「welcome to THE沼!」

沼。

皆さんはこの言葉にどのようなイメージをお持ちだろうか?

私の中の沼といえば、足を取られたら、底なしの泥の深みへゆっくりとゆっくりと引きずり込まれ、抵抗すればするほど強く深くなすすべもなく、息をしたまま意識を抹消されるという恐怖のイメージだ。

一方、ある物事に心奪われ、取り憑かれたようにはまり込み、その世界にどっぷりと溺れることを

「沼」

という言葉で比喩される。

底なしの「収集」が愛と快感というある種の麻痺を伴い増幅する。

これは病か苦行か、あるいは究極の癒しなのか。

毒のスパイスをたっぷり含んだあらゆる世界の「沼」をご紹介しよう。

シンセ番長・齋藤久師が送る愛と狂気の大人気コラム・第八十沼 『産みの苦しみ沼!』

男性は女性に比べ、様々な部分が圧倒的に弱い。

私も妻の出産に立ち会ったが、見ているこちらが倒れそうになるほどの激痛なのが想像できる(おそらく想像以上)。

出産後は「もう2度と体験したく無い」と思うそうだが、数年するとその痛みを忘れるようで、第二子、第三子と出産できるのだ。そう言った意味でも身体ともに女性は男性よりも優れた強さを持って生まれてくるのだ。

 

子供の頃もそうだ。風邪をひいて熱を出すのも私の知るかぎり男の子の方が断然多い。

精神年齢の発育も女性の方が早く、顕在意識の高さも優れている。

男性が女性よりも年上の夫婦が多いのもそういったことに起因するのではなかろうか。

 

ちなみに今年の10月に52歳になる私は、多動性の上、目がよく見えない。さらにデカイのでよく怪我をする。

そして古い家屋のため、鴨居が私の身長より低い。

そのため、1日100回は頭をぶつけ、たんこぶを作り、時には血〜が出る時もあり、その度に気絶している。

家族に言わせれば「しゃがめばいいのに」だと。ふざけるな!いちいちやってらんないよ。

もっと痛いのが足の小指を様々な物にぶつけた時の痛さたるや、瞬間的に壁にパンチを放ち痛さを手に分散させる程だ。

骨折もしょっ中だ。しかも同じ指を何度も。アホか。


中でも痛さというか、私が最も恐れるものが「注射」だ。

病院で採血や注射をする際は、必ずベッドに横になって看護師さんに手を握ってもらい「大丈夫ですよ、すぐおわりますからね」と(セクハラでは無い)毎回お願いしている。

恥ずかしいから看護師さんに聞いたところ、そういった男性はとても多く、中には卒倒してしまう人がいるという。

 

話は「出産」にもどるが、よく「産みの苦しみ」という言葉を聞くだろう。

クリエイティヴな仕事をしている方なら誰でも経験しているはずだ。いわゆる「難産」。

特に0スクラッチから物事を考え出す場合、芸術だけでは無く、様々な職業の人たちが経験する難関だ。

しかし、今の私には「産みの苦しみ」が全く無い。

以前は当然人並みに産みの苦しみがあった。しかしある事をきっかけに、徐々に「産みの苦しみから開放されていったのだ。

 

先ずはそのコツというかTIPSをいくつかご紹介しよう。誰にでも出来るから是非試して欲しい。

その1「逃げる」

例えば、自分に合わない仕事があったら、相手に失礼のないように躊躇なくお断りするのだ。

つまり「逃げる」という事。自分の不得意な事を無理してやる事は自分自身の精神衛生上とてもストレスになるだけでなく、仕事そのものが質の低いものになってしまう。それならば、それが得意な人に振って逃げてしまえ。


その2「仕事10%、遊び90%」

仕事だけに集中し過ぎると、人は一点しか見る事が出来なくなる。しかし、俯瞰で全体像を見る事によってレンジの幅が広がり、良い仕事に繋がる。

その方程式は[仕事10%+遊び90%=成果120%]だ。その結果は我が家でも実際に成果として出ている。


最初は釣りに行っていつまでも帰って来ず、そして仕事を開始するまでタバコを吸いながら3〜4時間ボケーっとしている私を見て妻が呆れていたが、仕事を1時間でバシっとおわらせる私の姿を見て、今では「釣りにいかないの?」「ゆっくりやれば」と言う程だ。

つまり、仕事の前に心身ともに柔軟体操をして、頭の中をフレッシュな状態にしているというわけだ。


その3「少数先鋭で群れない」

これは、私たちのジャケットはもとより、WARPレコードのロゴやAphex Twinのジャケットを手掛けるデザイン会の巨匠イアン・アンダーソンから直伝した実話だが、もともと小さかった彼のデザイン会社デザイナーズリパブリックは90年代に大ブレイクし、大手の広告を次々に手掛け、会社は急激に大規模になった。しかし、その後手広く従業員も拡大する中バブルがハジけた。つまり、イアンの目が全てにとどかなかったのだ。さらにあまりにも大きなクライアント広告のため、本来のイアンの力が封じ込められてしまったのだ。

しかし、彼は初心に戻り、少数先鋭だった頃のデザイナーズリパブリックに戻す事により、再び返り咲き、創造の源泉は途絶える事が無くなった。

妻とイアン・アンダーソン

妻とイアン・アンダーソン

その4「人生は遊ぶためにある」

これは、「その2」と共通しているが、人はどうして働くのか。衣食住が最低限確保出来、たまに贅沢な食事や旅行にいけるくらいなら、身を粉にして働く必要はあるのか?

精神を研ぎ澄ませれば、ちょっとした物事に感動したり、幸せになる事は、莫大な金持ちにならなくたって出来る。

お金は棺桶にいれたら、ただの灰になってしまう。そんなもんだ。

そりゃ、大金持ちの御坊ちゃまが羨ましい時もある。なんつったって仕事をしなくてもいいんだから。

いや、ちょっとまって。それって幸せなのか?

きっと、生まれてからこの世を去るまでに経済的な心配が無い環境だった場合、きっと「なにかをやってみよう」という創造するエネルギーすら起こらないような気がするのは私だけでは無いはずだ。


だからそんなに捨てるほどお金が余っている人は是非私にください。

冗談はさておき、この4箇条を実践してきた私には、全く「産みの苦しみ」などないどころか、私の場合は音楽家なので「どんどん作りたい!書きたい」と自然と脳汁が出てくるのであった。

もしも、仕事で行き詰まったり、どうしてもやらなくてはいけない事が出来なかった時、この4箇条を思い出して欲しい。

人間は、1人1人奇跡的な確率(それこそ宝くじで何億もあてちゃう人)よりも、もっともっと少ない確率で生まれてきている。

地球だって宇宙だって、人間の脳の中身だってまだまだわからない事ばかり。

もしかしたら、物体なんか無くて、自分という魂がつくりだしている幻想かもしれない。

そんだったら、好きな事を楽しんで夢中になってみようよ。

きっと、少しは人生が楽しくなるよ。