2021年8月27日(金)〜9月12日(日)KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオにて、KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『湊横濱荒狗挽歌〜新粧、三人吉三。』の上演が決定した。

2021年4月1日よりKAAT神奈川芸術劇場の新芸術監督に就任した長塚圭史が今年度より導入したシーズン制、一年目のテーマは「冒」。シーズンの幕開けを飾るのは、歌舞伎の人気演目『三人吉三』をモチーフに、湊町を舞台に繰り広げられるハードボイルド現代劇だ。

河竹黙阿弥による七五調のリズム感あふれる文体、悪事を重ねながら生きるアウトローの主人公、因果応報が生み出すドラマティックな展開といった歌舞伎の魅力が詰まった人気演目を、現代に置き換えた任侠版『三人吉三』として書き下ろすのは、野木萌葱。東京裁判、大逆事件、グリコ森永事件などの歴史や史実を題材にした脚本でこれまでも高い評価を受けている野木が、『三人吉三』の世界観をどう現代に蘇らせるのか注目だ。

演出は、蜷川幸雄演出の舞台で俳優としてデビューしたのち、2010年劇団温泉ドラゴンの立ち上げに参加し、脚本家・演出家として活躍の幅を広げているシライケイタ。2017年には読売演劇大賞杉村春子賞を受賞するなど、その手腕は高く評価されている。

そして歌舞伎版『三人吉三』で和尚吉三にあたる役を、舞台のみならず近年では映画やドラマでも圧倒的な存在感を示している玉城裕規、お嬢吉三にあたる役を、若手実力派として多方面での活躍を見せる岡本玲、お坊吉三にあたる役を、話題の映画やドラマに数多く出演してその個性が光る森優作が演じる。

彼らの親や取り巻く周囲の人々として、渡辺哲、山本亨、ラサール石井、村岡希美、大久保鷹、若杉宏二ら実力派俳優が出演し、ドラマを盛り上げる。

登場人物(役柄順)

時代は現代、どこかの湊町。親と子、それぞれの時代が描かれ、時には混ざり合っていく。

◇柄沢純(からさわじゅん)・・・歌舞伎版では和尚吉三=玉城裕規
◇柄沢正次(からさわまさつぐ)・・・純の父で悪い刑事=渡辺哲
◇新井淳史(あらいあつし)・・・正次の部下で悪い刑事=筑波竜一

◇弁才瞳(べんざいひとみ)・・・歌舞伎版ではお嬢吉三=岡本玲
◇弁才三郎(べんざいさぶろう)・・・瞳の父でキレ者ヤクザ=山本亨
◇奈良郷統介(ならごうとうすけ)・・・三郎の相棒ヤクザ=若杉宏二

◇矢部野晶(やべのあきら)・・・歌舞伎版ではお坊吉三=森優作
◇矢部野光男(やべのみつお)・・・不器用ヤクザ=ラサール石井
◇竹野克哉(たけのかつや)・・・光男の舎弟ヤクザ=伊藤公一

◇行山由香子(いくやまゆかこ)・・・光男の女房=村岡希美
◇人形師(にんぎょうし)・・・舞台となる古いホテル鯨楼の老支配人=大久保鷹
◇人形(ひとがた)・・・鯨楼の従業員=那須凜

■歌舞伎作品『三人吉三』(さんにんきちさ)とは
河竹黙阿弥作。『三人吉三廓初買(くるわのはつがい)』として1860年初演されたのち、『三人吉三巴白浪(ともえのしらなみ)』と題名を変え、人気狂言となり現在でも上演されている。和尚吉三、お坊吉三、お嬢吉三という三人が節分の夜に出会い、因果に巻き込まれていく物語。江戸の市井の人々の暮らしの中にあるドラマを描いた世話物(せわもの)を代表する演目のひとつ。盗まれた名刀庚申丸と百両をめぐって、次々と糸がからまるように3人を引き寄せていく。悪事を重ねながら生きるアウトローを主人公とした作品は「白浪物(しらなみもの)」と呼ばれ、昔も今も観るものの心をつかむ。