OBLIVION DUSTの東名阪ツアー『OBLIVION DUST LIVE 2021 -ELIXIR FIXER-』が3月21(日)Zepp Namba(OSAKA)にて初日を迎え、当日のオフィシャルレポートが到着した。

3月21日、『OBLIVION DUST LIVE 2021 -ELIXIR FIXER-』初日の大阪公演がZepp Nambaで行われた。このライブは、昨年3月に予定していたツアーから2度の振り替えの末行われた、1年越しの再延期公演。やむなく中止を迫られるライブが多い中、ファンの熱い思いに支えられながら、やっとたどり着いた場所でもあった。

入り口には検温・消毒、会場のあらゆるところに消毒が設置され、会場収容人数50%以下、座席はひと席ごとにスペースを取り、感染拡大予防対策のガイドラインに沿って万全の対策で臨んだこのライブ。OBLIVION DUSTにとっては、コロナ後、初となるライブとなり、約1年ぶりのライブではあったが、結果からいうとそのブランクを感じさせることはまったくなく、ライブバンドの底力を見せつけたような、圧巻のライブとなった。


新旧織り交ぜ、カラーの違った曲を集めたような、“これぞOBLIVION DUST”を感じさせるセットリスト。バンドの軌跡を感じることができるような曲が並び、もちろんライブには欠かせない曲たちもちゃんとラインナップされ、奇を衒うわけでも、特別を演出するわけでもない。ちょっとぶっきらぼうなチョイスも、オブリらしさか。

オープニングSEの中、登場したメンバーたち。その姿が目の前にあるだけで、すでに震えるようなワクワクが止まらない。そして、KEN LLOYD(Vo)が歌い出した瞬間、轟音の塊が身体に降り注ぎ、音楽の渦へとみるみる巻き込まれていく。何かしらの不安を抱えながらも会場に足を運んでくれたファンたちも、一瞬で1年前の日常へと飛び越えていったに違いない。歓声の代わりに拍手やクラップで応えたり、思い切り跳ねたり両手を上げたり、できる限りの動きでその喜びをアピール。歓声は上げられないものの、ファンは興奮と熱狂の中で、頭を振り、体を揺らし、OBLIVION DUSTのヘヴィサウンドに身を委ねる。座席の前から離れられず、声を出せないこと以外は、何も変わらないOBLIVION DUSTの姿がそこにはあった。思えば、そもそも延々続くコール&レスポンスやかけあい、ファンの大合唱などというストレートなやり取りは存在せず、そのサウンドとパフォーマンスを魅せつけて一体感を生むのがOBLIVION DUSTのライブだったと、改めて感じる。


甘い中音域からファルセットまで、変幻自在に動くメロディを歌いこなすKEN。繊細さとダイナミクスを持ち合わせたK.A.Z(G)のギターは、曲によってその彩りを変えていき、妖艶なアルペジオから鋭いカッティングまで、いくつもの顔で鮮やかに曲の輪郭を作っていく。ロックベーシスト然とした、男の色気たっぷりのパフォーマンスと、軽やかでいて強靭なRIKIJI(B)のベースは今日もフロアを揺らす。サポートギターのYUJIはオブリのサウンドに彩りと厚みを加え、サポートドラムのARIMATSUの重く粘り気のあるドラムは、サウンドのボトムをしっかり支えつつも、フロアを躍らせる。そんな5人から放たれる音が見事に絡み合って、会場に狂騒を生み出していく。歓声を上げることはできないが、自分の席のスペース内で、それぞれの楽しみ方で、ルールの中で暴れるファンたちは、もしかしたらより自由度を増していたかもしれない。とにかくステージやメンバーがよく見えて、守られた自分のスペースで自分の好きなようにノレるのも、ある意味、今だけの特別かもしれない。


ルールの中で、できる限りの準備をして、その中で楽しむ。それがどれほどパワーと希望を与えてくれるものか、オブリが生み出す空間にどっぷりと浸っているだけで元気が湧いてくる。そしてそれは、特別な演出にも匹敵するほどの感動を生んでくれた。それはメンバーも同様。ライブ終了後、汗だくで楽屋に戻ってきたメンバーたちは一様に笑顔で、細かな課題に改善点を見つけつつも、大きな達成感と多幸感を味わっているようだった。
ライブに行って元気をもらう。そんなありきたりの言葉も、改めて実感することのできたこの日のライブ。好きな空間に身を置くことの楽しさ、好きな人に会う嬉しさ、大好きなものに触れるときめき、(たとえマスクの下で見えなくても)笑顔で会えることの大切さ、どこか溜め込んでいた寂しさを、この日のライブは一瞬で吹き飛ばしてくれた。少しだけ日常が戻ってきた喜びを実感しながら、明日からの希望を感じたライブだった。

そして、ツアー最終日となる、4月4日(日)東京・Zepp DiverCityは有観客ライブでありながら、生配信が決定。すでにソールド・アウトとなっている貴重なライブだけに、チケットを逃した人、遠方から足を運べない人には嬉しいこのニュース。心ときめく時間を一緒に過ごして、ただただオブリのロックを味わっていただきたい。

文=矢隈和恵 撮影=緒車寿一