女優の深田恭子や綾瀬はるか、石原さとみらを発掘した名物オーディション『ホリプロタレントスカウトキャラバン』。第44回目を迎えた今年(2020年)の決選大会が12月12日、東京都内で行われた。グランプリは、愛媛県出身で千葉県在住の山﨑玲奈さん(13歳)が受賞した。また、17live賞には京都府出身の佐竹桃華さん(17歳)が選ばれた。決選大会の様子と、グランプリに選ばれた山﨑玲奈さんの初めての記者会見の様子を写真と共にお伝えする。

グランプリを受賞した山﨑玲奈さん(写真提供:ホリプロ)

グランプリを受賞した山﨑玲奈さん(写真提供:ホリプロ)

今年は「未来のキング&クイーンを探せ!ミュージカル次世代スターオーディション」というテーマを掲げ、ホリプロタレントスカウトキャラバン史上初めて、株式会社ホリプロのプロダクション二部(マネージメント事業部)とファクトリー部(公演事業部)による共同主催となった。国内外から総勢19,115名の応募があり、リモート審査、地方予選、合宿審査を乗り越えた、個性豊かな10名が決選大会に出場した。

会場は新国立劇場の中劇場。市村正親がスペシャルアンバサダー、作家・演出家の鴻上尚史、演出家の宮本亞門、歌唱指導の林絵理、ダンス指導の三井聡、演技指導の元吉庸泰、17LIVE株式会社Chief Brand Officerの中島亜希子、株式会社ホリプロ第44回ホリプロタレントスカウトキャラバン実行委員長の川畑良太の7名が審査員を務めた(敬称略)。

元NHKアナウンサーの登坂淳一と、第37回ホリプロタレントスカウトキャラバン特別賞を受賞し数々のミュージカルで活躍中の唯月ふうかが進行役を務め、決戦大会がスタート。小学6年生から大学2年生までの男女10名が夢の切符をつかむためにステージに立った。

スペシャルアンバサダーの市村は、「全員にグランプリをあげたいなと思っているんです。しかし、審査員のみなさんは1人を選ぶ、と。でも僕は全員にグランプリをあげたいなと思っています」と強調して、一笑い。「1回しかないですから、明るく、やり切るだけやってほしい」などとエールを送った。

コメントを話すスペシャルアンバサダーの市村政親と、それを見る審査員の宮本亞門ら  (撮影:五月女菜穂)

コメントを話すスペシャルアンバサダーの市村政親と、それを見る審査員の宮本亞門ら (撮影:五月女菜穂)

最初に行われたのはダンス審査。映画『The Greatest Showman』の「The Greatest Show」という曲の一部を、三井が振付をしたもの。2人1組で審査が行われ、ソロパートも含め、およそ1分半くらいだろうか。基本的な体の使い方はもちろん、表現の大きさや表現力の幅、さらに「遊び心」も求められるような高難度の振付だった。

2人1組で披露したダンス審査の様子。写真は、久慈愛さんと光安なづなさん(左から)  (撮影:五月女菜穂)

2人1組で披露したダンス審査の様子。写真は、久慈愛さんと光安なづなさん(左から) (撮影:五月女菜穂)

審査後、宮本は「“ミュージカルスターを探せ”というテーマなので、最初のリズムが流れ出した時に、舞台に立つ限り、表現としてパンチがあるか。教えられたもの以上に、本人が持っているもの、リズム感や世界観が溢れ出ているか、に興味があった。皆、なかなか個性があってこれから見ものだ」と語った。 

久慈愛さん  (撮影:五月女菜穂)

久慈愛さん (撮影:五月女菜穂)

増田ふくさん  (撮影:五月女菜穂)

増田ふくさん (撮影:五月女菜穂)

光安なづなさん  (撮影:五月女菜穂)

光安なづなさん (撮影:五月女菜穂)

古賀まいさん  (撮影:五月女菜穂)

古賀まいさん (撮影:五月女菜穂)

洞桃香さん  (撮影:五月女菜穂)

洞桃香さん (撮影:五月女菜穂)

続いて行われたのは演技審査。辻仁成の小説『ピアニシモ』を元吉が台本化したテキストの一部を、こちらも2人1組で演じた。思春期特有の葛藤をシリアスに描いた場面。詳しい設定や関係性は伝えられず、参加者自ら演出や表現を話し合い、考えたという。

審査後、鴻上は「こんなに難しい台本をうら若い娘っこが頑張るというのは、見ていて、市村さんと同じように、全員にグランプリをあげたいと思います」などと話した。

2人1組で披露した芝居の審査。写真は洞桃香さんと増田ふくさん(右から)  (撮影:五月女菜穂)

2人1組で披露した芝居の審査。写真は洞桃香さんと増田ふくさん(右から) (撮影:五月女菜穂)

最後に1人ずつの歌唱審査。課題曲はミュージカル『ヘアスプレー』の代表曲「You can't stop the beat」。これを日本語で歌唱する。音域が広くリズムが早く、歌唱の実力がはっきりと見えてしまう難しい課題だった。

佐竹桃華さん  (撮影:五月女菜穂)

佐竹桃華さん (撮影:五月女菜穂)

田中海咲さん  (撮影:五月女菜穂)

田中海咲さん (撮影:五月女菜穂)

山﨑玲奈さん  (撮影:五月女菜穂)

山﨑玲奈さん (撮影:五月女菜穂)

山本咲希さん  (撮影:五月女菜穂)

山本咲希さん (撮影:五月女菜穂)

宮山翼さん  (撮影:五月女菜穂)

宮山翼さん (撮影:五月女菜穂)

決選審査の結果、まず17Live賞に選ばれたのは、京都府出身の佐竹桃華さん。2003年1月19日生まれの高校3年生。趣味・特技はクラシックバレエと大食い。選ばれた瞬間は驚いた様子だった佐竹さんは、受賞の感想を問われ、「正直信じられないし、びっくりしているんですけど、この賞にふさわしいスターになれるよう、精進して参りたいと思います。ありがとうございます」とコメントした。

17Live賞受賞を告げられた時の佐竹桃華さん  (撮影:五月女菜穂)

17Live賞受賞を告げられた時の佐竹桃華さん (撮影:五月女菜穂)

17Live賞を受賞した佐竹桃華さん(右)と17LIVE株式会社ChiefBrandOfficerの中島亜希子氏  (撮影:五月女菜穂)

17Live賞を受賞した佐竹桃華さん(右)と17LIVE株式会社ChiefBrandOfficerの中島亜希子氏 (撮影:五月女菜穂)

そして、見事グランプリの栄冠に輝いたのは、愛媛県出身の山﨑玲奈さん。2007年1月28日生まれの中学2年生。趣味・特技はピアノとモノマネ。丸美屋食品ミュージカル『アニー』2019でタイトルロールのアニー役を射止めた経験もある実力派。受賞を告げられた瞬間は笑顔で、時々少し涙ぐむ様子も。襷(たすき)やティアラ、番組&イベント出演権、目録、トロフィー、花束と、次々に手渡される中で、笑顔が弾けた。

グランプリ獲得を告げられた瞬間の山﨑玲奈さん  (撮影:五月女菜穂)

グランプリ獲得を告げられた瞬間の山﨑玲奈さん (撮影:五月女菜穂)

少し涙ぐむ場面も  (撮影:五月女菜穂)

少し涙ぐむ場面も (撮影:五月女菜穂)

グランプリの襷(たすき)をつける山﨑玲奈さん(右)  (撮影:五月女菜穂)

グランプリの襷(たすき)をつける山﨑玲奈さん(右) (撮影:五月女菜穂)

ティアラをつける山﨑玲奈さん(右)  (撮影:五月女菜穂)

ティアラをつける山﨑玲奈さん(右) (撮影:五月女菜穂)

J:COM番組・イベント出演権を授与された山﨑玲奈さん(右)と演技指導を担当した元吉庸泰氏  (撮影:五月女菜穂)

J:COM番組・イベント出演権を授与された山﨑玲奈さん(右)と演技指導を担当した元吉庸泰氏 (撮影:五月女菜穂)

鴻上は「賞をとれなかったみなさんは、ここまで来たことが奇跡。未来のミュージカルスターということですから、僕らと必ずどこかで出会うことになる。まだまだ夢を持ち続けている限りはどこかで出会うと思うので、おめでとうといいたいと思います」と語った上で、山﨑さんについて「演技、歌、ダンス、満場一致でパーフェクト。今年『スクールオブロック』を僕が演出する予定だったんですけど、(山﨑さんは)その中のサマーという役を演じるはずだった。けれど、コロナでダメになって、YouTubeライブを1本作っただけとなった。でも、これから先のミュージカル界を引っ掻き回してください」と、エールを送った。

目録を受け取る山﨑玲奈さん(右)と審査員を務めた鴻上尚史  (撮影:五月女菜穂)

目録を受け取る山﨑玲奈さん(右)と審査員を務めた鴻上尚史 (撮影:五月女菜穂)

宮本は「みなさん素晴らしくて、レベルの高さに驚きました」と切り出しながら、「あなた凄かったね! 初めて聞いて全身鳥肌立って。すばらしいです! 天才です! あなたが大きなミュージカルの世界で荒波に揉まれていく中で、今日のこの瞬間を忘れないで。絶対自分を信じて、できるとできると思えば、あなたは日本どころか世界に行ける力を持っています。頑張ってください」と山﨑さんを大絶賛した。  

トロフィーを受け取る山﨑玲奈さん(右)と、審査員を務めた宮本亞門  (撮影:五月女菜穂)

トロフィーを受け取る山﨑玲奈さん(右)と、審査員を務めた宮本亞門 (撮影:五月女菜穂)

そして、市村は「(山﨑)玲奈ちゃん、グランプリおめでとうございます。誕生日はいつですか?」と聞き、「実は僕も1月28日なんです。運命なんです」と驚かせる。そして、「僕はミュージカルでお父さんも(『ラ・カージュ・オ・フォール』などで)お母さんもやっているんですね。いろんなミュージカルをやっていて、娘が必要な役が多い。近々、舞台でご一緒できることを楽しみにしています。今の気持ちを本当に大切に育てていってください。そして早く一緒に舞台に立ちましょう」と話した。

花束を受け取る山﨑玲奈さん(右)と、スペシャルアンバサダーの市村正親  (撮影:五月女菜穂)

花束を受け取る山﨑玲奈さん(右)と、スペシャルアンバサダーの市村正親 (撮影:五月女菜穂)

大会閉幕後は、山﨑さんの記者会見が行われた。内容を一部お伝えする。

ーーまずは一言お願いします。

今日はグランプリをとれて嬉しい。自分がすべての審査において、思い切り楽しんで、このグランプリという賞をとれたので本当に心から嬉しいです。ありがとうございます。

ーー今回の大会を通じて初めて山﨑さんを知ることも多いと思うので、改めて自己紹介と自己アピールをお願いします。

山﨑玲奈、13歳、中学2年生です。好きな食べ物は、いちごと白ごはんです。嫌いな食べ物は……たくさんあります。自分は歌やダンスや演技がとても好きなので、いつも心から楽しんで歌ったり踊ったりしています。

ーー今日の大会、ご自身で出来はいかがですか。

今回は自分に悔いなしということですべて100点とします。

ーー審査を受けるにあたって、意識していたポイントをお願いします。

自分はダンスが一番苦手だと思っているので、ダンスの動きを的確に、動きを大きくして、自分たちがどういう風に踊っているのかを見ている人たちにしっかり伝えられるように意識しました。

ーー最も緊張していたのはどこの場面ですか。

ウォーキングの前の1分ぐらいです。歌と演技とダンスをしているときは、あまり緊張しないので、袖に入って、そろそろ始まるというときが、一番緊張していたと思います。

山﨑玲奈さん(写真提供:ホリプロ)

山﨑玲奈さん(写真提供:ホリプロ)

ーー今年は、次世代のミュージカルスターを探すという大会でした。その点どう感じられますか。

(テーマ設定が)ラッキーでした。私はミュージカルを観るのも、演るのも大好きなんですけど、今回“ミュージカルのクイーン&キングを探せ”ということだったので、絶対受けたいと思っていました。

ーーミュージカル俳優になりたいと思ったきっかけを教えてください。また、ミュージカルの魅力を教えてください。

もともと私は愛媛県出身で、4年生ぐらいの頃からミュージカルスクールに通って、市民ミュージカルに参加していました。稽古や本番を通じて、すごい楽しいなと感じて、職業にしたいなと思いを深め、東京に行って、オーディションを受けるようになりました。

ミュージカルの魅力は、演技だけでなく、歌もダンスも加わって、観ている人や演じている人も楽しいこと。そこが魅力じゃないかなと思います。

ーーお父さん、お母さんが会場にいらっしゃいます。伝えたいことは?

お父さん、お母さん、グランプリが獲れるまで支えてくださって、ありがとうございます。お母さんは私と一緒にいて、私のだめなところを指摘してくれたし、励ましてくれました。お父さんは、いつもは違う県にいるけれど、電話で「玲奈なら絶対いける」と励ましてくれました。2人のおかげでグランプリになれたと思う。本当にありがとうございます。

ーー将来の夢を教えてください。

『ピーターパン』の主演に憧れています。でも、憧れから現実の方に少し近づけたかと。また、8代目ピーターパン役だった高畑充希さんが私の目標なので、彼女のように​、ミュージカルだけでなく、映画やドラマでも幅広く活躍できる女優さんになりたいです! 他に出演したいミュージカル作品は、『レ・ミゼラブル』。エポニーヌ役を目指したい。​

山﨑玲奈さん(写真提供:ホリプロ)

山﨑玲奈さん(写真提供:ホリプロ)

取材・文・撮影=五月女菜穂