MINAMISと東京少年倶楽部。共にライブハウスLa.mamaという土壌でその才能を見出され活動を続ける2バンドが、来る5月21日にMINAMISが主催するLa.mamaでのイベント「CHABASHIRA FIGHT CLUB vol.18」にて共演を果たす。多くの共通点を持つこの両バンドのVocalである南雲と松本に、そのバンドスタートから見守ってきたLa.mamaの河野氏が深く切り込む対談が実現した。この5月21日に至る道、そしてこの日にイベントが行われる意味が浮き彫りとなった。

−−今日はよろしくお願いします。まず最初に、先月松本くんの弾き語りツアー東京編が終わりましたが、コロナだとどうしても、終わった後にあんまり時間がなく、多くは話せませんでしたが、どうでしたか?

松本:会ってこうやって話せることとか、今思っていることとかはライブに出るので、それを観てもらったうえで話せることが嬉しかったですね。それに、場の空気みたいなものはぜんぜん違うので、やっぱりやって良かったなというのは思いますし、楽しかったです。

南雲:俺も本当に、こうちゃん直々にオファーが来て。「弾き語りでやってもらいたいんですけど」って言ってくれたときに、たぶん弾き語りの僕のライブを観たことがない状態だったので、たぶんその期待も込めて呼んでくれてるなという感じがあったんです。俺も去年くらいから、また弾き語りでライブするのを始めて、ちょうど1年くらい経ったタイミングだったのもあって、なんかこういうのに呼んでもらえたというのが、一人のミュージシャンとしてというか、表現者として嬉しかったです。こうちゃんが呼んでくれたというものに対しての感謝とかいろいろあったんですけど、そういうのを超えてすごく楽しかったです。

−−弾き語りツアーを敢えてやったのは?

松本:弾き語りも、春に開催するっていう名目のタイトルで2箇所だったんですけど、あれをやって、ラ・ママで弾き語りももっとやりたいなという気持ちになりました。今まで、たぶん南雲さんもそうだと思うんですけど、バンドを始めてからは、バンドにこうバーっと行くじゃないですか。でもやっぱり、弾き語りの良さってあるじゃないですか。

南雲:あるある。それでしかできない曲があるし。

松本:だから、もっとやりたいなと思いました。

−−松本くん、そもそも南雲君を誘った経緯って?

松本:大阪と東京の2箇所、両方お世話になっているライブハウスで、僕たち東京少年倶楽部にも僕にとっても根強い場所でやりたくて。この状況のなかで、ミュージシャン側も苦しいですけど、ライブハウスも苦しいというのも知っているし、いろいろ情報とか話も聞いていて。まだまだ力はないんですけど、微力でも、気持ちだけでも渡せたらなというのがありまして。それをやるにあたって、その場所で僕とかメンバーがお世話になっている先輩、見させてもらっている先輩を呼びたいというので、大阪はやっぱり、心斎橋BRONZEで、そこで先輩であるテトラの上野羽有音さんを。で、La.mamaは、ここはもう南雲さんで。

 

まずゲネとかも知らなかったんで「ゲネって何?」っていうことも教えてもらって、それで観させてもらって

東京少年倶楽部×MINAMIS

東京少年倶楽部×MINAMIS

−−そもそも、これ話してることかもしれないですけど、二人が最初に会ったのって。

松本:CFC(MINAMISの企画名)の、鶴さんとの対バン(2017年10月05日(木)MINAMIS Presents『CHABASHIRA FIGHT CLUB vol.5』)のゲネですね。

南雲:ゲネやってるところに。

松本:バンドを組んでまだライブもやったことなかったんですよ、そのとき。

南雲:言ってた言ってた。まだライブやってないって。

松本:La.mamaに弾き語りで出させていただいた時に、メンバーがお客さんとして見に来ていて、その日に初めて河野さんにバンドを組む話をして、ゲネも知らなかった僕たちに「ゲネを観ていったら」と言ってくれて。その時のゲネで初めてMINAMISと出会いました。

−−なるほど。昨日その頃の、メールをみてまして。

南雲:こうちゃんのメール見たい!

松本:いやー、それ昨日、スタジオ終わってから河野さんからいきなり送られてきて。僕がLa.mamaに出るきっかけになった音源の話で。今聴いたら僕も、ちょっ……てなりました(笑)。

南雲:今もやってる?それ。

松本:やってます。「踏切」です。

南雲:「踏切」なんだ! すげえじゃん。

松本:初めて作った曲で、その1曲を持って。出れると思ってたんですよ、自信があって送ったら河野さんが・・・

−−いちばん最初に来たメールが2016年2月なんですが、「まだライブ慣れしていなくても送って大丈夫ですか?」って(笑)。もう送ってきてるじゃないかって。「それと関西に住んでるんですけど大丈夫ですか」って。ここはちゃんとしてますよね。

松本:でも、ライブはその1年後ですよね。

−−そうです。メールをもらったのは2016年2月なんですが、初ライブは2017年4月で。

松本:あれです、あの。マジでお金もなくて、東京に行ったことがないっていう。それでど田舎育ちなんで、めっちゃ怖い場所だと思っていて。でも東京に行きたいというので葛藤していたんです。あと、高校生だったんですけど、結果、高校4年生をやることになるんですけど。

南雲:え、高校4年生だったの。こうちゃん。

−−けっこうずっと黙ってたんですよ。

南雲:(初対面のとき)高4なの?

松本:高4です。

南雲:マジか、俺知らなかった!

松本:そのときに、河野さんが「1年後絶対に誘うから」って言ってもらって。で、俺は「ありがとうございます」って。今回はもう無理かもしれないと思って、電話を1回切って。覚えてます?

−−いや、覚えてない。

松本:急に電話がかかってきたんです。出たら、誰やろと思ったら「La.mamaの河野です」って言われて、「うわ、マジか!」と思って。それで、なんか。「1回来てみたら」って言われて。なのでそのとき、金がなかったので夜行バスで来ました。

南雲:突然来るんだよね、俺も河野さんとやりとりしてて、もう何回もこの話してるんだけど、就活中だからしばらくライブ出られませんって言ってあったのね。そしたらなんか変なタイミングで電話がかかってきて。その時ってさ、企業からかかってくる電話ばっかりだから、また何か、次の面接のあれかなと思って電話に出たら「南雲君さ、ライブやらない?」って言われて(笑)。あれ、この前言わなかったっけ、俺?って今できねえって。その日にイベントあるからライブ出ませんかってきて。突然現れるタイプ。

−−そのやり取りとかも、全部見て。予定があるから、すげえ断るんですよ南雲くんが。これはめんどくさいなと思って、どんどん俺ライブを入れるという。

南雲:で、気がついたら出てるっていう(笑)。

松本:河野さん、タイミングがすごいなと思って。

南雲:そう、絶妙なんだよね。

松本:転換期っていうかそういうときに、音楽をやる方向に持っていくというか。でも、そこで僕らも、心がやりたいっていう方向に行っているから、そうなっているっていうのもあるんですけど。

 

いつライブしようか、できるだけ早く観たい。ライブを」って言われて。じゃあ……って。ぜんぜん音源審査ないじゃんって思って(笑)

南雲健太 - MINAMIS

南雲健太 - MINAMIS

−−ちなみに、南雲君から初めて電話がきたのは2013年の2月なんですけど、2人って色々とすごく似ているんですよ。だからこそ今回この対談なんですけどね。デモテープを南雲君は直接持ってきてくれて、そのときのことって覚えてますか?

南雲:もちろん。事務所に行ったら河野さんがいて、オーディションっていうことで、ライブに出たいんでこの音源聴いてくださいって音源渡したんです。音源審査が俺の目の前で始まると思ったんですよ。俺の目の前で聴いて、良いか悪いか判断されてライブ(の出演)が決まるんだなと思ってて。それで、パソコンに音源をバッと入れて、ちょっと音源を読み込んでますっていうところで、「じゃあライブいつやろうか」って言われて。「いや、まだ聴いてないじゃん!?」と思って(笑)。音源聴いてないけどライブの日程決まったって。

松本:それ、河野さん的にはどういう。

−−結局ライブを見ないとわからないんですよね(笑)。

南雲:(笑)。音源もいちおう流れてるんだけど、ぜんぜん俺と話してるから、絶対に入って来てないの。BGMみたいな感じになってて。その状況で「いつライブしようか、できるだけ早く観たい。ライブを」って言われて。じゃあ……って。ぜんぜん音源審査ないじゃんって思って(笑)。

松本:これは、今読んでくれてる人たちも、音源は関係ないっていう。

南雲:そう。ライブを早く観てもらったほうがいい。

−−それもひとつあるんだけど、松本くんのメールで、曲とか演奏はイマイチなんだけど、踏切の写真ありますよね。あの写真がすごく良くて。

南雲:ジャケットもうついてたんだ。

松本:紙で。音源に貼り付けてたんです。自分でパーって撮りに行った写真。

−−それがすごく良くて。音は聴かないんだけど、空想の筆跡とか「すいません」って来た最初の(メールの)印象とかでわかる。

南雲:怖ええ。

−−南雲君はMINAMISの前に、南雲ケンタでバンドをやってて。 はむざ(MINAMISのBa.)と佑太(Dr.)は一緒なんだけど、その初ライブは覚えてますか? 2014年で4月10日。

南雲:スーパー空回りした日だった。やっぱ、弾き語りをずっとやってきてたせいもあったのかもしれませんね。ただ弾き語りをやっていたのも、バンドをやりたくて弾き語りをやってた部分もあるから。とにかくバンドでLa.mamaに出たい。音出したいっていうので。なんかスタジオ練習から、めちゃめちゃテンション高くて。やっとLa.mamaでできるねって言って。いざステージに立ったら頭が真っ白になっちゃって。あれ!?みたいな感じになっちゃって(笑)。ぜんぜん思い描いたイメージ通りに運べなかったんですよね。俺も張り切っちゃってて自信があったから、俺バンドでやるから観に来てくれって言ってめっちゃお客さん呼んだけど、みんな多分、「なんだこのライブは」っていう感じのライブをしてしまった。で、俺はやっぱりすごい落ち込んでて、ほかのメンバーはたぶんバンドでライブをやりなれてるし、La.mamaでやったことない人だから「まあ、こんなもんだろう」っていう気持ちでたぶんいたと思うんだけど、そこで河野さんがまた言ってくれるわけですよ。「高校の文化祭だな」って。メンバーでもないのに(笑)。ということで、燃えたのが今の篠原(Dr.の佑太)だったりするわけで。

松本:ああー。なるほど。

南雲:っていう、バンドをやるきっかけにもなった日でもありますよね。あのときはひどかったなあ、俺。

松本:高坂さんだけ後ですか?

南雲:あいつは後だね。別の人に弾いてもらって。

−−高坂が入って初ライブが2016年3月。

南雲:そうそう。そこでもね、高坂が言われるわけ。見た目を。

松本:見た目を(笑)。どんな感じだったんですか?

−−土方の帰りみたいな。

南雲:タオルとかを首に巻いてて、ずっと。

松本:それは……そうですか(笑)。

南雲:ぜんぜん音楽的なところまでいかなかった。まず見た目を言われたのを覚えてます。それが、現体制での初ライブ。

 

二人から見たバンドメンバーをあんまり長くならないくらいで、どんな人なのか聞きたいんですよ。

東京少年倶楽部×MINAMIS

東京少年倶楽部×MINAMIS

−−なんかね、大きめの節とか流れが面白いくらい似てるんですよね。それで、東京少年倶楽部のギターのgyaryが入ったのが最近ですよね。2020年の1月。

松本:1月です。はい。

−−聞いてみたかったことなんですけど、二人から見たバンドメンバーをあんまり長くならないくらいで、どんな人なのか聞きたいんですよ。

松本:ベースの(三好)空彌はとにかくぶっ飛んでますね。イメージで言うと、歴代のロッカーの映画みたいだと思ってもらったら大丈夫です。古俣(駿斗・Dr.)はかなり頭もいいし、考えているし、縁の下の力持ちじゃないですけど、ずっと支えてくれているメンバーです。年も最年長でお兄ちゃん的な人で。gyaryは、考えてはいるんですけど、めちゃめちゃパッパラパーというか。元気で、大人ですね。

南雲:パッパラパーの大人って(笑)。

松本:gyaryは、楽しみながら演じてる感がありますね。演じてるというか、誰とでも仲良くなれるっていう才能の持ち主です。友達の数が尋常じゃないんで。すごい出てきます。いろんな職種の人とか。

南雲健太 - MINAMIS

南雲健太 - MINAMIS

−−南雲くんはどうですか、MINAMISメンバーは。

南雲:古俣とねえ、佑太はちょっと似てるかもしれないなと思って。佑太は、結構、頭で考えるタイプというか。ちゃんと理解をしないと、行動に移せないタイプなのかな。だからけっこうバンドのこととか、俺の書いた曲とかも、論理的にっていうか、ここが良いよねっていうのを可視化できる人だし。逆にはむざとかは、わりともう、何も考えてないって言ったらあれだけど……まあ、その。(一瞬の沈黙に一同笑い)

松本:でも、俺、はむざさん楽しいですよ一緒に居て。

南雲:それがgyaryちゃんっぽくて。けっこう誰とでも仲良くなれるし。一番最初に対バンしたときに話しやすいのはたぶんはむざだと思うから、そういう武器はあるよね。

松本:俺、初対面のときから友達のようでした。

南雲:でしょ?見た目もポップな人だから、そういう感じですね。高坂はなんて言えばいいんだろう。何も考えてないのかな?って思うときほどめっちゃ考えてるっていう。なんかね、いまだにわからないんだけど、たぶんもしかしたら誰よりも頭を回しているのかもしれないって。いろんなところに気配りができるのは高坂っていう。

−−一対一だとけっこう内容の濃い話をしますよ。ギターの話とかできると思う。

松本:なるほど、普段はみんながいるからこう。あんま喋らないっていう。

南雲:そうそうそうそう。

−−空彌とはむざは似てるもんね。

南雲:似てる。

松本:あと、gyary。

南雲:空彌には失礼かもしれないけど(笑)。

東京少年倶楽部×MINAMIS

東京少年倶楽部×MINAMIS

−−面白いね。本当に似てますね。

南雲:似てるよね、俺とこうちゃんも似てるんですかね?

松本:どうなんですかね。

−−まあダントツで変だよね(笑)。

南雲:圧倒的に変だよ(笑)。

−−この前、二人で話していたのは。松本くんが話す空彌の話が面白いってなりました。

南雲:そうそう(笑)。

松本:空彌は、この自粛期間で、お店行けないじゃないですか。今、東京少年倶楽部の流行りは空彌の家のベランダでの飲みなんですよ。ベランダに、コンビニで半ダースとかビール買って。最初は1.5ダースくらい買って持って行ってたんですけど。それをバーンって置いて。空を見ながら何でもない話をずっとしてるんで。

南雲:メンバーで飲むと酔っ払っちゃうんでしょ?

松本:そうです。

南雲:それが結構面白いんだよね。

松本:そうですね。

南雲:たまに、なにかが起きるんだよね。

松本:そうです。僕らはどこのライブハウスに行っても、マジで仲いいよねって言われるんですよ。こんな仲いいバンド見たことないってくらいに。スタジオ、ライブやって車とかでバーっと回ったりして。あんまり一緒にいたくないとか、ここでずっと長いこといるから、プライベートは……とかあるじゃないですか。僕ら、終わったらそのままこう、飲みに行ったりとか遊びに行ったりするんで。週7とかぜんぜん行ける感じ。この間も昼の1時から空彌の家のベランダで飲んで、気付いたら夜中の2時半とかでした。それまでずっとしょうもない話をしてるんですよ、もう。「ああ、太陽が出てきたなあ」とか言って。

南雲:いいね、いいね。

−−そのへんは少しMINAMISは違いますね。仲いいけど、過ごし方が違う。

南雲:違いますね。

松本:一人ひとりのプライベートの充実度を大事にしてそうですよね。MINAMISは。

南雲:あれじゃないですか。拠点がみんな違うから。都内のバンドだけど、住んでるところがみんな離れてるから。

−−ライブ当日も違いますね。

南雲:違いますね。みんな散っちゃうんで。

−−ドラゴンボールみたいに(笑)。

南雲:また拾いに行かないと(笑)。

 

自分が思うことしか絶対にやらない。出たくないものは出ないし、やりたくないことはやらない。じゃなかったら音楽をやってる意味がないので。

東京少年倶楽部×MINAMIS

東京少年倶楽部×MINAMIS

−−じゃあ、バンド編をひとまず終了して。質問編です。二人から事前にお互いに聞きたいことを教えてもらっていて。南雲君からこうくんへ聞きたいこと。今いちばん欲しいもの(物でも能力でも可)は何ですか。

松本:いちばん欲しいものですか……。無いっすね。でも、え、無いなあ。うん。

−−確信とかほしいんじゃないの?

松本:それでいったら、時間がほしいです。僕。確信とかをつけられるくらいの時間がほしいです。

南雲:あんまりなさそうだなって思ったんですよ。だから、なにかこの人は欲しているものが果たしてあるのかなっていうのがちょっと気になって。

−−なさそうっていうのは、欲してなさそう。手に入れてそう?

南雲:手に入れているというよりかは、興味がなさそうというか。音楽やれてるからいいじゃんくらいの。

−−はいはい。読み解けてる。時間がほしい。時間がないなって感じてるんですか?

松本:時間がないなっていうよりも、ちゃんと自分が有効に使える時間が。音楽とかだけじゃなくて、何かを考えたりとかする時間があれば、もっと音楽とかなにかいろいろなことについてやれるなっていうふうに。それで時間が浮かびましたね。

−−あとは、松本くんからの質問で。一行なのに支離滅裂なんだよな。

南雲:あははは(笑)。

−−音楽(曲作り)、ライブ、その他SNSなどの音楽のことで動くとき。

松本:インタビューとか、ラジオとか雑誌とか、テレビとかあるじゃないですか。

−−その活動で、いちばん大切にしていることは何ですか?っていう質問。

南雲:最近は、なるべくどこでやっても、音楽じゃないときでも俺らしくやるっていうのがけっこう大事になってきてます。ステージに上がるときと上がっていないときの差も、最近は俺はないほうが楽しいというか。そっちのほうが向いてるなと思うから、なるべく音楽やってるときとやっていないときのギャップをなくしたいなっていうのはあるかもしれないですね。「そうじゃないだろ」って思った時期もあったし。ホント、歌ってるときだけカッコよければいいんだ、よく見えていればいいっていうくらいの気持ちではあったんですよ。でもこのご時世になってくると、常に楽しい自分でいたいなって思ってきてるのかな。そこはけっこう、気をつけているというか無意識にこうなっていますね。

松本:深いですね。

松本幸太朗 - 東京少年倶楽部

松本幸太朗 - 東京少年倶楽部

−−でも、自分が音楽活動で大切にしていること、ある?

松本:今はそれでいうと、いちばん大切なのはメンバーと今、自分たちが刻んでる活動の足跡じゃないですけど。1個1個の記録とか、楽しむこと。あと、メンバーとかにも楽しんでもらいたいですね。後、いちばん大事にしてるところは、事務所とか入ってるじゃないですか。でも、絶対に抵抗することを大事にします。自分が自由に。自分が思うことしか絶対にやらない。出たくないものは出ないし、やりたくないことはやらない。じゃなかったら音楽をやってる意味がないので。僕は。そうですね、曲を書いて、そこで思ったことを歌っていて。それで自分が思ってもないことをやっていたら、しっくりこないので。やりたいことだけやる。あと、自分に関わってくれてる人間みんな楽しいと思ってくれたりとか、なにかそこから自分なりのものを見出して、全員がこの、羽根が生えるような時間になればいいなというのを僕は思います。

−−僕から見てて、二人の共通しているなと思うのは、自分の周りの人たちに対しての思いとか考え方が似てるなと思います。

南雲:大事にしたいですよ。

−−なんか両者とも、動き方が似てて。東京少年倶楽部は3月17日に「ばいばい」が出ましたよね?それで、MINAMISは3月24日に「GOOD LUCK」がリリースしたじゃないですか。楽曲の印象、どうでしたか?

松本:僕はでも、MINAMISは安定してるなと思います。いい意味でも悪い意味でも安定しているなと思います。技術も高いですし。曲もいいし、めっちゃバーンっていきなりの変わる感じとかも。いい意味でも悪い意味でもって言ったんですけど、たぶん南雲さんのさっき言った「俺らしくいたい」っていう心情がちゃんと出てるから、そう思ったので。美学じゃないんですけど、僕はそれが欲しいです。僕も言ってみたいです「俺は俺でいたい」とか。

南雲:あははは(笑)。こうちゃんでもずっとこんな感じじゃない?

松本:そうですね、普段はこんな感じですけど。いま作りたいものとか思っていることとかをこう、音楽に昇華しちゃうんでめっちゃ振り幅が曲に出ちゃうんですよ。でもMINAMISは、いい意味でいつもMINAMISなんだなと思います。変わらずにいれて、守っているものも。そこの強度を高めながらやってきているなというところが。変わらずに強度が高いって強いじゃないですか。それを感じましたね。

南雲:こうちゃん最初に見てくれたから。でもやっぱりそのときに比べると、結構変わってきてると思う、音楽性とか。

松本:ちょっと質問いいですか?英詞になったときが、僕的にMINAMISがバン!って変わった瞬間だと思ってて。傍から見ててですよ。あれはどういう。

南雲:ぜんぜん俺もこれからは英詞だ!って気持ちで書いたわけじゃなくて。なんかこう、デモとかだと、歌を入れるときとか、日本語にならないときない?

松本:僕は詞先なんでわかんないんですよね。

南雲:俺、流れ的に何語かわからないけど、最初は日本語じゃない言葉でデモに作って。そのときに、これは日本語じゃないほうがたぶんハマるんだなと思って。自然な流れで、これは英語で書いたほうが面白そうだなというふうになっていったから。それが今も続いているんだけど。だから、最初から見てくれてる人にとってはだいぶ変わってる。でも、たぶん、こうちゃんがその後の楽曲を聴いても変わってない部分があるって言うのは、俺はけっこう嬉しいというか。守られてる部分もちゃんとあるというか。守っているわけじゃないんだけど、どうやっても俺らしくなる部分って残るんだなって。

−−僕も付き合い長いですけど、MINAMISのお客さんをずっと見てきて、変わってないですよね。最初から観に来てくれてる人は、全然今とは違うときから観に来てくれてる人だから。結局やっぱそのバンドらしさっていうのは伝わってる。ちなみに英詞の選択肢とかはある?東京少年倶楽部で。

松本:絶対とは言い切れないですけど、今のところはないです。なんか、「好き」とかだったら、そういうのを今、比喩にすごくするじゃないですかみんなも。僕もすごいするんですけど。でも、比喩の曲を僕らはいっぱい作ったんですけど、ああいう愛してるとか好きとかそういう感じのやつはストレートに言ったほうがいいんじゃないかなっていう。そういう年頃なんじゃないですかね。

南雲:俺も、逆になんか、書きたいこともあるんだけど、なんか、洗練されてきたというか。今回の「ばいばい」を聴いて。

−−そこは、なんて言うのか。磨かれていく光具合が似てるんですよ。

南雲:けっこう俺は、いちばん好きかもしれない。

−−音楽的に濃さっていうのは前よりは出てきていると思います。

南雲:俺はやっぱ、こうちゃんの歌い方。歌いまわし?は最初のときから変わってないから、この人のやっぱ、印がついているというか。松本幸太朗っていう名前がついているような、ボーカルだなと聴いてて思っているし。なんかすげえ。

松本:次の新曲とか、南雲さんに聴いて欲しいです。たぶん笑うと思います。

南雲:本当?

松本:かなりこう。今やっと、楽しくなってきました。しんどかったんですよね。曲作るのが。

南雲:楽しくなると、新しいことができるようになったりするよね。

松本:今はすごい、羽根を伸ばしてやれてるイメージです。

南雲:聴きたいな。

−−2バンドとも、1曲1曲マジで違うから。違うんだけど、バンドっぽさとかその人らしさはどんどん出ていくから。そこの真ん中になってるのかな。「ばいばい」も「GOOD LUCK」も、そういう感じも似てる。

南雲:タイトルからして「ばいばい」と「GOOD LUCK」でけっこうその(笑)。

 

そのイベントに思い入れってあるじゃないですか。MINAMISにとって思い入れ強いイベントですよね。

東京少年倶楽部×MINAMIS

東京少年倶楽部×MINAMIS

−−では、終盤ですけど。時間軸を通り越してね、2021年どういう年にしたいですか?来年でもいいですけど。どうしたいとか。

松本:MINAMISはやってますけど、僕たちは、ツアーを結局できなかったんですよ。大阪、名古屋の2本があって。1回もツアーをやったことがないし。ワンマンもLa.mamaでやる予定が、お客さんを入れてはできなかったし。ワンマンもツアーもやったことがなくて。ライブをけっこう大事にしているのに、2021年はそれができたらなって。まずは。

−−ワンマンも無観客になりましたね。

松本:1回もそれを経験していないので。ツアーとか行きたいですし。岡山にこの前ライブに行ったんですけど。岡山で東京少年倶楽部を聴いてくれてる人がけっこうバッと来てくれて。そのときに、けっこうツアーチケット買いましたとか、サインくださいとか。その時に自分らが思っているよりも、いろんな県に少しでも聴いてくれている人がもういるんだと思って、僕らまだまだ。自分たちで天井をなんか決めちゃってるじゃないですけど、そう思って。なのでそういう人達がいるんだと知ったからには、なおさらツアーに行きたいなというのを。

南雲:俺も行きたいな、ツアー、今年。

松本:今年は行きたいですね。

−−前からちょっと出てる、一緒にツアーどこかでやれたらいいですよね。

南雲:どこかで会えたらいいよね。

松本:リリースのタイミングとかが合うときがあったら。

−−リリースのタイミングも合いまくってるんですけどね、今(笑)。

南雲:(笑)。対バン、いろんなところでやってもらおう。

−−さっきのツアーの話なんですが、MINAMISも去年の12月にワンマンやって、コロナ禍だから来れない人がいる。で、払い戻し受付をして、払い戻しを郵送で受け付けてたんだけど、送り先がLa.mamaで1枚1枚にみんな手紙を書いてくれてて、東北とか、本当に各地方から。比較的いろんな事情があるから、若い子が多かったですかね。えっ!?っていう人とかもたくさんいて。さっきの岡山の話もすごいわかります。

松本:今年はそういう年に。本当に行きたいです。

南雲:本当に同じ感じになっちゃうんですけど、1個でも多くライブしたいなと。いいか悪いかは別として、ライブやってるときが本当に楽しいっていうのを改めて感じてて。今までも楽しかったはずなんだけど、今年になってからというか。やっぱりこの1、2年ですげえやっぱ面白くなってきて。ライブの面白さみたいなものを感じる瞬間が増えてきて。その状態でたぶんいろんな街とかでライブをしていけたら、観てくれた人もいい日だったなと思えるだろうから。自分の状態が、ライブ面白いなっていう気持ちがあふれているので、1個でもやりたいなというところかな。都内でも地方でもどこでもいいので。

東京少年倶楽部×MINAMIS

東京少年倶楽部×MINAMIS

−−ライブハウスでインタビューしていて「ライブやりたい」っていいですね。いい着地点。これ最後です。ありきたりですけど、5月21日に「CHABASHIRA FIGHT CLUB vol.18」で対バンということで。もともと1月にやる予定だったけど、5月に延期して。実際に2マンは初めて。

二人:初めてです。

松本:それこそ僕らが初めてMINAMISのゲネっていうのを見たのも「CFC」ですし。やっぱ「CFC」はなんか、なんていうんですかね。あの、僕ら的には出られるのはひとつの喜びじゃないですけど。

南雲:嬉しいなあ、そんなふうに言ってくれるのは。

松本:当たり前ですけど、大切なのは来てくれる人だし、そこに向けてやるんですけど、そのイベントに思い入れってあるじゃないですか。MINAMISにとって思い入れ強いイベントですよね。なので「CFC」は東京少年倶楽部にとってもそう思います。

−−これ、誰にも言ってないんだけど。今年の5月にLa.mamaが周年で39周年になるんだけど。5月10日に。5月21日というのは、ジュン・スカイ・ウォーカーズのデビュー日で。

二人:ウソ!?

−−あと、イエローモンキーのデビューの日も5月21日で。La.mamaにとって521はメモリアルな日なんです。5月とか5月21日はLa.mamaのなかでも特別な日と歴代されてきていて。なんかこう、重要な予定が入ることも過去にあったわけですよ。なんだけど、真っ先にこの日に、この2バンドをやらせたいなと思って、実は521にしたんですよ。

南雲:そういう理由だったんだ。

−−たまたま空いてたとかそういうことではなくて。ずっとLa.mamaでやってきた人たちだからこそ、この日にやりたいし、大きくなってほしいなという意味も込めて、この日にしました。どういう日にしたいですか。

松本:いや、もう。ちゃんと、ぶつかっていこうと思います。

南雲:おお!(笑)。

松本:ちゃんとこう、やっぱり、先輩にですけど、勝ちにいこうと思います。じゃないと、やっぱ張り合いがでないというか。こう、燃えないじゃないですか。

南雲:いや、燃えてますよすでに。最初にあった時も、河野さんが、今日、面白いやつが来るからって言ってたんですよ。河野さんがそういうふうに言うってことは、すげえ力のあるアーティストなんだろうなって思ってたし。結局、やっぱ、今もどんどん東京少年倶楽部って俺の中ですげえバンドっていうふうになってきているから。うん、なんか、何ていうんだろう。もうすでに、俺らが燃えなきゃいけないっていう気持ちはずっと前からあるし。それは燃えるっしょっていう感じなんで。まあだけど、楽しくやりたいな(笑)。

−−バチバチみたいなね。

南雲:あんまり今そういうのないじゃん。すげえ言い方悪いけど、バチバチっていう表現がはまらないイベント多いじゃん。

松本:たしかに多いですね。

南雲:だから、すげえ、こういう日があって嬉しいなと本当に。リスペクトのなかのバチバチっていうのは意外とあるようでなかったりするから。俺らの活動のなかでも。たとえば、俺達の好きなバンドたちってもっとバチバチやってたんじゃないかなっていうところに魅力というかロマンを感じるのでそうなれたらいいな。

松本:ぜひ、お願いします。

−−がんばりましょう。

南雲:ありがとうございまーす。

松本:ありがとうございました。

 

 

インタビュアー=河野太輔 Photo by ハギワラヒカル