繊細にして流麗なタッチのイラストと独特なユーモアで多くの熱狂的ファンを持つ漫画家・岡野玲子による異色の相撲漫画が2020年12月5日(土)から東京・明治座にて舞台化される。この舞台『両国花錦闘士』の製作発表が10月21日(水)都内で行われ、作・演出を務める青木豪と、本作に出演する伊藤健太郎、大鶴佐助、大原櫻子、紺野美沙子、りょうが壇上に姿を現した。

本作は、明治座、東宝、ヴィレッヂという歴史も社風も異なる3社の同年齢の男性プロデューサー3人が立ち上げた“三銃士企画”の第1弾という点でも注目が集まっている。
青木は、「この公演はプロデューサーのお一人が相撲と演劇が大好きということで、この人たちと一緒に芝居を作ると楽しいに違いないと思って」と参画のきっかけについて触れる。実際に青木が相撲を観に行った際に「向こうの升席がまるで宝塚の大階段のように見えて、そこから力士たちが颯爽と降りてきたら素敵だなと。で、ハチャメチャなお相撲ミュージカルの台本を書かせていただきました」と笑顔を見せ、「力士が歌って踊る場面もたくさんある」と期待を持たせていた。なお、原作は90年代のバブル期の頃を描いているが、青木は「原作の世界観が大好きなので、舞台では2020年にコロナが来てなかったらこんな楽しい世界だったに違いない、というパラレルワールド的に描きたい」と演出の一端を垣間見せていた。

伊藤健太郎 撮影:田中亜紀

伊藤健太郎 撮影:田中亜紀

ソップ(やせ型)の力士、昇龍役の伊藤は「最初、僕がこのお話を頂き、お相撲さん役と聞いたときに自分で大丈夫かなと正直思ったんですけれど、台本を読ませていただき、ああ、なるほどなぁ、と思いました。この舞台ではダンスや歌も、僕にとっては初めての事が多くチャレンジになると思っています。キャストやスタッフの皆さんと、この時期に舞台ができることの喜びを分かち合いながらしっかりと稽古をしていきたいと思います」と挨拶。
司会の中井美穂から、ほぼ全裸状態の伊藤がまわしを肩にかけている本作のポスターが駅などに貼られていることについて突っ込まれると、伊藤は「ぜひやめていただきたい(笑)。友人から連絡が来て『すごいねあのビジュアルは……』と、言われまして。撮影のときはほぼ全裸なんですけど、そんな格好なのに顔だけはファッション誌のような表情をしてくださいと言われ、情緒がグチャグチャな感じでポスター撮りをさせていただきました」と終始照れ笑いで応えていた。

インパクト大のポスターはこちら!

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また、身体作りについては「1週間くらいジムに通っていて今筋肉痛。もうちょっと身体を作りたい」と語り、「体重は4kg増えました。今68kgくらいなので72kgくらいまで行きたいです」と目標を掲げていた。

大鶴佐助 撮影:田中亜紀

大鶴佐助 撮影:田中亜紀

伊藤のライバルであり、アンコ(ぽっちゃり型)の力士、雪乃童役を演じる大鶴は「僕が演じる雪乃童は昇龍とは性格も体型も真逆なので、稽古を踏まえてより伊藤くんに反発しながら磁場にお客さんを惹きつけたいと思います」と意気込みつつ、「四股を踏むという事は邪気を払うという意味があるので、多くの男性キャストと多くの四股を踏んでありとあらゆる邪気を払いたい」と今の世の中に想いを込めるように語った。大鶴自身の力士姿の撮影について聴かれると「最初は恥ずかしかったんですが、撮られていくうちに快感に変わっていくというか」と照れくさそうに小声でコメントしていた。

大原櫻子 撮影:田中亜紀

大原櫻子 撮影:田中亜紀

相撲嫌いなのに相撲担当の記者となってしまった、橋谷淳子役の大原は出演の喜びを口にしつつ「まだ歌稽古をしているところなのでどういった形になるのか分かりませんが、絶対的に楽しい舞台になると思う」と力を込める。大原はこの出演に向けて初めて生で相撲を観戦したと語り「それ以来ファンになってしまって! 面白いスポーツだなと。その後も相撲に詳しい友人にいろいろ聞いたりしていますが、相撲嫌いの記者役なのに相撲にどんどん詳しくなっていてまずいなぁ」と苦笑を浮かべた。

紺野美沙子 撮影:田中亜紀

紺野美沙子 撮影:田中亜紀

紺野が演じるのは雪乃童が所属する花吹雪部屋のおかみさんと、雪乃童の母親の2役を演じる。紺野は「私が小学生の頃、子どもたちに人気のスポーツといえば野球やバレーボール、ボウリングでした。私が同級生に『お相撲好きなんだ』というと『ええっ! あんなおじさんやお年寄りが観る相撲のどこが好きなの?』と返され、肩身が狭い想いをしました……あれからン10年、キラキラの制作陣と演出家と若い俳優さんたちが一同に会し、世界初の“お相撲エンターテインメント”の製作発表を皆さんの前でできるなんて思いもしなかったです。感無量です」と「スー女」(相撲好きの女子ファン)として嬉しそうに言葉をつづった。なお紺野は「今回の舞台は是非現役のお相撲さんに観てほしい」とアピールしていた。

りょう 撮影:田中亜紀

りょう 撮影:田中亜紀

昇龍を誘惑する大手芸能事務所パピーズの女社長・渡部桜子役のりょうは「桜子は数多くの男性をほしいままにしてきたパワフルでクレイジーな人」と自身の役どころを説明し、「元祖・スー女の紺野さんにいろいろ教えていただきたい」と目線を送る。桜子の衣裳の豪華さは原作でも注目しどころ。これについてりょうは「まだ衣裳合わせをしていないのですが、マヌカンっぽい。マドンナっぽいのとか。伊藤くんの撮影の時に私はボンテージスタイルだった。とにかく見た目のイメージは誰にも負けないと思います。それに負けないくらい頑張ります」と笑顔で応えていた。


歌稽古の具合について質問が寄せられると、伊藤は「舞台で歌うのも踊るのも初めてですし、歌に対して苦手意識が強くあったので、大丈夫かな……と、未だに思っています」と素直な心境を語るが、「音楽自体はすごく格好よくて、曲はロックが多いんです。僕もロックは好きなのでで、自分の好きな歌を歌えるのは嬉しいです」とコメント。また大鶴も「僕が歌う歌じゃないのですが、みなさんの歌げいこを聴いて帰ると頭の中をループするくらい素晴らしい曲。昨日2曲目を手掛けたんですが、これはもうおもしろいんじゃないかな。でもここから膨大な量の歌を覚えていく事になるのでどうなるんだろうと未知の世界です」。紺野は「デーモン閣下が歌うこの作品の主題歌を聴いたときにカーッと血が燃えるような気がして……30歳は若返った感じ(笑)。そして詞を改めて読むと凄く深くて。相撲の事をよく分かっていらっしゃるんだなと泣けてくるくらいいい曲です。毎日聴いてます!」と喜びに震えていた。りょうは「私が歌う歌は詞がバカバカしいです(笑)。クールな感じで歌ったりしているので。個性豊かなキャストが揃っているので曲調も様々で楽しんでいただけるのでは」とコメント。最後にミュージカルの経験豊富な大原に話を振ると「まだまだ経験が浅いのですが……このキャストの中でも、頑張らなきゃなと思っています。私が歌わせていただくなかで、初めてラップを歌うんです! 結構ラップって、歌とも違う部分があったりして、非常に新しい挑戦もあったりして楽しみでもあります」と語った。

照れ笑いの大原さん(可愛い!)

照れ笑いの大原さん(可愛い!)

伊藤健太郎 撮影:田中亜紀

伊藤健太郎 撮影:田中亜紀

最後に伊藤は「この時期に歌やダンスだったりちょっと心が温かくなったりする内容です。台本を読ませていただいた時、エンターテインメントのおもちゃ箱だなと感じました。皆さんが劇場に来る際は、テーマパークに来るような気分で来てもらえればなと思います」とアピールしていた。


取材・文=こむらさき 撮影=田中亜紀