ギターをこよなく愛するギタリスト・野村義男が、沢山の仲間を呼んでおなかいっぱいの内容でお送りする対談形式のコラム。おかわり15杯目は、超特急のメンバーでもあり昨年ソロデビューを飾った松尾太陽が登場。

野村:今回は松尾太陽さん登場ということで。初めましてですね、宜しくお願いします!

松尾:はい、宜しくお願いします!

野村:この1年コロナで活動とかが制限されたりしてたと思いますが、松尾さんはこの状況はどうでしたか?

松尾:表に出る仕事も制限されてなかなか出来なかったので、今まで感じた事がない状況ではありました。ファンの皆さんと直接お会いする機会を当たり前に思っていたので、当たり前のことが当たり前じゃないんだなって気づかされるというか。オンラインライブとか、電波を通してとか間接的なイベントばかりで過ごして来てたので、少し違和感を感じるような1年だったと思っています。

野村:この状況が始まったのがちょうど1年前くらいですよね。世界中のエンタメが同じような状況ではあったと思うのですが、松尾さん的には何をしてましたか?

松尾:僕としては、自粛期間に入って一歩も外に出ないような状況が何か月間か続いていたので、そんな時はインスタライブだったり基本的にSNSを通してファンの方と交流したりはしてましたね。

野村:はいはい。

松尾:普段は超特急というグループ活動をしているんですが、昨年それとはまた別にソロプロジェクトとしてデビューさせて頂く話があって、そこでソロ活動をするかしないかを迷っていた部分がありまして。

野村:え、なんで?

松尾:その頃はまだ、自分がソロ活動をするにはいろいろ音楽的な知識とか含め、まだまだ勉強不足なんじゃないかって思ったりしていて、そこで一人で出たときに良いものを届けられるのかっていう自信が100%ではなかったというのが正直なところだったんです。

野村:そうなんだ。

松尾:そうやって色々とプロジェクトを進めている時に、自粛期間に入ってしまって。でも逆に直接会えないって状況が続く事になったので、まずは松尾太陽というソロプロジェクトを通して音楽的な事だったり、ボーカルのレベルを上げたいなって思うようになりまして。

野村:いやいや、ほっといても歌うまいじゃないですか!

松尾:ありがとうございます!(笑) でも、もっと吸収したいなっていう気持ちが強くて。

野村:もうそれはただの贅沢! 歌すっごいうまいなって思ったもん。

松尾:こうやってソロとしての活動を通してレベルアップ出来れば、超特急としての活動で応援してくださってる皆さんに、もっと色々なエンターテインメントを届けることができるんじゃないかって、そういう考え方にシフトチェンジ出来たんです。こういう言い方をすると変な感じになってしまうかもしれないですが、僕にとっては自粛期間がソロ活動をするという事に一歩踏み込めたきっかけにはなったんです。

野村:コロナ状態になってプラスになった人と、プラスを考えられなかった人がいて。前に進まなかったかもしれない事が進んだって事は、凄くプラスに作用したんだと思うんですよ。

松尾:はい、そう思ってます。

野村:だから、僕も割と悪いことばっかりじゃないんじゃないかなっていう風に、最近は思うようになってて。この状況を乗り越えたらもっとプラスになることができるんだっていうのが、見えた人が勝ちなのかなって。そういう意味では松尾さんは正解だと思いますよ!

松尾:当然色々な活動が制限されたりとかしていたので、歌も歌えないしレコーディングもないしって。そうなると気持ち的にも落ちちゃうことが多かったんですけど、ソロの話がネガティブだった考えを少しポジティブな方向に進めてみようって思えたので。

野村:年齢関係なく、一歩前に進んだ。考え方が大人になったっていうのがあるのかもしれないですね。

松尾:そうですね。

松尾太陽

松尾太陽

野村:何か新しいことを始めたりはしませんでしたか?

松尾:一番大きいのは、スーパーで豆苗を買った時に、袋を見たら水を入れるとまた伸びてそれを育てられるって書いてあったのを見て、基本的に自粛期間は豆苗を育ててました。

野村:良いね!(笑) それまだ育ててる?

松尾:はい、今も育ててます。1回全部切っちゃうのでスタートは5cmくらいの状態から始まるんですけど、そんなに時間が掛からないでまた伸びてくれるので、もう何度も鍋とかサラダとかにして食べちゃっています。

野村:料理もするんですか?

松尾:はい。どちらかと言うと料理をやらないといけないなっていうか。毎日出前なんかを頼むのも良くないしって思いまして。

野村:料理ができる男、モテますね!

松尾:いやいや(笑)。

野村:そもそも豆苗をつかって料理するなんて、普通考えないもん。絶対モテますよ!

松尾:ほんと放置しているとずっと伸び続けるんですよ。ある程度伸びるとだんだんと下のほうに下がっていって、今の僕の髪型みたいな形になるのでなんか面白いなって思って。最後は愛着も湧いて食べにくくなっちゃいました。(笑)

野村:ペットみたいな感じ?

松尾:そうなんですよ!

野村:今度は水耕栽培でたまねぎをやってください。水が強烈に臭くなって全く愛着とか全くないから!

松尾:あははは!(笑)

野村:でも次に育てる時は、毎日自分と豆苗を一緒に写真に撮って、成長日記みたいなのをやって欲しいな。絶対ファンの人も喜ぶでしょ?

松尾:一時期SNSとかインスタグラムのストーリーズとかを使って、今日は1日でここまで伸びましたとか、豆苗日記みたいなものをあげてたりしていたんですよ。

野村:そうなんだ、僕もちょっとやってみようかな。スーパーで買って帰ろう。

松尾:簡単に手に入れられて、しかも安いしお勧めです!

野村義男

野村義男

野村:じゃあ、その頃音楽についてはどんなものを聴いてましたか?

松尾:基本的に僕は両親の影響もあって、シティポップというか。70年代、80年代のJ-POPを聴く事が多くて。

野村:アルバムも聴かせてもらったんですけど、シティポップど真ん中でしたもんね、2曲目(「The Brand New Way」)とか達郎さんかなって思ったくらい!

松尾:ありがとうございます!ちょっと意識させていただきました。

野村:いやでも本当にサウンド作りから、歌いかたから、オシャレ〜みたいな。僕には絶対ない要素だから、すっごい素敵なアルバムだなって。実際日本のアーティストだとどんな人が好きなんですか?

松尾:基本的に入口として好きになったのはサザンオールスターズさんで、そこから派生して、はっぴいえんどさんとか、ナイアガラ・トライアングルさんとかを、レコードとかカセットで聴いていた感じです。

野村:凄い! そっちまでいけるんだ。ちゃんと流行りものじゃなくて、王道を聞いてきてるっていうのが凄い好き!

松尾:今流行ってるものはサブスクとかで、すぐに何でも聴ける時代じゃないですか。逆にそういったものには僕は疎くて。当時の風だったり色を感じられるアナログな部分に味があるし、だからイヤホンとかじゃなくてそのまま直で聴くっていうのが好きなんです。

野村:音って、空気を通すと絶対にいい匂いがするんですよ。だからそれは凄く正しい聞き方だと思うし、若いのに凄いなって尊敬してます! もっと今どきの流行りのものばかりを聞いてるのかなとか思ってたんですけど、僕が若い時に聞いてたのと同じものを、今聞いてくれてるのが嬉しいです。

松尾:ありがとうございます。

松尾太陽

松尾太陽

野村:真面目ですね!

松尾:よくグループのメンバーにも言われます。誰かに紹介される時にはバカ真面目って言われる事も多いですし。

野村:自分的に真面目じゃない部分は持ち合わせていますか?

松尾:最近物事を正直に受け止めるばかりじゃなくていいんだなっていうことに気づきました。何事も鵜呑みにしないというか。

野村:真面目ですね!(笑)

松尾:結局そうなんですかね。(笑)

野村:ホントにこのまま行って欲しいなって思いますけど。そんなコロナ禍でもシングルはバンバンと発表していってまして、1月に出たやつ(「Magic」)とかは全部英語だったりするじゃないですか。どこかで僕、日本語出てくるのかなって思って待ってたんですけど。

松尾:2020年はどちらかというとシティポップという自分のルーツになったものをテーマに作らせていただいたっていうのがあったので、今回はアルバムやミニアルバムではやっていない楽曲にチャレンジしたいなっていう気持ちと、2021年は今まで踏み込んでこなかった部分にもチャレンジしたいっていう気持ちがありまして。

野村:うんうん!

松尾:じゃあ自分の挑戦したい曲とかジャンルってなんだろうって考えた時に、サブスクが主流の時代になっていることもあり、国内だけじゃなくて国外の人達にも少しでも届けられるようにしたいって思って、「Magic」という楽曲は全編英詩で挑戦したという形です。

野村:凄くカッコ良かったですよ! これ自分的にも自信ありじゃないですか?

松尾:ありがとうございます。そうですね、今回は時間もしっかりとかけて制作出来たので、結構自信もって胸張って出せるなとは思ってます。

野村:2月に出たやつ(「体温」)はちょっと大人っぽい感じに仕上がってたりして、挑戦し続けているって感じが凄く分かります。この月一のリリースはいつまで続くんですか?

松尾:3月まで出す予定で(「ハルの花」3月17日配信リリース)、そこからはライブも含めて、今自分がやりたいことを早いうちに形にして行けたら良いなと思ってます。

野村:それは全部叶えましょうよ!

松尾:この1年でできる限り、今自分の頭の中で思ってる目標だったりやりたいことや挑戦だったり、形にできるものはしっかりと形にしていきたいなと。

野村:早く普通の生活に戻りたいとか、今まで通りのライブがしたいとか、2020年は皆んながそんな事を言ってたけど、2021年はきっとこれが普通の生活なんだよね。だから、きっとここでやる気が出る人の勝ちっていうか、伸びていくんじゃないかと思ってます。豆苗みたいに!(笑)

松尾:はい、伸びて行きたいです!

野村義男

野村義男

野村:ちなみに、名前の太陽さんって本名なんですか?

松尾:はい、本名です。

野村:これで「たかし」さん? お父さんお母さんはおシャレですね!

松尾:そうなんですよ。絶対に学校の先生に読まれないし、なんでこんな名前にしたんだろう?とかって思う時もあったんですけど、今は素敵な名前だなって自分も思えるようになって。

野村:素敵! 僕なんて平々凡々な名前だから羨ましい。

松尾:本当に両親に感謝したい気持ちでいっぱいですね。

野村:最後に、超特急の方はどうなんでしょ?

松尾:超特急の方は6月にアリーナツアーが決定していまして、こういう状況ではありますが、もし順調に進めば有観客でやらせてもらう予定です。超特急としては1年以上直接皆さんと会ってのライブは出来ていないので、気を付けるのは前提ですけど少しづつでも進めていけたら良いなと思っています。

野村:そうだよね。じゃあファンの皆さんは、色んな情報を楽しみにしていただきたいなと。何か言い残してることとかありませんか? 実は次の豆苗育て始めてますとか。

松尾:ははは!(笑) 豆苗はもう大丈夫です。

野村:次に会う時はみょうがに挑戦!

松尾:僕はたまねぎの方で。

野村:本当に臭いからやめた方がいいよ。いやぁ、なんか本当に良いですね。真面目! だから何に関しても前向いてて素敵だし。初めましてだから余計にそう思うのかもしれないですけど。ライブが出来るようになったら、是非皆さんも会いに行っていただきたいですね。

松尾:はい、是非お願いします!

野村:そして、松尾さんにはもっともっと色んな良い音楽を作っていってもらいましょう。また遊びに来てください、今日はありがとうございました!

松尾:ありがとうございました!

撮影=大橋祐希

野村義男 / 松尾太陽

野村義男 / 松尾太陽