株式会社ソニー・ミュージックエンタテイメントと株式会社ホリプロインターナショナルの共同企画による、コメディを朗読劇で楽しむ新朗読劇ブランド「CONTELLING(コンテリング)」。記念すべき第1回公演『とりあえずウーロン茶』の作・演出を担当するのは、お笑いコンビ・さらば青春の光の森田哲矢。出演者には、木村昴、鳥海浩輔、山下大輝、田所あずさ、早見沙織と人気声優が名を連ねている。コメディを朗読劇で楽しむ新朗読劇ブランドとはどんなものなのか。目下、プロット制作中の森田哲矢に話を聞いた。

ーーコメディを朗読劇で楽しむ新朗読劇という企画自体はじめての取り組みですが、お話がきたとき率直にどう思いましたか?

「僕でいいんですか?」っていう感じはありました。朗読劇のことも声優さんのことも全くわからなかったので。ですが、「それでもいいです」と返事をいただいて、じゃあ、やらしていただきますって感じでした。

ーー朗読劇はコントと漫才の間とも言えますが、演者と観客の間に本を挟む点が異なります。作るなかでの悩みや面白みはありますか?

朗読劇ではあるんですけど、作品のテイストは自分たちがやってるコントの延長線上という感じだとは思うんです。とりあえず僕は本を完成させて、気になるところ以外は声優さんに任せようかなと思っていて。その人の言い方とかで面白くなればそっちでいいですっていう感じですかね。

僕がコントを作るときに一番重んじるのは設定なんです。なので、こういう声ができる声優さんなら、こういうコントを考えてみようかなとかも考えてはいます。

森田哲矢

森田哲矢

ーー今回はオムニバス形式なんですか?

そうですね。最初4本とかで考えていたんですが、短いやつもあったりもするかもしれないので、最終的に7本くらいになるんじゃないかな。

ーーさらば青春の光のコントは、森田さんと東ブクロさんが演じる不条理さも魅力だと思います。演者が置き換わったとき、果たしてどうなるのか気になります。

皆さん演技のプロですからね。ただ、どうしても僕たちのコントの言い回しをしたら、関西弁のツッコミのほうがいいんじゃないかな……と、ちょっと悩んでいるところです。出演者のなかには、関西出身の方おられないので。稽古でも「プロなんだから出来るでしょ」みたいな顔して言ってみようかなって思ってます(笑)。

ーー前例がないなかで、何か参考にしているものはありますか?

とりあえず朗読劇がどういうものなのか知るために、YouTubeにある動画を見ていますけど。なんか「あれ? こういうことなんかな?」とか「これって、朗読劇なん?」とか疑問に思うものがあって。これは違うよねってところはちゃんと守ってやろうかなっていうくらいです。

あとは、演出面を「ストロングスタイルでいいですよ」って言っていただけたので。もしかしたら、ラジオコントみたいなことになるかもなあ、と。

ーー演者は台本を舞台上で持って読むだけで、とくに動きなどはなく。

そうですね。そもそも、朗読劇で動くっていうのがどうなんやろうなっていう。さっきも打ち合わせしていたんですけど。とある朗読劇は、乗り物に乗って出てきて「だいじょうぶかー」とか言ってるんですけど、手には台本を持ってる。もう台本離してくれよって思っちゃうんですよ。まあ、朗読劇って言われたらそれも朗読劇なんでね。演出するときも、動きは「ここまではセーフよね」っていうとこまではやれたらなと思うんですけど。

森田哲矢

森田哲矢

ーーイベント告知のリリース文には、タイトルとともに“何も見ない家政婦、フォロワー0の女、デモ反対デモをする男、依頼が来ない殺し屋、 尖ってる薬剤師、なんとなく残念で憎めない人間達が右往左往する冬のとある1日の物語。”「と、今はそれっぽい感じで言ってますが、実際全然違う感じになったらすいません(笑)」と書かれていましたが。この感じになるかもしれないし、ならないかもしれない、と。

いまのところ、ほぼ100パーならない(笑)。ほぼほぼ……何も残ってないんじゃないですか。

ーー『とりあえずウーロン茶』というタイトルは?

残ってます。タイトルだけ残りました。

ーー『とりあえずウーロン茶』というタイトルだけが残ったということは、何かしらそこからみえる世界観があったのでしょうか。

僕がお酒を飲めない人間なので、僕の目線からみた社会への不満……じゃないですけど、なんか疑問に思うことがタイトルに詰まってる感じですかね。

ーーフォロワーゼロの女は。

えーいない……ですね。

ーー依頼が来ない殺し屋や尖ってる薬剤師も。

ないんじゃないですかね(笑)。まだプロットを詰めてる段階なんですが、声優さんならではの設定はやろうかなって思ってます。声優さんならではの疑問というか、そういうのを題材にしたコントもやろうかなと。

声優さんは映画のアテレコもやりますよね。たとえば、ジャッキー・チェンのアテレコをしてる方は、ジャッキー・チェンが死んだ時って葬式行くんかな、とか。仕事はそれだけじゃないと思いますけど、もしジャッキー・チェンが引退するって言ったら結構な痛手じゃないですか。全世界中のジャッキー・チェンのアテレコをしてる声優が「ちょっと勘弁してくれ」とかって言いに来るんじゃないか、とか。なんか、そういう感じです。

ーーなにか声優さん側に準備をお願いしていることはありますか?

もう、喉だけ準備しておいてくれれば。これがまた、ウーロン茶って喉にあまりよくないんでね。なので、緑茶を飲んでおいていただいて。時間があるときに、もしよければYouTubeで僕らのコントを見ていただいて、こういうものをつくる人間だってことくらいわかっていてくれれば。それ以外は大丈夫です。

森田哲矢

森田哲矢

ーー人数が多いことでいままで出来なかったコントもできるし、さらば青春の光のファンとしても楽しめる内容になりそうですね。

と、僕は思いますけどね。で、まあ反応がよかったやつは来年の単独ライブに持っていってもいいし(笑)。でも、出演者のフォロワー数とかみたら、急にビビり始めてます。声優さんたちは台本に負けない個性があるので、本人もファンも楽しんでもらえるとは思います。鳥海さんがYouTubeでやってる『ドSボイス』とかね、そういうのもどこかで出そうかなと思ってはいます。

あと、オープニングでやるコントは五人の「素」というか、加工はしてない声になるんじゃないかな。ほんとに普段の自分の声でやってもらうと思います。

ーー声優さんの「地声」は気になりますね。

ねえ、わかんないですよね。

ーー作品を通して声優さんの地が見えるようなものもある、と。

それは、それで声優ファンにも楽しんでもらえるのかなと。

ーー今回はプレイベントもありますね。これはトークショー形式になるのでしょうか?

なる、と思います。木村昴さんと田所あずささんは、お笑いの現場に慣れてる方たちなので。田所さんは天津・向さんともやってますし、もしかしたらガチで田所さんの恋愛相談になるのかな(笑)。でも、ネタバレにはならないようトークメインになると思います。

ーー本公演は12月14、15日開催ですが、リリースにあった“とある1日の物語”という季節感も?

最初は考えてたんですけど、多分ないです(笑)。でも、「ぜんっぜん、おもんなかったわー」とは言われないと思うんですよ。「なにこれ!」ってことはないと思うので。二回目もやりたいと言ってもらえるくらいの作品にはしたいなと思います。……もう、叩いても何も出てこないっす(笑)。12月なんで、劇場の空調だけはちゃんと設定しておくので、そこだけは安心してください。

森田哲矢

森田哲矢

取材・文=金井悟 撮影=岡崎雄昌