2020年度の岸田國士戯曲賞を受賞したDULL-COLORED POP『福島三部作』(作・演出:谷賢一)が、2021年2月9日(火)〜14日(日)舞台芸術の国際プラットフォーム『TPAM - 国際舞台芸術ミーティング in 横浜2021』で一挙上演される。

谷 賢一

谷 賢一

『福島三部作』は、福島で生まれ、原発で働く技術者を父に持つ劇作家・演出家、谷賢一が、2年半に渡るリサーチを経て書き下ろし、1960年代以来の日本の小劇場の様々なスタイルを取り入れてまとめあげた、合計約6時間の三部作。谷が主宰する劇団「DULL-COLORED POP」により2018年に第一部が先行上演、2019年にいわき、東京、大阪で三作品が一挙上演され、10,000人以上を動員。2020年には岸田國士戯曲賞を受賞している。

東日本大震災・福島第一原発事故から10年の今年。KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオでの上演に加え、2月9日(火)〜11日(木)の公演は、20台のカメラを使い英語字幕つきでのライブ配信も予定されている(時差の大きい地域向けに、翌朝8:00に録画を配信)。

第一部『1961年:夜に昇る太陽』


1961年。 東京の大学に通う青年・<穂積 孝>は故郷である福島県双葉町へ帰ろうとしていた。 「もう町へは帰らない」と告げるために。 北へ向かう汽車の中で孝は謎の<先生>と出会う。 「日本はこれからどんどん良くなる」、 そう語る先生の言葉に孝は共感するが、 家族は誰も孝の考えを理解してくれない。 そんな中、 彼ら一家の知らぬ背景で、 町には大きなうねりが押し寄せていた――。 福島県双葉町の住民たちが原発誘致を決定するまでの数日間を描き出したシリーズ第一弾。

第二部『1986年:メビウスの輪』


福島第一原発が建設・稼働し、 15年が経過した1985年の双葉町。 かつて原発反対派のリーダーとして活動したために議席を失った<穂積 忠>(<孝>の弟)の下に、 ある晩2人の男が現れ、 説得を始める。 「町長選挙に出馬してくれないか、 ただし『原発賛成派』として――」。 そして1986年、 チェルノブイリでは人類未曾有の原発事故が起きようとしていた。 実在した町長・岩本忠夫氏の人生に取材し、 原発立地自治体の抱える苦悩と歪んだ欲望を描き出すシリーズ第二弾。

第三部『2011年:語られたがる言葉たち』


2011年3月11日、 東北全体を襲った震災は巨大津波を引き起こし、 福島原発をメルトダウンに追い込んだ。 その年末、 <孝>と<忠>の弟にあたる<穂積 真>は、 地元テレビ局の報道局長として特番製作を指揮していたが、 被災者の数だけ存在する「真実」を前に、 特番スタッフの間で意見が衝突する。 そして真は、 ある重大な決断を下す――。 2年半に渡る取材の中で聞き取った数多の「語られたがる言葉たち」を紡ぎ合わせ、 震災の真実を問うシリーズ第三弾