BSテレ東の土曜夜9時『土曜ドラマ9』枠の2021年1月クール(12月31日から3月31日を指す)作品が、『ナイルパーチの女子会』に決定した。
ドラマ『ナイルパーチの女子会』は、『第28回山本周五郎賞』『第3回高校生直木賞』を受賞した、柚木麻子氏による同名小説のドラマ化作品。SNS全盛の時代を背景に、女性同士の友情を描いたものだ。主人公は、大手総合商社に勤め、男性と肩を並べて活躍しているキャリアウーマン・志村栄利子。美人で高学歴、実家は世田谷の一軒家…順風満帆な人生を送っているようにみえる栄利子の唯一にして最大のコンプレックスは‟女友達がいない“ことだった―。そんな栄利子の密かな楽しみは、同い年の主婦インフルエンサーが綴る、人気のSNS日記「おひょうのダメ奥さん日記」を読むこと。ある時、栄利子は、偶然にも近所に住んでいた日記の作者・丸尾翔子と出会う。翔子もまた‟女友達がいない”タイプの人間だった。同性の友達がいないという共通点を持つ二人は、急速に親しくなっていくが、あることがきっかけで二人の関係は思わぬ方向へ進んでいく。

柚木麻子『ナイルパーチの女子会』(文春文庫) 書影

柚木麻子『ナイルパーチの女子会』(文春文庫) 書影

主人公・栄利子役で主演するのは、映画『滑走路』や『ミッドナイトスワン』の水川あさみ。また、『SR サイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム』『アレノ』などの山田真歩が翔子役で共演。ドラマ『僕はどこから』『ミス・シャーロック』の瀧悠輔氏が監督、ドラマ『1リットルの涙』『ごくせん』の横田理恵氏が脚本を手がける。

山田真歩  (C)「ナイルパーチの女子会」製作委員会2021

山田真歩 (C)「ナイルパーチの女子会」製作委員会2021

主演の水川、山田、原作者の柚木氏らのコメントは以下の通り。

 

水川あさみ(志村栄利子役)

――オファーを受けた時の感想・原作を読んだ感想をお聞かせください。
もともと原作は読んでいたので、これがもし映像化するのであれば是非参加したいと思う作品でした。
なんともいえない女のドロドロとした心の闇と気持ちの悪い生々しさが描かれていると思いました。
――共演の山田真歩さんについて。
山田さんが出演されている作品を拝見するたび、唯一無二の存在感を発揮されていて、とても気になる役者さんでした。今回ご一緒出来るのをとてもうれしく楽しみにしています。
――栄利子を演じるにあたっての思い・意気込みをお聞かせください。
今まで演じた事のない、独特な人物像です。他者に求めても拒絶され、なぜ?を自問し続け狂気に取り憑かれていくサマは吐き気がするほど気持ち悪いものですが、おもいきり栄利子への距離を近づけて最大限の想像力でこの作品中は生きたいなと。

――視聴者の方へメッセージをお願いいたします。

女性の方は決して他人事と笑えない、きっと全身が反応してヘトヘトに疲れるかもしれません。
ですが、他人目線ではない自分目線の幸せとは何かを探してみるきっかけになれば幸いです。


山田真歩(丸尾翔子役)

――オファーを受けた時の感想・原作を読んだ感想をお聞かせください。

柚木麻子さんの原作『ナイルパーチの女子会』は、一ページ目から引き込まれ、そのままノンストップで一日で読んでしまいました。SNSのこと、埋まらない心の空洞や不安、他者とつき合っていくということ、本当の意味で自立するということ……。なんだか、私が20代くらいの頃からずっと感じ続けてきたことが赤裸々に書かれていて、「こういうテーマを描いてくれる人がいるんだ!」と興奮しました。
――共演の水川あさみさんについて。

原作でも、全く違う環境で育った二人がひょんなことから出会って、そこから葛藤や成長の物語が始まります。水川あさみさんは、私にないものを沢山持っている、私の知らない世界を沢山見てきた方なんだ……!と思いました。その「違い」を保ちながら、どんな世界が私たち二人の間に生まれてくるのか、今からとてもワクワクしています。
――翔子を演じるにあたっての思い・意気込みをお聞かせください。

他者への甘え、無意識についてしまう小さな嘘、世の中に出ていくことを心の底で怖がっていること……。自分のダメなところや直したいと思ってきたところを鏡で見せられているようで本当に恥ずかしくなりますが、ちゃんと向き合って、翔子と一緒に成長していけたらと思っています。
――視聴者の方へメッセージをお願いいたします。

「女子」だけでなく、すべての“大人”になりそこねた人、自分の輪郭を探し続けている人、不安や孤独を抱えながら生きている人、いろんな人の心に届く作品になると信じています。複雑で豊かな『ナイルパーチの女子会』の世界を存分に楽しんでいただけたら嬉しいです。

 

柚木麻子(原作者)

「ナイルパーチの女子会」は熱に浮かされて書き上げたような作品です。

今もそうですが、女性同士を競わせ、面白がるような風潮に腹を立てていました。栄利子と翔子はまさに、そうした風潮の犠牲者で、本来あったはずの友情を見失ってしまった人たちです。水川あさみさんは同性の友情に恵まれているイメージが強いですが、生真面目で律儀な栄利子にも重なる部分があり、改めて彼女の表現の奥行きに唸らされました。山田真歩さんは私が好きな和製シスターフッド映画(「SRサイタマノラッパー2」「アズミ・ハルコは行方不明」)で活躍されていて、かねてからファンだったので、配役をうかがった時はとても嬉しかったです。テレビドラマが大好きなので一視聴者として、放送を楽しみにしています。

 

戸石紀子(テレビ東京制作局ドラマ室) 

水川さんとの女子会の夜、私は水川さんに是非栄利子を演じて欲しい、と熱烈なオファーをしました。

水川さんは華やかさを持ちつつ、それを一気に地に落とすような、お芝居に振り幅のある人です。栄利子は独特なキャラクターですが、栄利子が友達欲しさに暴走する時に動く感情や、女性なら誰もが持っている、見られたくない心の闇を水川さんなら丁寧に、そして生々しく体現できる、と強く思ったからです。

また、山田真歩さん演じる翔子も難しい役ですが、自分を越えられる自在を持っている山田真歩さんなら「唯一無二の翔子」を爆発的に演じていただけると確信し、オファーさせていただきました。

ナイルパーチとはアフリカに生息する肉食の魚で、生態系を壊すほどに食べ続けます。毒々しいネット環境で、増幅していく栄利子の奇行のおぞましさと「あるある感」は、男女問わず目が離せない展開になっていると思います。今後栄利子と翔子がどうお互いを食い尽くすか、是非注目して下さい。偶然が導いた運命的な出会いが、二人の未来を大きく揺さぶっていきますが、これでもか!と言うほどのヒリヒリとした誤解、すれ違いの連続です。

また、大人の友人関係は、子供の頃のように楽しいだけの関係ではなく、どれだけ相手より優位に立てるか、という感情が少なからずあると思います。それでも一人でいるより、誰かと繋がっていたいからこそ、その闇を隠しながら関係を構築している場合もあるのではないでしょうか。「ナイルパーチの女子会」は、その裏側を疑似体験できる、また登場人物の女性たちの人生を一緒に体感できる作品でもあります。放送前にこんなことを堂々と言うのもどうかと思いますが(笑)、水川さんと山田さんの”栄利子と翔子”を1時間見ると、何度も叫びたくなり、かなり疲れるかと思います。でも、それを一瞬忘れさせる楽しさ、清々しさ、そして中毒性を秘めた作品になると今から確信しております。

水槽の中で身動きができなくなるような感覚を、キャストとスタッフ一同で熱を込めて作り上げていきますので、是非ご期待ください。