2021年10月1日(金)〜13日(水)新国立劇場 オペラパレスにて、新国立劇場 2021/2022 シーズンオペラ G.ロッシーニ『チェネレントラ』が上演されることがわかった。

2021/2022 シーズン開幕に、ベルカント・オペラの傑作『チェネレントラ』が新制作される。ヒット作を連発したロッシーニのオペラ・ブッファが頂点を極めた作品で、おなじみのシンデレラの物語が極上のオペラとなった。フィナーレのチェネレントラ(シンデレラのイタリア語)のアリア「苦しみと涙のうちに生まれ」は、メゾソプラノの絢爛たるアリアとして独立して演奏されることも多い名曲で、この大曲が描く、許すことの難しさ、尊さが、フィナーレに深い余韻を与えてくれる。

『チェネレントラ』舞台スケッチ

『チェネレントラ』舞台スケッチ

演出には、イタリア・オペラの読み込みにかけては随一の演出家である粟國淳。粟國淳と舞台美術家チャンマルーギの構想では、舞台は黄金期1950年代〜70年代のローマのチネチッタ(映画撮影所)。本作では、。ロッシーニが描く、自分の力で幸せな人生を勝ち取る少女の姿が、ヒロインを勝ち取る女優に重なっていることもあり、『チェネレントラ』の映画を撮影しようとしているプロデューサーと映画監督がヒロインの女優を探す物語に変貌した。ロッシーニの『チェネレントラ』には、誰しも自分の力で立ち上がって幸せを掴むことができるという人生の応援メッセージがたくさん入っているからだそうだ。本作では、魔法に助けられるロマンティックな『シンデレラ』とは一味違う、等身大で賢明な女の子の物語が活き活きと語られ、共感を集めるだろう。また、レトロタッチでチャームポイント満載の美術・衣裳も見どころだ。

タイトルロールのアンジェリーナ(チェネレントラ)は、イタリアを拠点に年々成熟を見せる脇園彩。チェネレントラはミラノ・スカラ座アカデミー時代に『子どものためのチェネレントラ』でスカラ座デビューを飾った作品で、その後も各地で出演を重ねてきた得意役だ。

アンジェリーナ役:脇園 彩

アンジェリーナ役:脇園 彩

王子ラミーロには、2020年『セビリアの理髪師』で脇園彩との名コンビぶりを見せ、大喝采を浴びた破格のロッシーニ歌いルネ・バルベラが登場。チェネレントラの父の男爵ドン・マニフィコには、ベルカントのレジェンドとして活躍を続ける名ブッフォのアレッサンドロ・コルベッリ。

ドン・ラミーロ役:ルネ・バルベラ

ドン・ラミーロ役:ルネ・バルベラ

ドン・マニフィコ役:アレッサンドロ・コルベッリ

ドン・マニフィコ役:アレッサンドロ・コルベッリ

王子の家庭教師アリドーロにはベルカントの旗手として躍進中のガブリエーレ・サゴーナが登場。軽妙なアンサンブルをリードするのは、イタリアの巨匠マウリツィオ・ベニーニ。

指揮:マウリツィオ・ベニーニ

指揮:マウリツィオ・ベニーニ

年々勢いに乗る新国立劇場のベルカント・オペラ、シーズン開幕を飾る『チェネレントラ』が、オペラの楽しさ、そして生きる力を伝えてくれるだろう。

【『チェネレントラ』ものがたり】
<第1幕>
ドン・マニフィコ男爵の屋敷。男爵の今は亡き後妻の連れ子アンジェリーナは“チェネレントラ(灰かぶり)”と呼ばれて使用人のように扱われ、姉となった男爵の娘クロリンダとティーズベを世話している。心優しいアンジェリーナは物乞いの男に水と食べ物を与える。彼は実は王子ラミーロの家庭教師アリドーロで、貧者に身をやつして王子の花嫁を探しているのだ。従者に扮した王子が屋敷に入り込み、アンジェリーナと一目で恋に落ちる。一方、王子の従者ダンディーニが王子に成りすまして現れ、一家を城の舞踏会に招く。
アンジェリーナも行きたがるがマニフィコが拒む。アリドーロはこっそりアンジェリーナを舞踏会に誘う。城の舞踏会では、姉娘2人が偽王子(実はダンディーニ)を取り合うが、突然現れた絶世の美女(アンジェリーナ)に皆が驚く。
<第2幕>
城の中。王子姿のダンディーニが出てきてアンジェリーナに求愛するが、彼女は従者を愛しているのだと語る。その言葉を耳にしたラミーロは、早速出てきて求婚する。すると、彼女は腕輪を差し出し、自分を探すよう告げて姿を消す。屋敷に帰った男爵と姉たちはアンジェリーナに八つ当たりする。外は嵐になり、馬車が転覆、乗っていたダンディーニが屋敷を訪れる。王子も次いで現れ、アンジェリーナの腕にもう片方の腕輪を見つけて再会を果たし、城に連れ帰る。王宮では、幸せを手にしたアンジェリーナが父や姉たちを許し、フィナーレの大アリア「苦しみと涙のうちに生まれ」を歌って幕となる。