ロックバンド『オワリカラ』のタカハシヒョウリによる連載企画『オワリカラ・タカハシヒョウリのサブカル風来坊!!』。毎回タカハシ氏が風来坊のごとく、サブカルにまつわる様々な場所へ行き、人に会っていきます。衝撃の一年ぶりの更新となる第24回目は、2020年9月5日(土)〜10月18日(日)で開催されている『特撮のDNA ウルトラマン GENEALOGY』をレポートします。

帰ってきた「サブカル風来坊!!」。というわけで、わたくしタカハシヒョウリが気になるイベントや人に突入して、独断と偏見(偏愛)でレポートするこちらの連載、ひさしぶりに帰還。ただいまSPICE。

今回は、東京ドームシティ、Gallery AaMoにて開催中の『特撮のDNA ウルトラマン GENEALOGY』をレポート、見どころを徹底解説します。

「特撮のDNA」とは何か?こちらのイベントは、日本の「特撮」をテーマに、作品にまつわる造形物やデザイン画などの展示を通して、作品を生み出し裏側から支えたクリエイターたちの技術と熱量に迫る展覧会イベントである。きみにも見える、特撮のDNA。

このイベントの最大の魅力は、実際に映像の中に登場するプロップ(小道具)や着ぐるみを、目の前で鑑賞できることに尽きる!幼き頃にブラウン管の中で見た、あの日に映画館で見た、昨日Blu-rayで見た、さっきNetflixで見た、特別な輝きを放っていたアレやコレを肉眼に焼き付けられるのは、まさに至福体験である。(※一部、レプリカも含む)

すでに、「ゴジラ(東宝特撮映画)」「ガメラ(大映、現:角川特撮映画)」をテーマとして開催され、特撮ファンの心をワシ掴みにしてきた「特撮のDNA」が、いよいよ「ウルトラマン」をはじめとする円谷プロダクション特撮作品をフィーチャーして開催。

タイトルに「GENEALOGY=系譜」とあるように、1966年にスタートし、2021年には55周年を迎えるウルトラマンの系譜を、貴重な造形物や衣装で歴史順に追いかけられる構成となっている。

ただ、展示に対する解説等がほとんど無いという、なかなかにストイックな側面もあり、シリーズに関して知識が無いとややハードルが高い面もある。今回は、個人的に一押しの展示を紹介して、ちょっとしたガイドとして役立ててもらえたら嬉しい!

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

会場に入るとズラリと並んだウルトラマンたち、来年公開を控える『シン・ウルトラマン』の雛形(カラータイマーが無いのに注目!)と庵野秀明監督のコメント、そして円谷プロきっての愛され”快”獣ブースカがお出迎え。

展示は、国産特撮テレビ番組の元祖となった『ウルトラQ』のミニチュア展示からスタートし、初期の名作として今も愛される『ウルトラマン』『ウルトラセブン』の「第1期ウルトラ」、70年代の変身ヒーローブームの渦中で生まれた『帰ってきたウルトラマン』~『ウルトラマンレオ』の「第2期ウルトラ」へと続いていく。

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

50年以上前に子供たちの網膜に焼きついたプロップや衣装が、こうして目の前で見れるのは本当に凄い体験だ。

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

撮影:タカハシヒョウリ

撮影:タカハシヒョウリ

『ウルトラマン』の展示では、分解された「カラータイマー」の展示が目を引いた。通常時は青く光り、ピンチになるとピコンピコンという音を鳴らし赤く点滅するカラータイマーが、ウルトラマンの窮地を目にも耳にもドラマチックに伝えてくれるアイコンとなっているわけだが、赤いセロハンと青いセロハンを入れ替えて色の変化を表現している激シンプルな機電構造に驚かされる。

撮影:タカハシヒョウリ

撮影:タカハシヒョウリ

現在、テレビ東京系で放送中の『ウルトラマンZ』でも人気爆発中のセブンガーのデザイン画も展示。

撮影:タカハシヒョウリ

撮影:タカハシヒョウリ

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

ウルトラの父、ウルトラの母、コタロウ(映画『ウルトラマン物語』に登場する少年期のウルトラマンタロウ、声が孫悟空の野沢雅子さん)の家族展示にホッコリ。右は、ウルトラマンタロウの変身シーンに使われた人形の手の平。ウルトラマン80の変身人形に改造された際に取り外された物だろう。タロウとじゃんけん可能!

撮影:タカハシヒョウリ

撮影:タカハシヒョウリ

シリーズ一陽気な防衛チーム『ウルトラマンタロウ』のZAT制服。この派手な衣装に身を包んで、ボサノヴァみたいなワンダバに乗せてラビットパンダでパトロールしたいぜ。

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

まだまだ第一期~第二期の貴重な展示があるが、この辺の展示に関してはいろいろな方が書いてくださっていると思うので、独断と偏見がモットーの「サブカル風来坊!!」ではあえてのスルー!

個人的に、今回の「特撮のDNA」の目玉中の目玉は、このあとにやってくる1980年代から1990年代のウルトラマンが大きく扱われていることだ。

TV番組としてのウルトラマンは、1974年の『ウルトラマンレオ』で中断し、1980年に『ウルトラマン80』、90年代前半に海外制作の『ウルトラマングレート』『ウルトラマンパワード』が単発で放送されたことを除けば、1996年の『ウルトラマンティガ』からの「平成ウルトラマン」が開始するまで、連続するTVシリーズとしては中断状態にあった。

この「ウルトラマンの冬」とも言うべき時代に放送された作品に関しては、大きく扱われる機会が少なく、展覧会においても初期のウルトラシリーズ展示の傍にオマケ的に展示されることが多かった。

しかし近年の作品人気の盛り上がりや、『80』40周年『グレート』30周年のアニバーサリーもあり、「特撮のDNA ウルトラマンGENEALOGY」では、これらの作品の貴重な展示も楽しめる!

個人的に、展示される全ての作品に均等にスポットが当たっている構成が、今回の展示のもっとも注目すべきポイントだ。

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

『ウルトラマン80』から、丸まって攻撃するダイナマイトボール状態の80。ほとんど出てくることの無いレアな展示だ。1話しか登場しない造形物が、こうして残っていることが驚き。体育座りで反省しているわけではない。

撮影:タカハシヒョウリ

撮影:タカハシヒョウリ

撮影:タカハシヒョウリ

撮影:タカハシヒョウリ

『ウルトラマンパワード』の展示は、近年ではかなり貴重だ。モンスター、メカデザインで参加した前田真宏氏によるパワードの初期デザイン画も展示。

撮影:タカハシヒョウリ

撮影:タカハシヒョウリ

撮影:タカハシヒョウリ

撮影:タカハシヒョウリ

ぼくらのグレート!幼稚園の友達が買ってきたグレートのソフビがスタイル良すぎて、新時代のウルトラマン感半端なかった。オーストラリアで撮影されたシリーズ。

さらに展示は、96年に放送された『ウルトラマンティガ』からの「平成ウルトラマン」シリーズ、そしてウルトラマン以外の円谷ヒーローたちへと続いていく。

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

ファンにはたまらない、いぶし銀の「ウルトラマンではない円谷ヒーローたち」。『ミラーマン』『電光超人グリッドマン』『アンドロメロス』と。

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

会場の中央には、歴代のウルトラマンが円形に並んだステージ状の展示があり、一定時間ごとにライティングによる演出が楽しめる。自分の好きなウルトラマンを視界のド真ん中に置いて、演出を楽しもう。

この辺の演出のエンタメ感は、毎年のウルトラマンフェスティバルを筆頭に、イベント展示に定評があるウルトラマンならではの物。

この日は、レセプションパーティーも開催され、『ウルトラQ』江戸川由利子『ウルトラマン』フジ・アキコ隊員を演じた桜井浩子さん、スーツアクターとして初代ウルトラマンを演じ、『ウルトラセブン』ではアマギ隊員として出演した古谷敏さんが登壇。

ウルトラマンの系譜が途切れることなく続いてきたのは、今日まで支えてきてくれたファンのおかげだと感謝を述べ、”本物”のスペシウム光線も披露した。

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

ちなみに今回の展示は、あくまで「ウルトラマンの系譜」がテーマになっており、作品内でウルトラマンに匹敵する存在感を持つ「怪獣」に関する展示はほとんど無い。今回の展示会は「イントロダクション」として各作品に少しずつ触れる構成となっているので、ぜひ第二回、第三回と怪獣や各作品にもスポットを当てた「特撮のDNA」も見てみたい!

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美

まだまだ、都外からは来づらい状況が続くのは残念だが、ぜひ実物を見てほしい貴重な展示が揃っている。そして、この展示の数々を目の前にした時、あなたの身体の中で脈動する何か...、それが特撮のDNAだ!そうに違いない!

撮影:加藤成美

撮影:加藤成美