RIZIN2021年の開幕戦「RIZIN.27」が3月21日(日)、愛知県の日本ガイシホール(名古屋市総合体育館)に決定した。当初3月14日(日)東京ドーム大会を発表していたが、緊急事態宣言が発出され、イベントの入場制限および外国人の入国制限が課されることから延期を決定(4〜6月の開催を予定)。代わりに旗上げ間もない2016年4月の「RIZIN.1」以来となる日本ガイシホールで開幕を迎える。女子スーパーアトム級(49㎏)タイトルマッチ、そして今年予定されるバンタム級グランプリやフェザー級グランプリに関わるカードが発表された。

浜崎返り討ちか、浅倉のリベンジか!


▼RIZIN女子スーパーアトム級タイトルマッチ
RIZIN女子MMAルール(49.0kg)5分3R ※肘あり
浜崎朱加(AACC)
vs
浅倉カンナ(パラエストラ松戸)

カード順の発表はまだないが、大会メインになると思われるのが浜崎朱加と浅倉カンナのRIZIN女子スーパーアトム級タイトルマッチ。

柔道出身の浜崎は総合格闘技に転じ、15年に米Invicta FCでアトム級王者となる。日本人選手が初めて総合格闘技の世界王座を極めた瞬間であった。

同王座を2度防衛した浜崎は18年から日本に戻りRIZINに参戦を開始。世界を極めた強さをここでも発揮し、浅倉とのタイトルマッチをアームバーで制して初代RIZIN女子スーパーアトム級王者となった(18年大晦日)。

このRIZIN王座はInvicta FC王者ジン・ユ・フレイ(アメリカ)を降し防衛を果たしたが、19年大晦日に僅差の判定1-2でハム・ソヒ(韓国)に敗れ2度目の防衛戦で陥落してしまう。

2020年は新王者を追ってのストーリーが展開されると思われたが、ハムがRIZINを離脱。空位となった王座を争い、浜崎と山本美憂の第3代王者決定戦が昨大晦日に行われた。ここで浜崎は1R1分42秒、ネックシザースで一本勝ち。寄せつけない強さで再び王座をものにした。

対して浅倉は、19年8月からアリーシャ・ザペテラ(アメリカ)、ジェイミー・ヒンショー(アメリカ)、古瀬美月、あいと4連勝。2年3ヵ月ぶりとなる再戦でリベンジのチャンスがやってきた。



2月12日に行われたカード発表会見で、浜崎は「2年ちょっと前に対戦してから正直あまり変わってない印象。テイクダウン能力はあるけどその先がない。自分がやることをやれば勝てると思います。差自体は縮まっていない。試合を見てもらえれば分かります」と王座防衛、そして返り討ちに揺るぎない自信を見せた。

一方浅倉も「みなさんがどう思っているか分かりませんが、自分だけは絶対に勝てると思っている。このチャンスをものにしてベルトを巻いて、女子の格闘技を引っ張っていけるよう頑張りたい」と主役交代に強い決意をにじませた。

浜崎は昨年、前澤智と山本美憂を一蹴し、頭一つ抜けた強さを見せつけた。盤石な印象のある王者だが、それだけに浅倉が切り崩せば大きなインパクトとなる。開幕戦で“事件”を起こせるか、あるいは終わってみればやはり“浜崎強し”の試合となるのか。浅倉の成長と真価が問われる一戦となる。

“21世紀のヒクソン”サトシ連勝なるか!


▼RIZIN MMAルール(71.0kg)5分3R ※肘あり
ホベルト・サトシ・ソウザ(ボンサイ柔術)
vs
徳留一樹(パラエストラ八王子)

昨年末の大会でRIZIN榊原信行CEOは当初3大タイトルマッチを行う考えを明かしていた。バンタム級の朝倉海vs堀口恭司、そして女子スーパーアトム級の浜崎朱加vs山本美憂は構想通りに行われたが、実現ならなかったのがトフィック・ムサエフ(アゼルバイジャン)vsホベルト・サトシ・ソウザのライト級王座決定戦。ムサエフの来日が困難で、今大会にスライドしての実施が期待されたが、コロナ禍でムサエフが来日できない状況が続いており、サトシは初参戦の徳留一樹と対戦することとなった。

19年からRIZINに参戦を始めたサトシは北岡悟、廣田瑞人と日本人強豪を連続撃破。同年10月のライト級GPではジョニー・ケースに1R TKOで敗れたが、昨年8月に矢地祐介と対戦するとテイクダウンからのパワフルなマウントパンチで解説の高田延彦がヒクソン・グレイシーを引き合いに出す強さを見せ復活した。世界大会をはじめ多くの優勝を重ねてきた柔術は世界トップレベルで、グラウンドへ持ち込まれれば脱出不可能。矢地戦でその幻想を一気に高めた。

対する徳留はUFC、ONE Championshipといった世界を舞台に戦ってきた選手。15年には北岡に4R KO勝ちしてパンクラス・ライト級王者にもなっている。サトシとは18年6月のQUINTETで「TEAM HALEO」としてともに戦った仲でもあり、その寝技の強さは熟知している。だが総合格闘技では大きく上回る経験とリーチを活かした巧みな打撃技術を持っており、いかに寝技へ持ち込ませないかが徳留勝利のカギとなるだろう。

「ムサエフはすごく打撃が強いから、徳留との試合はムサエフとやる準備。徳留といい試合ができればムサエフともできるし勝てる。徳留との試合は私にとってテスト。徳留に勝てなければムサエフにも勝てない」

サトシはこの試合の向こうにムサエフ戦、そして勝利を見据えている。幻想をさらに大きくするか、あるいは徳留が波乱を起こすのか。

寝技士2人のサバイバルマッチ!


▼RIZIN MMAルール(66.0kg)5分3R ※肘あり
クレベル・コイケ(ボンサイ柔術)
vs
摩嶋一整(毛利道場)

そんなサトシが引き連れてきたのが、同じ静岡のボンサイ柔術所蔵で弟分というべきクレベル・コイケ。

現在31歳となるクレベルはサトシより早く、10代で総合格闘技でプロデビューするとヨーロッパ最大の格闘技イベント「KSW」を主戦場とし、フェザー級王者となった実力を持つ。その柔術スタイルは運動量豊富でアグレッシブ、野性的な打撃の当て勘も備えている。

強さをよく知るサトシがかねてよりプッシュしてきたが、昨年大晦日にRIZIN参戦が実現。山本美憂の夫でグアムの実力者カイル・アグォンをフロントチョークで切って落とし(1R)、今回連続出場が決まった。

総合格闘技戦績は32戦26勝5敗1分、そのうち22勝がサブミッションでの一本勝ちと圧倒的な極め力を誇る。

そんなクレベルと今回対戦するのが摩嶋一整(まじま・かずまさ)。こちらもシンガポールの団体Rebel FCの王者で、14勝のうち12が一本勝ちとクレベル同様にやはり極め力を持つ。

昨年8月の初参戦では現RIZINフェザー級王者の斎藤裕と対戦し、初回はテイクダウンからマウントポジションを奪って優位に進めるも、2Rにタックルへ出るもサッカーボールキックを浴び、追撃のヒザを加えられ逆転TKO負けを喫した。斎藤はその後朝倉未来を破ってRIZIN王者となっただけに、もしここで勝利していたなら斎藤の現在のポジションに摩嶋が立っていた可能性もある。

フェザー級は王座に就いた斎藤を朝倉が追う展開で注目が増しており、榊原CE0もフェザー級グランプリの年内開催を口にしている。この争いに割って入り、グランプリに名を連ねるのはクレベルと摩嶋どちらとなるか。寝技士2によるサバイバルマッチだ。