2021年5月13日(木)〜5月23日(日)こまばアゴラ劇場にて、演劇集団Ring-Bong第九回公演『みえないランドセル』が上演される。

演劇集団 Ring Bongは、文学座所属の俳優でもある山谷典子が台本を手掛ける演劇ユニット。これまで市川房枝、平塚らいてう、原阿佐緒という3人の新しい女たちを描いた『ふたたびの日は何色に咲く』、第五福竜丸事件を描いた『逢坂〜めぐりのめあて〜』など、日本が忘れてはならない歴史から現代日本を照射する舞台を作ってきた。

本作では作・山谷、演出・藤井ごうで「児童虐待」をテーマに、現在、3歳の子どもを育てている山谷だからこそ、虐待をしてしまう親の気持ちやその背景までに迫った血の通った舞台を創り出していく。

山谷典子プロフィール

舞台の戯曲を主に執筆。他、NHK ラジオドラマの作品も多数。自身が主催する演劇集団Ring-Bong での公演のほか、脚本依頼を受け、俳優座、東京芸術座、椿組、Pカンパニーなどに、脚本提供をしている。大きな時代の流れを、家族の視点から分かりやすく描くことに定評がある。学校を舞台とした教育問題に切り込んだものも多い。市民ミュージカルの執筆も多数。児童文学として処女作になる「弟とはじめて会った日」が第37回日産童話と絵本グランプリの佳作受賞。桜美林大学非常勤講師、都立総合芸術高校演劇科市民講師、日本劇作家協会協会員。

藤井ごうプロフィール

1974 年生まれ。演出家・劇作家。R-vive 主宰。
「人の心」に焦点をあてる繊細で緻密な側面を持ちながらも、奔放さと大胆さを兼ね備えた演出には定評があり、小劇場から新劇、ミュージカルとジャンルを選ばない。高瀬久男(文学座)に師事。燐光群「カムアウト2016←→1989」(坂手洋二作)・青年劇場「郡上の立百姓」(こばやしひろし作)・椿組+親八会「海ゆかば水浸く屍」(別役実作)の三作の演出で毎日芸術賞第19 回千田是也賞。メメントC「ダム」で文化庁芸術祭優秀賞など受賞。桜美林大学非常勤講師。最近作に青年劇場「子供の時間」(作:リリアン・ヘルマン)・エーシーオー沖縄「島口説」(作:謝名元慶福)・椿組「肩に隠るる小さき君は」(作・山谷典子)など。青年劇場「キネマの神様」(原作:原田マハ)・親八会朗読劇「父と暮せば」全国巡演中。

作者より

「ステイホーム」と言われ、子どもを公園で遊ばせることすら周りの目を気にしなければならない日々。同時に、「外遊びが減った子どもの体力低下が懸念される。」とネットニュース。どうすりゃええねん!!と空に向かって叫んだ春でした。在宅を余儀なくされ余裕をなくした親。不安定になった家庭内で、虐待が増加するのは当然のことかと思います。人も社会も余裕をなくしたとき、ひずみはやはり弱者へ向かうのでしょう。どの子どもからも屈託のない笑顔がみられるように…。物語を紡ぎます。

【あらすじ】
…私、いいお母さんになりたかった…
2021 年3 月。東京の住宅地にある小さなパン屋。パン屋の奥につながるアパートに住む高梨遥は、出産間近まで検診を受けずにコロナ禍の中で出産。シングルマザーの遥は、赤ん坊と二人きりの生活であり、自粛期間もあったとはいえ家に閉じこもったまま出てこない。心配した助産師の雪が、遥の家を訪問すると、10か月にもなる赤ん坊はうつぶせのまま動いていなかった。救急車を呼ぶ雪、パン屋の人々。事故か、虐待か…。赤ん坊の身体にはタバコが押し付けられた跡があった。遥の背景を探るうち、遥自身も幼少期にネグレクトを受けていたことが分かり…。