90年代の「関西小劇場ブーム」の礎を築いた、伝説の劇場[オレンジルーム]の流れをくむ、大阪の小劇場[HEP HALL]。関西人にはおなじみのランドマークとなっている、大きな赤い観覧車がある商業施設[HEP FIVE]最上階という立地の良さもあり、非常に人気の高い劇場だ。2021年4月から、リニューアルのために一時休館するのを前に、「HEP HALLのチラシ展 2005-2021」が開催されることになった。

「SCRAP」と制作した「リアル脱出ゲーム」の第一回目のチラシ。今や大人気となったこのゲームイベントを、商業レベルに押し上げる一助となったのがHEPだったそう。

「SCRAP」と制作した「リアル脱出ゲーム」の第一回目のチラシ。今や大人気となったこのゲームイベントを、商業レベルに押し上げる一助となったのがHEPだったそう。

[HEP HALL]は2005年から、生瀬勝久や古田新太などのマネジメント業務を行っている「リコモーション」が運営していたが、今年の3月末で[HEP FIVE]との契約が終了。そこで、現体制での16年の歴史を振り返る意味も込めて、これまで行われてきた700近い公演&イベントのチラシを、一挙に劇場内に展示する。

展示期間中の27日(土)には、ウォーリー木下×ザッハトルテ×いいむろなおきがコラボレーションした、劇場プロデュース作品『素浪人ワルツ』の上映会も決定。軽快かつノスタルジックなワルツの生演奏に乗せて、パントマイムと映像を斬新に組み合わせた世界を展開した本作は、海外公演も実現したほど高く評価されている。

HEP HALLプロデュース『素浪人ワルツ』(2008年)。一人の浪人のセンチメンタルな旅路を、高度なパントマイムに映像を絡めて、スタイリッシュに表現。 [撮影]堀川高志

HEP HALLプロデュース『素浪人ワルツ』(2008年)。一人の浪人のセンチメンタルな旅路を、高度なパントマイムに映像を絡めて、スタイリッシュに表現。 [撮影]堀川高志

ちょうどこのタイミングで、本作の配信が近日中に開始される、その記念も兼ねた上映会。当日は出演者のいいむろが来場するので、思わぬ裏話も期待できそうだ。またこれ以外にも、劇場と縁のあるアーティストと、思い出を振り返る配信を企画中だという。

[HEP HALL]はリニューアル後も、演劇&イベントホールとしての役割は継続されるそうだが、現在のコンセプトを受け継いだ劇場になるか、まったく様変わりするかは、現時点では不明とのこと。どちらにせよ、この季節にふさわしく、一つの“卒業”を迎えたと言える[HEP HALL]の、これまでの歩みをひとまず振り返りながら、次のステップに思いを馳せてみよう。劇場サイトでは、100人近い人たちからの感謝のメッセージも掲載しているので、こちらもチェックしてみて。

「素浪人ワルツ」凱旋公演PV。