2020年8月8日(土)に大阪大学出版会より、「漂流の演劇 維新派のパースペクティブ」が発売された。

本書は、大阪を拠点に活動してきた劇団「維新派」を多角的な視点から考察したものとなり、様々なジャンルの執筆者が参加している。演劇史、美術史(特に関西の前衛芸術)における維新派の立ち位置を分かりやすく概説するばかりではなく、維新派の文学的価値や音楽や言語・身体論、都市論からもその魅力に迫っている。

主な執筆者として、美術史からは橋爪節也、言語や身振りを分析するのは細馬宏通、建築家からの視点をつづるのは、家成俊勝。そして、contact Gonzoの塚原悠也は松本雄吉についての記憶を語る。また、酒井隆史は社会思想史、都市論として維新派を解き、情報番組「ten.」等でお馴染みの作家・若一光司は、維新派結成時の貴重な思い出を語る。

ブックデザイン:UMA/design farm 原田祐馬、山副佳祐 目次・扉・巻末写真:井上嘉和

ブックデザイン:UMA/design farm 原田祐馬、山副佳祐 目次・扉・巻末写真:井上嘉和

劇団維新派は、1970年、演出家・松本雄吉を中心に日本維新派として旗揚げし、1987年に維新派に名を変える。会話によって語ることは少なく、セリフのほとんどを単語に解体し、5拍子や7拍子のリズムに乗せて大阪弁で語るという、大阪のジャンジャン町に由来する「ヂャンヂャン☆オペラ」と名付けられた表現スタイルで上演している。「移民」や「漂流」をキーワードに活動を続け、これまで日本だけではなく、世界のさまざまな場所でオリジナル作品を上演している。

本書では、維新派の記憶と歴史を様々なかたちで後世に引き継ぐべく、維新派を読み解くひとつの鍵として提示し、理解を深める書を目指しているとのこと。