2020年3月に開催するcali≠gariとdeadmanの2マン3公演は、発表するや否や大きな反響を呼び、以下の対談の中でも「キャパを間違えてしまった」とあるように、チケットは既にソールドアウト。好評につき急遽3月13日(金)愛知・HOLIDAY NEXT NAGOYA、4月4日(土)東京・渋谷WWW Xで追加公演を開催することが決定した。この2マン公演に向けての意気込みや、ライブ会場で発売する予定の初の共作について、両メンバーに語ってもらった。

──まずは両バンドの出会いから教えてください。deadman以前から、ということになりますか?

眞呼:そうですね。keinっていうバンドがあったんです。そのバンドの時から。

aie:『Shock Edge 2000』っていうオムニバスのアルバムにcali≠gariとkeinが一緒に入っていたんですよ。で、そのイベントで初めて一緒になって。

桜井:初めて一緒になって、その日にいきなり飲みに行くっていう。

──それは石井さん加入後ですか?

桜井:そうですよ。

石井:その時いろんなバンドがいっぱいいたんですよ。俺は当時そういうバンドを何も知らなくて。その中でもkeinっていうバンドがすごいかっこいいんだって青さんに言われて。それを覚えてますよ。CDももらったんですよ。

──その時のcali≠gariの印象をdeadmanのお二人は覚えてますか?

眞呼:……昔過ぎて答えづらいですね(笑)。

aie:その時のことではないですけど、僕は秀仁さんが入る前のワンマンに一度遊びに行ったことがあって。

桜井:まだLamiel時代ね。

aie:そうそう。たぶん(武井)誠さんが入って最初のツアーだったか何かで。すげえ緊張して楽屋に行った記憶があるんです。とにかくやばい人達の集まりだなと思ってたから。それで、最近誠さんに言われたんですけど、その時僕は誠さんに「ドラム下手くそですね」って言ったらしく。僕の方が相当やばかったっていう(笑)。

桜井:アハハハハハ!

aie:なんでこんなに下手な人がドラムやってるんだろう?って。

石井:本当に?

aie:はい。誠さんに最近そうやって言われて。

桜井:でも、最近の誠くん、めちゃくちゃドラムうまくなってるでしょ?

aie:なってるんですよ(笑)。まあ、とにかく驚異的なバンドだなと思いましたね。同年代のバンドって、LUNA SEAフォロワーみたいなバンドがすごい多かったんですけど、cali≠gariみたいなアプローチのバンドは自分らの身近にはいなかったんでショッキングだったんです。その後、そのShock Edgeのイベントで一緒になった時に挨拶させてもらって。そこから青さんとご飯食べに行くようになった、っていう感じですかね。その頃はまだ名古屋に住んでたんですけど。

桜井:いきなりオシャレな飲み屋に連れて行かれて、そこで出されたものがサソリの唐揚げだった。

aie:名古屋の同級生がやってる店に連れて行ったら、サービスしてくれたんですよ。それがたまたまサソリの唐揚げだった(笑)。

桜井:だいぶきてますね。これが名古屋流のサービスの仕方か?と。


会ったら何か言ってやる!って思ってたんだけど、眞呼様の痙攣芸というか、ステージアクションがすごいカッコいいから“仕方なし”と思って。(桜井)

──眞呼さんのcali≠gariの印象はいかがですか?

眞呼:重い感じのバンドさんで、ちょっと異質な感じに見受けられたというか。かっこいいなと。ステージングも歌声も、個性を打ち出しているカッコいいバンドがいるなっていう感じでした。青さんの動きには目を見張っていました。

桜井:それを言うなら眞呼様の動きにも目を見張ってましたよ(笑)。ステージで痙攣している人がいる! 超かっけえ! って。

──青さんの名古屋系嫌いは噂に聞きますが、kein、deadmanに対してはどうだったんでしょう?

桜井:なんで名古屋系が嫌いだったかっていうと、名古屋系が流行った時に、名古屋の中でも宗派みたいなのがあったんですよ。Silver-Rose派とかLaputa派とか黒夢派とか。だけど全部同じような感じで、それで何をいきがってるの?って。それで嫌いだった気がする。その中で、keinはどれとも全然違ってたんですよ。

aie:我々は名古屋に先輩はいないですからね。

桜井:どっちかと言ったら、keinはまだDobermanとかMerry Go Roundとかの宗派なのかなと。だから好きだったのかも。初期のLaputaは好きだったんだけど、その初期のLaputaよりさらにやべえなと。これはやばいのがきたぞ、邪魔だ、と。

──やはり“邪魔だ”と(笑)。

桜井:だって、keinのCD買ったんですよ。赤いケースに入ってたやつ。それに「グラミー」っていう曲が入ってて。歌詞読むと“俺の嫌いな homo-sexual”って書いてあって、“何をーーー!!”ってなって。

眞呼&aie:アハハハハハ。

桜井:絶対に会ったら何か言ってやる!って思ってたんだけど、その「グラミー」っていう曲がまた、めちゃくちゃカッコいいんですよ。眞呼様の痙攣芸というか、すごいステージアクションだし。それがすごいカッコいいから、“……よし。仕方なし”と思って。その後、その歌詞のことを眞呼様と話した時に、ちゃんと意味を聞いて納得したからいいんです。keinって最高ですよ。過去のデモテープも含めて再発してほしいぐらいです。deadmanとの対バンなのに、keinの話ばっかりになっちゃってますけど。

──村井さんは、その2000年のイベントが最初ですか?

村井:実はそのイベント自体も覚えてなくて……すみません。特に眞呼さんとは今まで話したことなかったですよね。今日初めてちゃんとしゃべったぐらいで。aieくんともあんまり。

aie:え! そうでしたっけ? 結構お会いしてるような。

村井:挨拶ぐらいでしょ。こんなに長い時間しゃべってたのは初めてっていう感じで。名古屋系についても青さん情報でしか知らないんですよ。

──そうでしたか。deadmanはcali≠gariが活動休止している時期に上京されたということですし、なかなか接点がなかったんでしょうね。

aie:でもO-Westの楽屋の階段で、秀仁さんと青さんに会った記憶があるんですよね。

石井:aieくんにはそこらじゅうで会いすぎて、わかんないですね。ほとんど人に会ったことがない俺が、一番会ってる人だから。

aie:アハハハハハ。そうか、対バンはなかったかもしれないですね。

──今回の対バン3公演と共作の発表には両バンドのファンも盛り上がっていた様子ですが、共通するところがあるんでしょうか?

aie:よくわかんないんですけど、ちゃんと音楽をやってるというか、迎合しないというか、ちょっと変だけどヒットソングを狙ってないとか、ちゃんとやりたいことをやってるというか、そういうところが好きな層には共通してるんじゃないかと思うんですよね。

桜井:まじで?

aie:たぶん。

桜井:ヒットソング狙っていこ?

aie:売れることはいいことなんですよ。でも、もっとキャッチーな曲を作ってって言われると、嫌だなと思うタイプ。

桜井:それはわかる。結果キャッチーになるのはいいんだけどね。


cali≠gariはセンセーショナルなバンドで、僕もその域にいきたいと思っていたけどいけなかった。今回お話をいただいてすごく嬉しかったです。(眞呼)

──そんな2組が初の共作する「死刑台のエレベーター」がどんな曲になるのか楽しみです。

桜井:タイトルは変わるかも。タイトルは眞呼様と石井さんで決めていただいて。

眞呼:半分ずつ。

石井:半分ずつ?面白いですね。

──どんな曲になるんでしょう?

桜井:最初はお互いがお互いのカヴァーをしましょうっていう話だったんですけど、だったらせっかくだし一曲作っちゃうのも面白いよねって話をしたらOKってなったから、じゃあ2人で名古屋系みたいな曲を作ろうって(笑)。

aie:アハハハハハ。

桜井:絶対にどっちも作れないんだけどね。二人でスタジオ入って何かやってみましょうよ。

aie:それ、いいですね。

──で、曲が出来たら村井さん、石井さん、眞呼さんに投げられる、と。

桜井:交換日記のように歌詞を書くんじゃないですか?

石井:一行ずつね。

桜井:BARBEE BOYSのように。

aie:面白いですね(笑)。伊坂幸太郎がもう一人の作家さんと話をどんどん投げて展開していくっていう小説がありましたよね。そういう感じでできたら面白いでしょうね。

眞呼:どう投げましょう?

石井:なかなか難儀ですね。たとえば、あがってきた曲一曲丸々それぞれが歌詞を書いて、それを強引に混ぜるっていうのも面白いかも。カットアップ的な感じで。

眞呼:ああ、いいですね。

──では、名古屋と新宿2daysの3公演、意気込みを聞かせてください。

桜井:時代を超えての対バン、20年ぶりぐらいになるのでめちゃくちゃ楽しみです。おかげさまでキャパを間違えてしまったので、来てくださるお客様は目に焼き付けていただいて、これなかったお客様はいろんな人からのお土産話を楽しみにしていただきたい。いいライブにします。

村井:一緒にご飯とか行くんですかね? 一緒に行ければいいですよね。昔だったらバンドマンの打ち上げも多かったけど、そういうのはもう年齢的にもしんどいじゃないですか。大人の普通のご飯がいいですね。

aie:たしなむ程度の(笑)。

村井:昔はよく居酒屋でワイワイやってましたよね。そういうところでよくaieくんに会ってた気がする。

aie:今でもやってますよ。

村井:今でも? じゃあ、そういうのじゃない普通のお食事をしたいです(笑)。ライブの話じゃないですけど。

aie:確かに、東京だとなかなか一緒に対バンしても打ち上げで飲まない人が多くなってきてるから、2マンツアーで地方に行けば行きやすいですよね。ぜひ名古屋で行きましょう。20年ぶりの共演、楽しみですね。20年ってやばいですよね。20年前のイベントをボトムラインで観てた人にも観てほしいですね。懐かしさもあり。楽しみにしています。

石井:楽しみですよ。対バンとかだと実はあんまりライブを観れなかったりするじゃないですか。でもちゃんと観たい。実は昔、deadmanのライブを観に行ったことあったんですよ、リキッドルームに。なかなか人のライブを観に行く機会がないので、ぜひ観たいと思います。

眞呼:cali≠gariはやっぱりセンセーショナルなバンドで、僕もその域にいきたいなと思っていて。その時はkeinをやってたんですけど、keinが分散して、僕は階段から降りたんです。で、deadmanをやったけど、やっぱりcali≠gariの域にはいけなかった。そういう想いをもっていたので、今回こういうお話をいただいて、すごく嬉しかったです。僕も同じ位置でカッコいいものを魅せていきたいなと思います。

取材・文=大窪由香