて言ったらいいのかな……。まぁ、女性の方はノーパンで来てください。お待ちしております!はい、以上です!!

取材・文・撮影=五月女菜穂