今井翼が主演を務めるミュージカル『ゴヤ-GOYA-』が、2021年4月8日(木)に東京・日生劇場にて開幕した。本作は、スペイン最大の画家フランシスコ・デ・ゴヤの波乱に満ちた人生を描く新作オリジナルミュージカル。原案・脚本・作詞をG2、演出を鈴木裕美、作曲・音楽監督をピアニストの清塚信也が務める。4月8日、初日公演の直前に日生劇場で囲み取材が行われた。

(左から)塩田康平、仙名彩世、山路和弘、キムラ緑子、今井翼、小西遼生、清水くるみ、天宮良

(左から)塩田康平、仙名彩世、山路和弘、キムラ緑子、今井翼、小西遼生、清水くるみ、天宮良

初日会見に姿を見せたのは、主演の今井翼をはじめ、小西遼生、清水くるみ、山路和弘、仙名彩世、塩田康平、天宮良、キムラ緑子ら8名のキャスト陣だ。

新作の稽古で苦労した点を聞かれたゴヤを演じる今井は「僕自身もこうしたミュージカルは久しぶりの経験です。作曲・音楽監督を務める清塚さんの音楽の中で生まれ育ったものが日々たくさんあったので、苦労というよりはむしろ、それらを咀嚼して変化を楽しみながらここまでやってきました」と語り、芸能界復帰後としては初の主演となる本作の稽古に手応えを感じているようだ。同じく4月8日に新橋演舞場で初日を迎える『滝沢歌舞伎ZERO 2021』について触れられると、今井は「ねえ。お互いそれぞれ一生懸命。一番はお客様のためにという想いでやっています」と短く、しかし熱い語り口で述べた。


ゴヤの親友・サパテール役の小西は、今井に「小西さんはすごくハイトーンで力強い歌を飛ばす方」と歌唱についてコメントされると、「何言ってんだよ〜」と照れくさそうに今井の腕を小突くなど、仲睦まじい様子がうかがえた。逆に今井の歌声について聞かれた小西は「ミュージカルの主演でバリトンヴォイスはかなり珍しい。とても男らしくて野性的で、それがゴヤにすごくマッチしている」と絶賛。それに対して今井は「化学反応を大事にしていきたい」と返した。さらに、製作発表会見時に「“コニツバ”と呼ばれるように頑張りたい」と話していた小西は、今井に首のマッサージ機をプレゼントしたらしく、そのお返しにどら焼きをもらったという微笑ましいエピソードも披露してくれた。


今井は、稽古中のカンパニーの雰囲気を「自然と和気あいあいとする感じ。気を遣わずにリラックスしてできる」と話し、共演のキムラとよく連絡を取っていることを明かした。料理好きな今井が作った煮玉子をおすそ分けしたことや、稽古中のマスクが苦しいというキムラへ、アスリート用のマスクをプレゼントしたエピソードなども飛び出した。


スペイン女王マリア・ルイサを演じるキムラは、自身の役を「スペインの王妃ですが、同じ王妃のマリーアントワネットをかわいくなくした感じ(笑)」と茶化したが、ラブシーンもあるそうだ。そのラブシーンに登場する若き宰相ゴドイを演じる塩田は「僕のポーズがいまいち決まらないときに、今井さんがパッと来て『こうすればいいんだよ』と教えてくださったことがありました」と、身振り手振りを交えて稽古中の出来事を振り返った。


公演中のルーティーンを問われた今井は「今日は初日でソワソワしたので、平常心を保つためにいつも通り掃除機をかけたり、帰ってすぐご飯を食べられるように晩御飯の準備を済ませたりしました。今夜はうなぎです。朝、自然薯(じねんじょ)もすってきました。しっかり体力をつけないと」と答え、その几帳面さに会場から感心の声が漏れる場面も。

囲み取材の最後は、今井から観客へのメッセージで締めくくられた。
「今回はオリジナルミュージカルということで、本当にたくさんの化学反応が起きました。とても明るく前向きな作品となっています。今、コロナ禍でストレスを抱えてしまう時代の中で、精神的喜びや楽しいという想いを持ってみなさんに楽しんでいただけるよう、毎日心を尽くしてやっていきたいと思っています。ぜひともよろしくお願いいたします」


上演時間は休憩含め約3時間10分の予定。4月29日(木・祝)まで東京・日生劇場にて上演した後、5月7日(金)〜5月9日(日)に名古屋・御園座で公演が続く。クリエイター、スタッフ、キャスト陣の熱意の込もった期待の新作ミュージカル『ゴヤ-GOYA-』。幕が開いてからの化学反応も楽しみにしたい。

取材・文・写真 = 松村蘭(らんねえ)