2020年10月9日(金)〜10月18日(日)東京芸術劇場 シアターイーストにて、東京芸術祭2020 芸劇オータムセレクション『ダークマスター VR』の上演が決定した。

本作は2000年から活動を展開する演劇団体・庭劇団ぺニノが、2003年に初演した代表作『ダークマスター』を、現在の社会状況を踏まえて新たに構想し直した。今回の上演用に新たに撮影したパフォーマンス映像を、特別仕様の演劇的空間において各回20名限定で、VR ゴーグルをつけて観劇する作品となる。

演劇作品『ダークマスター』は、『地獄⾕温泉 無明ノ宿』で第60回岸⽥國⼠戯曲賞2016を受賞した実力派の劇作・演出家タニノクロウが、原作漫画に強い感銘を受けて脚色・演出を手掛けた作品となる。2003年の初演から、国内では東京、大阪、宮城、富山で上演され、2018年には「ジャポニスム 2018」の公式企画として、フランスのジュヌビリエで、 2019 年には「Oz Asiafestival」に招待され、オーストラリアのアデレードで上演するなど、国内外を問わず高い評価を得てきた。

タニノクロウの東京芸術劇場への登場は、劇場主催公演『チェーホフ?!』(2011年)、そして『タニノとドワーフ達によるカントールに捧げるオマージュ』(2015)の作・演出以来、5年振り3回目となる。常に観客の予想を超え、マニアックなまでに精巧緻密な舞台美術や、人間の深層意識に分け入る挑発的・刺激的な作風で、実演芸術のボーダーを打ち破る作品を次々と発表し続けるタニノクロウ。現代日本演劇を代表するアーティストとして世界から注目される彼が、コロナ時代の今、新たに投げかける前代未聞の実験に期待したい。

脚色・演出 タニノクロウ コメント

タニノクロウ

タニノクロウ

『ダークマスター』 は漫画が原作で、初めて舞台化したのが2003年、その後4度のリメイクをした長く人気が続いている作品です。漫画は20ページほどの超短編ですが、その中には人間の本質を見つめる鋭い視点があり、私にとって今でも強く想像力を掻き立てられる作品です。5度目のリメイク『ダークマスターVR』は、映像とライブをミックスした作品です。

演劇が好きで劇場が好きな者たちがアイデアを出し合って製作しました。これはただの映像作品ではなく、劇場に観客が集うことでしか味わえないものであり、1つのライブの形であり、人間の見ている本当の世界を映し出す作品です。劇団創立20周年にふさわしい作品になると思います。

あらすじ
“あなた“はお腹が空いている。あてもなく歩いていると薄暗い路地裏に一軒の古い洋食屋を見つけます。
入り口の扉を開けてみるとすぐに揚げ物や炒め物の匂いが混じり合った独特な良い香りが鼻をくすぐります。クセのありそうなマスターがいる。こういうお店は絶対美味い。
メニューの中から大好きなコロッケ定食を選んでみましょう。しばらく待って…ほら、出来上がった。見た目最高、いただきましょう。揚げたての衣が音を立て割れると、中から熱々の甘い芋が胡椒のきいた挽肉とともに口いっぱいに広がる。ハフハフ、堪らない。
しばらく夢中になって食べている…が、なんだか視線を感じる…。マスターがニヤケながら近づいて来てあなたの耳に小さなイヤホンをねじ込む。
「今日からこの店のマスターになれ」
“あなた“はどうする