TK from 凛として時雨が、5月19日に『TK from 凛として時雨 TOUR 2021“yesworld”』ファイナル・東京公演を中野サンプラザホールで開催した。本記事では、同公演のオフィシャルレポートをお届けする。

5月19日、TK from 凛として時雨が『TK from 凛として時雨 TOUR 2021“yesworld”』のファイナルとなる東京公演を中野サンプラザホールで開催した。昨年のツアーが新型コロナウィルス感染症の影響で中止となり、ひさびさとなる今回のツアーは4月にリリースされた新作『yesworld』のリリースに伴うもの。この日はホール公演らしいスケール感のあるステージによって、集まった大勢のオーディエンスを魅了した。

『TK from 凛として時雨 TOUR 2021“yesworld”』中野サンプラザホール公演

『TK from 凛として時雨 TOUR 2021“yesworld”』中野サンプラザホール公演

『TK from 凛として時雨 TOUR 2021“yesworld”』中野サンプラザホール公演

『TK from 凛として時雨 TOUR 2021“yesworld”』中野サンプラザホール公演

サポートメンバーのBOBO(ドラム)、吉田一郎不可触世界(ベース)、片木希依(ピアノ/jizue)、佐藤帆乃佳(ヴァイオリン)に続いて、最後にTKがステージに姿を現し、ライブは「unravel」からスタート。ステージ後方に設置された大型スクリーンに映し出される映像と、派手なライティングによる演出の効果も相まって、いきなりクライマックスを迎えたかのようなオープニングから、序盤は「kaleide scope」や「Crazy Tampern」といったアッパーな曲を続け、緩急自在のアンサンブルを場内に響かせる。

『TK from 凛として時雨 TOUR 2021“yesworld”』中野サンプラザホール公演

『TK from 凛として時雨 TOUR 2021“yesworld”』中野サンプラザホール公演

『TK from 凛として時雨 TOUR 2021“yesworld”』中野サンプラザホール公演

『TK from 凛として時雨 TOUR 2021“yesworld”』中野サンプラザホール公演

「この会場はものすごく好きな会場で、きっと素晴らしい音に包みこまれていると想像しながら、最後まで楽しみたいと思います」というMCに続いて、中盤では昨年リリースされたアルバム『彩脳』からの楽曲を披露。ちゃんMARI(ゲスの極み乙女。)とのコラボレーションによる切なくも温かいメロディーが、TKの新たな魅力を感じさせる「インフィクション」の一方、「彩脳 -TK Side-」や「凡脳」はTKらしい切迫感を伴う曲展開に引き込まれ、美しさと狂気を内包するヴァイオリンが曲のドラマ性をさらに高めて行く。

『TK from 凛として時雨 TOUR 2021“yesworld”』中野サンプラザホール公演

『TK from 凛として時雨 TOUR 2021“yesworld”』中野サンプラザホール公演

『TK from 凛として時雨 TOUR 2021“yesworld”』中野サンプラザホール公演

『TK from 凛として時雨 TOUR 2021“yesworld”』中野サンプラザホール公演

そして、この日最初のハイライトとなったのが、又吉直樹が作詞の監修で参加した「copy light」。ピアノ、ヴァイオリン、ベース、ドラムがTKに寄り添うように徐々に加わっていく展開も印象的だが、この曲は何よりTKの痛切な歌の表情が素晴らしい。また、スケール感のある曲調がホールとの相性の良さを感じさせ、TKの言葉通りの「音に包みこまれている」ような感覚が大きな感動を呼んだ。ラストはピアノの性急なリフレインがヒプノティックな快感を誘う「Shandy」を演奏し、本編を締め括った。

『TK from 凛として時雨 TOUR 2021“yesworld”』中野サンプラザホール公演

『TK from 凛として時雨 TOUR 2021“yesworld”』中野サンプラザホール公演

アンコールでは「毎回寿命が縮まる思いでライブをやらせていただいています。みなさんが一瞬でも今日来てよかったと思ってくれることを願いながら、もう少々お付き合いいただいてもいいでしょうか?」と呼びかけて、最新曲「yesworld」を披露。歌詞とカレイドスコープのような模様をフィーチャーしたサイケな映像とともに演奏されたこの曲は、自分の力だけではどうにもならない現実に対して、絶望の中から光を見出そうとする一曲。それは混迷を極める現代に対してのメッセージのようでもあり、TKのライブに対する真摯なスタンスをそのまま表しているかのようで、新たな代表曲の誕生を感じさせた。

文=金子厚武 写真=岡田貴之