2020年9月9日(水)ビルボード東京にて『プレミアム ミュージカル セレクション』が華やかに開幕された。初日のライブレポートが到着したので、紹介しよう。

ミュージカル界が誇るトップキャスト、 伊礼彼方、 咲妃みゆ、 坂元健児が勢揃いして歌うジャズィーなオープニングナンバー「42nd Street」。 客席からはあたたかな手拍子が湧き起こり、 「このときを待っていた!」というお客様の熱い思いが伝わってくる。 ステージ上には飛沫防止のアクリル板設置など新型コロナウイルス感染症対策が万全だから、 お客様も安心して楽しむことができるのだ。
構成・演出は数々のミュージカルを手掛ける気鋭、 小林香。 ミュージカルの名曲で作品の世界観を彷彿させながら、 ドラマを一つ一つ丁寧に描き出す。 やがて全体で大きなうねりとなって明日への希望を歌う構成が見事だ。 ソロナンバーでは、 『エリザベート』のルドルフ役を演じた伊礼が「いつか演じてみたい役」というルキーニのナンバー「キッチュ」を多彩に表現し、 咲妃が出演作『ゴースト』より歌った「With You」では、 切ない思いがあふれ出す。 『ルドルフ ザ・ラスト・キス』より「明日への道」で、 坂元の伸びやかで力強い歌唱が観客にパワーを与えた。 さらには『エリザベート』の「夜のボート」など、 他では聞けない組み合わせのデュエットも。

坂元、 咲妃による「輝く未来」(『塔の上のラプンツェル』)のデュエット

坂元、 咲妃による「輝く未来」(『塔の上のラプンツェル』)のデュエット

伊礼、 咲妃による「夜のボート」(『エリザベート』)デュエット

伊礼、 咲妃による「夜のボート」(『エリザベート』)デュエット

各回に日替わりゲストが登場するが、 9日のゲストは樋口麻美。 『ライオンキング』以来20数年ぶりで坂元との舞台共演とあって、 樋口も感激の面持ちを見せる。 ミュージカル『アイーダ』より「星のさだめ」を樋口アイーダと伊礼ラダメスがデュエットしたのは、 ドリームキャストの実現と言っていいだろう。

(左から)樋口麻美、伊礼彼方

(左から)樋口麻美、伊礼彼方

「 こんな素敵な場所で歌えるなんて、 夢のような時間でした 」(樋口)「 コロナ禍での初めてのコンサートで、 この場に立てていることに感動しています。 」(坂元)「 幸せを噛みしめています 」(咲妃)と口々に感動を伝え、 最後に伊礼が「 皆さんの明日が健やかで幸せなものでありますように 」と願いを込めて歌ったアンコール曲は『アニー』より「Tomorrow」。 コロナ禍で中断を余儀なくされたミュージカル界がいよいよ再開。 「新たな夜明け」を感じさせるコンサートだ。

アンコールでは『アニー』より「Tomorrow」を

アンコールでは『アニー』より「Tomorrow」を

文:大原薫
写真:岩村美佳