2022年1月〜2月にかけて、東京・日生劇場、大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演されるミュージカル『INTO THE WOODS』の出演キャストが発表となった。

タイトルの通り‟森”を舞台に、『赤ずきん』『シンデレラ』『ジャックと豆の木』『塔の上のラプンツェル』、誰もが知る童話の登場人物たちが同時に存在する世界で、それぞれの有名なおとぎ話をなぞりながら、物語が交錯していく本作。

長年子供を授からないパン屋の夫婦は、その理由が魔女の呪いのせいだと知り、呪いを解くために必要な、おとぎ話の主人公たちが持つ4つのアイテム、‟ミルクのように白い牝牛“(ジャックと豆の木)、”血のように赤い頭巾”(赤ずきん)、”トウモロコシのように黄色い髪“(塔の上のラプンツェル)、”黄金に輝く靴”(シンデレラ)を持ち帰るよう、魔女から告げられる。2人は子どもを授かりたい一心で、森の奥深くへ足を踏み入れるが――。

望みを叶えるために、困難に立ち向かいながら進んでいく物語の根底には、誰もが知る“おとぎ話”からはかけ離れた、人間の本質を炙り出すような深淵なテーマが様々な角度から描かれる。

原作は、スティーヴン・ソンドハイムが作曲・作詞を手掛け、ジェームズ・ラパイン脚本による1987年初演の同名ブロードウェイミュージカルで、88年のトニー賞では、ミュージカル脚本賞、オリジナル楽曲賞、ミュージカル主演女優賞の3部門を受賞。2002年にはリバイバル作品賞を受賞するなど輝かしい受賞歴を誇り、これまでに世界各国で上演され続けている。日本でも、これまでに複数の演出家によって舞台化。2014年には、巨匠ロブ・マーシャルが監督を務め、ディズニーにより実写映画化され(日本公開2015年)、アカデミー賞やゴールデングローブ賞に複数ノミネート。魔女を演じたメリル・ストリープや、「赤ずきん」の狼を演じたジョニー・デップ等の怪演も話題になった。

今回演出を務めるのは、クラシック音楽やオペラにも造詣が深い熊林弘高。翻訳・訳詞を務める早船歌江子、音楽監督・指揮の小林恵子と共に、難解なソンドハイムメロディの音符一つ一つからも、作品に隠されたテーマを読み解き、物語を丁寧に創り出していく。

本作に出演する注目のキャスト(※物語50音順)は、「赤ずきん」より赤ずきん役を、舞台でキャリアをスタートさせ確かな演技力の羽野晶紀。「シンデレラ」のシンデレラ役を、ドラマ「コントが始まる」など映像を中心に話題作での演技が記憶に新しい古川琴音がミュージカル初挑戦、継母を、元宝塚歌劇団娘役で独特の存在感を放つ毬谷友子、義理の姉の一人を、元宝塚歌劇星組トップで舞台を中心に幅広い活躍を続ける湖月わたる、もう一人の義理の姉を、同じく元宝塚歌劇雪組トップで、ストレートプレイでの演技が印象深い朝海ひかる、王子役を、華やかな存在感に歌唱力を兼ね備える廣瀬友祐、執事役を、数多くの舞台に出演する大ベテランの花王おさむが務める。

「ジャックと豆の木」のジャック役を、テレビドラマ、映画、舞台と様々なフィールドでの好演が印象深い福士誠治、母親役に、その演技力で長年にわたり舞台、映像で幅広い役柄を演じるあめくみちこ。「塔の上のラプンツェル」からラプンツェル役は、オペラ界の実力派新星鈴木玲奈。そして、ナレーター・謎の男を、多くの舞台で重要な役どころを演じる福井貴一、パン屋の夫を、黒猫チェルシーのボーカルとしてデビューし、俳優としても映像で大活躍の渡辺大知、その妻を、主演映画で海外映画祭の最優秀女優賞を受賞した瀧内公美がミュージカル初出演、魔女役を、今年宝塚歌劇団を退団した元雪組トップで、抜群の歌唱力を誇る望海風斗が退団後初ミュージカル、巨人を、様々な役を巧みに演じ分ける高い演技力の麻実れいが声の出演を務める。

舞台のみならず、音楽や映像等それぞれのフィールドでも活躍する豪華キャストが集結する本作。令和初となる新演出版ミュージカル『INTO THE WOODS』に期待しよう。

演出:熊林弘高コメント

キーワードは夢です。夢というものはおとぎ話や神話と非常に似通っていると、精神科医・心理学者のユングは言いました。登場人物たちにとって、森は夢であり、無意識であり、心の影です。それを乗り越えることで、人は成長していきます。アンドレイ・タルコフスキーの映画に、家の中で雨が降っているシーンがしばしば出てきますが、あの雨のように、このミュージカルの森には、あらゆるものを侵食していくイメージがあります。そして、最後にひと言。普通のミュージカルではありません!