5名の劇作家が新作ラジオドラマを競作する。題して、NHKオーディオドラマ 青春アドベンチャー「当面の間、変身します」が、2021年3月29日(月)〜4月2日(金)連日21:15〜、NHK-FMにて放送される(NHKラジオ「らじる★らじる」にて、放送後、一週間のみ聴き逃し対応あり)。

全5回を貫く共通のテーマは「変身」。「ある朝、起きたら自分が巨大な毒虫になっていた」ことから物語が始まるのはご存知カフカの代表作「変身」だが、もはや、自分を取り巻く世界がいつ一変していてもおかしくない(むしろ既に一変している)昨今。不条理な現実をふまえ、この「変身」をテーマに5人の劇作家が、それぞれ15分のショートラジオドラマに挑む。

5名の劇作家とは次のとおり。

劇団「MCR」主宰であり、演出の松浦禎久とタッグを組んだBSプレミアムドラマ「ただいま母さん」が第2回市川森一脚本賞にノミネートされた櫻井智也。


青春群像劇を得意とする劇団「20歳の国」を主宰し、俳優として野田秀樹作・演出「赤鬼」に出演するなど、マルチな活躍をみせる石崎竜史。


女優としての活動のみならず、近年は演劇ユニット「aibook」を立ち上げ、女性の悩みや痛み、そして愛情を丁寧な会話劇で紡ぐことに定評がある笹峯愛。


「花組芝居」に俳優として所属しながら自ら「あやめ十八番」を主宰し、歌舞伎、能、浄瑠璃など、様々な日本の古典芸能を基礎とし現代劇とのアレンジを続ける堀越涼。


「個性的な女子」に対する崇拝と憧れを、デジタル技術とミックスし独特の感覚で描く演劇ユニット「ナイスストーカー」主宰のイトウシンタロウ。


いずれも、演出の松浦禎久が自ら舞台に足を運び、「今、一緒に作品を作りたい」と熱望した色とりどりの作家陣だ。

出演は渡部豪太、小市慢太郎、祁答院雄貴、水野絵梨奈、異儀田夏葉、松浦佐知子、石崎竜史、山崎和佳奈、佐藤誓、加納幸和。

■松浦禎久(演出)コメント

「当面の間」って、いつまでなの?「当面の間」は、僕にとって、コロナ禍を象徴する言葉になった。
最初の緊急事態宣言の時、新型コロナウイルスのニュースも、閑散とした街も、すべてが不条理劇のように見えた。「世界は変わってしまったのか?私たちは変わらなければいけないのか?」
「変身」というテーマが浮かんだ。胸のつかえを、5人の劇作家たちに物語にしてもらった。
作家とは、すべてリモート打合せで脚本を作った。初めての経験だった。
でも直接会ったとしても、マスクしてアクリル板で隔てられると、目の前にいる人の方が、声が聞き取りにくかった。これもまるで不条理コメディーのようだった。
5つの「変身」譚は、コメディーあり、ラブストーリーあり、時代劇あり、多彩で美しくそして奇妙なラインナップとなった。作家は全員、「自分の書いたドラマがいちばん面白いな」と信じているだろう。
そんな仕上がりにできたと自負している。「当面の間、変身します」(全5回)。
「当面の間」は、日本語として正しくないという意見もある。だが「当面の間」には、「いつまでになるかわからない」。でも、「できるだけ早く終わってほしい」という切なる思いが込められており、東日本大震災の際にも多く使われたフレーズだと聞いた。皆さんも誰かと5本聴き比べてみてください。
「当面の間」だけでも、このドラマで楽しんでいただければ、このうえない幸せです。