京都フィルハーモニー室内合奏団が、2020年6月13日(土)京都コンサートホールにて、『室内オーケストラの夏』(2回公演)と題した「第225回 定期公演」を開催することを発表した。リモート演奏による「東村山音頭」が好評を博す京都フィルが3密を避け、いよいよ音楽を生で感じられる機会を届ける。

今回の公演は、5月25日(月)に全国で緊急事態宣言が解除されたことを受け、 新型コロナウイルス感染症対策などを慎重に検討した結果、実施の判断となった。国内オーケストラとしては、コロナ後、初となる観客の来場を伴う公演となる。また、京都フィルとしては、3月の公演を最後におよそ3ヶ月ぶりとなり、本公演の実施に当たっては、政府等公的機関ガイドライン、コンサートホールのガイドラインなどに基づく形での演奏を披露する予定となっている。


【京都フィルハーモニー】リモートで演奏!あまりにも美しすぎる「 東村山音頭」

まだまだ先が見えないコロナ禍の真っ只中、オンライン会議アプリ「ding talk lite」を使ってのリモート収録にて志村けんさんの「東村山音頭」を演奏、動画を公開した京都フィル。大きな反応を受け、現在まで7万回を超える再生を記録している。コロナ禍の中での十分な環境でない演奏だったが、団員含め参加したメンバーは改めて音楽の大切さを肌で感じたのだという。「志村けんさんが教えてくれたと思っています。だからどこよりも早くやることに迷いはなくなりました 」と理事長の田中美幸は語っている。

そして、今回の公演について京都フィルのメンバーは準備を進めている。オーボエの岸さやかは「みんなで集まって演奏するのは良いですね。心が潤いました。が、やはりいつもの配置や距離で演奏したいのが本音です」と普段通りに行かない演奏環境に戸惑いも隠せないそうだ。

高い演奏技術3密を両立できるのか? フェイスマスクでの演奏も試みる

高い演奏技術3密を両立できるのか? フェイスマスクでの演奏も試みる

当日に向け、最適な演奏方法は何かをリハーサルで突き詰めていく際、フェイスシールドによって多くの問題もクリアできると考えたが、実際使ってみると「フェイスガードは、楽譜は見えますが、常にステージライトで視界に光が映っている。暑くなり、フェイスガードが触っているひたいの部分が汗で濡れて演奏にも支障が。一緒にアンサンブルをする人を見ても、表情がわかりにくい。マスクは、始めは気にならなかったが、だんだん蒸れて暑さと息苦しさを感じた。フェイスシールドと同様、表情がわからない。1.5〜2mの隣との距離は、一緒に弾いてる感覚が掴みにくく、せいぜい隣の音しかちゃんと聴こえず、皆んなの音が集まらないことでしっかり演奏できるのか不安」とバイオリンの森本真裕美は語る。

適切な距離を取りながらの演奏の間合いの調整は難航が続いた (事前練習にて)

適切な距離を取りながらの演奏の間合いの調整は難航が続いた (事前練習にて)

今回の公演は、会場の500席に対して100人の来場となる。1972年の創立当初から学校音楽観賞会で延べ3000校、190万人以上の子供たちに音を届け、音楽の裾野を広げる活動をしてきた京都フィル。田中理事長は「お客様からは、3ケ月も待ったんや! 嬉しいわ、長かったわ、コロナ鬱や! でも、やってくれると聞いて、鬱治ったわ。などたくさんのお言葉を頂き、本当にありがたく思います。約3ケ月間、自由に表現出来ることが当たり前では無い時間を過ごしてきました。新型コロナウイルスで精神的に参ってると言われる方にも、京都フィルの演奏を聴いて頂き、一人でも多くの方に生きる希望と勇気へと変えてもらえるように感謝を込めてお届けします」と告げた。

なお公演では、イタリアの<夏>、フランスの<夏>、夏の夜に響くモーツァルトのセレナードそして、フランスのエスプリが漂うフランセの知られざる名曲と、サン=サーンスの白鳥が聴ける「動物の謝肉祭」が披露される。