2020年9月4日(金)、ピアニスト、ラン・ランがニュー・アルバム『バッハ:ゴルトベルク変奏曲』をリリースすることが発表された。ニュー・アルバムはヨハン・セバスティアン・バッハが鍵盤楽器のために書いた記念碑的作品「ゴルトベルク変奏曲」の録音。

1741年の後半に出版された「ゴルトベルク変奏曲」は、ピアノ芸術の中でも独自の地位を占める傑作。バロック鍵盤芸術の最高峰であり、鍵盤楽器奏者にとってのエヴェレストと形容されることもあるほどで、最高の技術と音楽性を要求される難曲だ。

ラン・ランは17歳の時、この曲を暗譜で、ピアニスト/指揮者のクリストフ・エッシェンバッハの前で演奏。これをきっかけに、彼はバッハ作品の解釈について、著名な音楽家たちの教えを仰ぐようになったという。

「ゴルトベルク変奏曲」について、ラン・ランは「これは鍵盤楽器のために書かれた作品の中でも、最も例外的な作品であり、創造力がみなぎっていると同時に、最高に多次元的です。全身全霊を傾けることを要求されると同時に、自分に何が欠けており、いまから何を学ぶべきかを、教えてくれます。私は今38歳です。年寄りではないですが、自分の音楽家としての成長のうえで、新たなステージに進むべき時がきたと、考えています。そこで《ゴルトベルク変奏曲》を通して新たな領域へ足を踏み入れ、このプロジェクトに完全に没入したのです。私が演奏家として目指しているのは、よりいっそう自己を認識し、聡明になると同時に、ほかの人たちに刺激を与え続けること。その目標は常に自分の中にありますが、今回のプロジェクトは、そんな私の歩みをさらに前へと進ませてくれました」とコメントしている。

2020年3月、ラン・ランはライプツィヒの演奏会でこの変奏曲を演奏。ライプツィヒはバッハが30年近く創作活動をおこなった場所で、彼の墓も会場となった聖トーマス教会にある。そんなバッハゆかりの場所での演奏後間もなく、ラン・ランは、同楽曲をスタジオで録音。アルバムのデラックス・エディションには、この2種類の録音が収録されている。このようにライヴとスタジオの録音が1つのパッケージで同時にリリースされるのは、世界初の試み。

「あのリサイタルのときほど、バッハを身近に感じたことはなかった」とラン・ランが語るほど自然体のライヴ盤の演奏と、集中し考え抜かれたスタジオ録音での演奏を1つのパッケージで楽しむことができる。

また、7月10日(金)、アルバムから先行シングルとして「アリア」の配信がスタート。同時にミュージックビデオも公開となった。

「アリア」ミュージックビデオ

このアルバムのリリースを受け、8月8日(土)のテレビ朝日「題名のない音楽会」では「ピアノ界のスーパースターが20年かけて挑んだ曲を聴く音楽会」と題して、ラン・ラン特集のオンエアが決定。ニュー・アルバム『バッハ: ゴルトベルク変奏曲』からの演奏を含め、ラン・ランのパフォーマンスを楽しむことができる。