2021年1月3日(日)新橋演舞場にて、『初春海老蔵歌舞伎』が開幕した。初日を迎えた本公演のオフィシャルレポートが届いたので、舞台写真とともに紹介する。

「海老蔵」と「歌舞伎」の名を冠した本作は、市川海老蔵にとって自身の名前に「歌舞伎」がついた初めての公演。コロナウイルスという未曾有の災禍にあり、東京での長期の歌舞伎公演は2020年1月新橋演舞場公演以来1年ぶり。コロナ禍の大変な今だからこそ、歌舞伎の灯を絶やさず、新たな挑戦をすべく2021年1月、海老蔵が始動した。

演目は、『春調娘七種』、『毛抜』、『藤娘』、『橋弁慶』。海老蔵は成田屋のお家芸である歌舞伎十八番の内『毛抜』で2021年の幕を開けた。そして、お正月の特別企画「お年玉」として、 舞踊の名作『藤娘』を市川ぼたん、弁慶と牛若丸の出会いを描いた『橋弁慶』を海老蔵と堀越勸玄が親子で踊るという、新年らしい豪華な演目が揃った。

オフィシャルレポート(原文ママ)

2021年の幕開け。春の七種行事を曽我物に織り込んだ、新年の初芝居にふさわしい『春調娘七種』で幕が開きます。曽我五郎、十郎の兄弟と静御前が国土安穏、天長地久を祈り舞うと、初春を寿ぐ舞台に客席がぱっと華やぎます。

続いては、市川海老蔵が愛嬌と知性を兼ね備えた粂寺弾正を演じる歌舞伎十八番の内『毛抜』。歌舞伎の様式美に溢れた古風な味わいの一幕です。まず、海老蔵演じる粂寺弾正が花道から登場すると、東京での長期公演が昨年の1月以来となる海老蔵に客席から割れんばかりの拍手が贈られます。コロナウイルス感染拡大防止の為、通常の客席数の49.8%となる708席で公演を行っておりますが、それを感じさせないお客様の暖かいお心が劇場を満たします。

弾正は小野春道の屋敷を訪れ、髪の毛が逆立つ姫の奇病の原因究明に乗り出します。手にした毛抜がひとりでに踊りだしたことから姫の奇病の仕掛けを見破り、御家横領を企む悪人たちの謀略を暴きますが、次々に繰り出される数々の 見得に場内は湧き上がります。無事に騒動を収め、「どうやらこうやらこの大役、今日お出での何れも様の御蔭にて、なんとか相勤めましてございまする。然らば、お開きと致しましょう」のセリフに場内は拍手喝采、興奮のうちに幕となりました。

最後に「お年玉」として上演されるのは『藤娘』『橋弁慶』。まず、『藤娘』に登場したのは4年連続の新橋演舞場出演となる市川ぼたん。藤の精を演じるぼたんが舞に現れるとその愛らしさに客席には思わずため息が。可憐に艷やかに踊る小さな藤の精は、大きな舞台を感じさせない踊りを次々と見せてい きます。やがて藤の精が消え去ると、 場内は大きな拍手に包まれました。そして舞台は、海老蔵と3年連続の新橋演舞場出演となる堀越勸玄の親子共演となる『橋弁慶』に。五條橋での牛若丸と武蔵坊弁慶の出会いを描いた舞踊劇です。まず登場したのは勸玄が演じる牛若丸。牛若丸は武勇に優れた少年で、その噂を聞いた海老蔵演じる弁慶が少年を退治しようと薙刀を手に五條橋にやってきます。父と息子が繰り広げる立廻りに場内は拍手喝采。やがて弁慶は打ち負かされ、牛若丸は「我は源の牛若丸」と名乗りを上げ、家臣となった弁慶とともに花道を去ってゆくのでした。

本公演は1月17日(日)まで新橋演舞場にて上演。千穐楽まで全日程全席完売となっているが、歌舞伎本興行史上初となる千穐楽生配信が決定しているので、チェックしてみてはいかがだろうか。

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※公演が終了しましたので舞台写真の掲載を取り下げさせていただきます。